すばこ雑記帳

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『SUVACO』と『リノベりす』を運営しているSUVACOのスタッフが、気になっているモノやコトを紹介したり、つぶやいたりするコーナーです。

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2016年10月14日更新

注文住宅(その他)

消えゆく小さな建築のはなし 〜屋台、宝くじ売場、そして...

初めまして。現在、東京大学で建築の勉強、スラム再定住地の住宅改修について研究中のクニエと申します。今回は、建築について僕が普段感じていることを書かせていただきます。決して専門的で難しい話ではありません。出来るだけ分かりやすいカタチで建築の魅力について伝えていければと思います。学生の分際で恐れ多くもありますが、少しだけお付き合いください。


屋台のはなし

今回は「小さな建築のはなし」と題し、街なかにある小さな建築についてお話ししたいと思います。

「建築」といったら住宅だったり美術館だったりを想像されると思いますが、小屋も立派(?)な建築として研究の対象になります。そういった建築の奥深さについて知っていただけたら、きっと街が今までとは違うものに見えてくるはずです。

という訳で、まずは普段あまり見かけることのない屋台についてお話しさせてください。


東京では下の写真のような“いかにも”な屋台はもうなかなか見つからないですよね。僕も普段、巨人の試合がある日の水道橋駅前ぐらいでしか見かけません。

著者撮影

著者撮影

屋台を営業するには道路交通法に基づいて行政に許可を得る必要があります。ただし現在では屋台営業権の譲渡は認められなくなってしまったので、現在営業なさっている方がやめてしまった時点で屋台は消えてしまいます。

ちなみに屋台に車輪がついているのは、「路上の建築物は要請があればすぐ動かせる仕様にしなければならない」という法律があるゆえでもあります。


ただ近年は「屋台村」という新しい形態も見かけるようになりました。下の写真は表参道にあるCOMMUNE246という期間限定の屋台村。ちょうど良い囲われ感で雰囲気も良く、建築家がデザインした移動販売車など、狭いですが見どころはたくさんあります。ついに2016年11月30日に閉まってしまうそうなので、まだ行ったことのない人はぜひ。

COMMUNE246

出典:COMMUNE246

下の写真は福岡・博多の屋台です。

博多の屋台も今ではすっかり有名になりましたが、衛生上の問題などから長年、屋台の存続をかけて行政側と屋台側で争われてきました。観光資源としては貴重なものの、やはり行政側としては色々と問題の多い屋台を排除する方向で動いていたのです。しかし、屋台側からの提案で、屋台特有のグレーなゾーンを出来るだけ排除することで合法的に存続させることが2000年に決定。博多の街のにぎわいには欠かせないものとなりました。

飛車浬 - ザ・屋台 酔ってかんね

出典:飛車浬 - ザ・屋台 酔ってかんね

雑居ビルの居酒屋も悪くはないですが、やはり浅草のホッピー通りのような半屋外空間での飲食はとても魅力的に映ります。歩くだけでも、通りがにぎやかで楽しげなものに感じられますよね。個人的な好みではありますが、僕は雑多な街こそ愛着がわきます。このように街を魅力あるものにしてくれる屋台が排除されてしまうのには心苦しいものがあります。

宝くじ売り場のはなし

皆さんは路上の宝くじ売り場に普段お気づきでしょうか?

僕自身、宝くじ売り場に興味を持つまで全く気づいていませんでした。曰く「3億円が欲しい時にしか見えない建築」。そんな宝くじ売り場の魅力についてお話します。

宝くじ自体は1945年の終戦直前に始まったものなので、宝くじ売り場の歴史も1945年に始まります。

写真提供:有限会社 八巻

写真提供:有限会社 八巻

写真は日本で一番古い路上の宝くじ売り場。小岩駅前にありました。カタチは変わりましたが今でも営業されています。

この頃は、写真のように机とイスを並べただけの簡易的な店舗が多かったそうです。

現在のような通称“BOX型”に切り替わるきっかけとなったのがジャンボの発売。当選金額の高さゆえ盗難が起こることが予想されたためです。

著者撮影

著者撮影

上の写真は東京駅近くの宝くじ売り場。
東京駅近くは歴史を感じるオリジナルな店舗がまだまだたくさんあります。東京駅近くを散歩する際は宝くじ売り場に注目してみても面白いかもしれません。

路上宝くじ売り場は立地も面白く、人の集まる場所に堂々と構えているにも関わらず、道ゆく人はあまり注目していないことが多い不思議な建築です。そんな路上宝くじ売り場も屋台と同様、営業権の譲渡が認められていないため、いずれは消え行く運命にあります。路上売り場マニアとしては残念でなりません。

新しい小さな建築

最後は新しい小さな建築のはなしです。

すっかり排除の方向へと進んでしまっている小さな建築たちですが、彼らに活路を見いだすかもしれない、建築とは言えないもののなかなか面白いプロジェクトがあります。

それが「PARK(ING) DAY」というもの。サンフランシスコから世界中に広まったこのプロジェクトは、パーキングメーターにお金を入れて、そこをパブリックな公園にしてしまうというもの。日本では2014年に静岡・浜松で行われているそうです。

Carolina planning journal

出典:Carolina planning journal

実は、これと似たようなことが東京でも起きています。
それがこの都内某所のケバブ屋さん。後ろの建物に見覚えのある方もいらっしゃるとは思いますが、このケバブ屋さん、時間貸しの駐車場で営業しています。許可をとっているのかどうか怪しいところではありますが、街のど真ん中、たくさんの人が集まるところでテナント費を抑えながら営業とはなかなか賢い。

行政の規制によって街から小さな建築たちが退場していっている中、こうしたゲリラ的な試みが、至るところでくり広げられているのです。

著者撮影

著者撮影


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