2018/09/24更新0like3773view

著者:443kikaku|なかむらよしみ

インパクトある勾配天井が印象的な部屋づくり

屋根の形を室内空間のデザインに活かした好例といえば、世界文化遺産の白川郷の合掌造りの建物が挙げられます。筆者は白川郷を訪れた際に、合掌造りの屋根の形のままの天井に圧倒された思い出があります。今回は合掌造りとまではいかずとも、インパクトのある勾配天井の事例を集めてみました!

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

屋根の形を活かした勾配天井

勾配天井とは、文字通り勾配(傾き)がある天井のことです。

一般的な室内の天井は水平が多いですが、屋根の形を室内空間のデザインに活かすことを目的とするケースや、建築上の制約で天井の高さを確保できず、必然的に天井が斜めになってしまうケースでは、勾配天井が登場します。

勾配天井にかかる梁が印象的な部屋

本来は、建物の重さを支える役目を果たす梁(はり)。これを建物の構造体としてではなく、飾りとして見せるケースもあります。勾配天井では、水平の天井だと隠される梁や垂木(たるき)などの構造体が目に入り、空間にアクセントをもたらします。中でも梁が印象的な事例をいくつかご紹介します。


こちらは、木材で仕上げられた勾配天井に、木のフォルムを活かした梁が魅力的。
無骨な造形の梁ですが、天井板と同系色の明るい色なので、むしろ軽やかな印象さえあります。
こちらも木材で仕上げられた勾配天井。

天井と壁の間をわたる梁が印象的です。天井や床の色味に対し、梁の色が少し濃いので、インパクトがより増しています。
天井が高いのと梁自体がさほど太くない直線形なので、圧迫感を感じさせず、スマートな印象に仕上がっています。
こちらは、太く隆々とした印象の梁がインパクト大!

勾配天井を横切る梁は色味も濃く、天井や壁の白い色とのコントラストがはっきりしているため、自然と天井に目を向かせます。

垂木が印象的な部屋

梁と同様、建物の構造体である垂木。ここからは、垂木で勾配天井を彩る部屋を紹介します。

こちらの事例では、勾配天井に沿って並ぶ立派な垂木が目を引きます。
壁は白、床も白っぽい木材、収納も明るい色で仕上げられているため、それらに比べ濃い目の色の垂木は強い印象を残します。
勾配天井のインパクトの強さからか、上から包み込まれるような感覚になるのが不思議です。
こちらも、存在感のある垂木が印象的な勾配天井の事例。天井が高く、開放感がありますね。
田辺芳生「『東松戸の家』寛ぎ大空間リビングの住まい」

シンメトリーな勾配天井の安定感が印象的な部屋

勾配天井の傾きの角度や勾配の割合は、屋根の形や空間デザインの意図によって変わってきます。
ここでは、バランスがよく空間に安定感をもたらす、シンメトリーな勾配天井の事例を取り上げます。


まずは、木材で仕上げられた勾配天井がどっしりとボリューム感たっぷりの事例から。
階段が室内中央に配され、その上にシンメトリーな勾配天井がかぶさっているような造り。空間の対称性が、見る人にバランスのよい印象を与えます。
勾配天井のみならず、テーブルや椅子に至るまで見事にシンメトリーな事例です。

透過性のある素材を天井に用いるというユニークさにもかかわらず、突飛な感じがしないのは、左右のバランスが取れたシンメトリーな空間だからこそ。
葛川かおる「『外・〈外〉・《外》』家の中に家がある!」

アシンメトリーな勾配天井がおしゃれ

シンメトリーとは逆に、そこはかとない不安定さがドキドキを駆り立てるアシンメトリー空間。勾配天井も非対称にすることで、小洒落た雰囲気の空間づくりに貢献します。ここではアシンメトリーな勾配天井の事例を紹介します。


こちらは、勾配の角度が非対称な勾配天井の部屋。
すっきりモダンなイメージの家具を配した空間に、アシンメトリーな勾配天井がひとさじの洗練した雰囲気を加えています。

光が演出する勾配天井の表情

勾配天井を照らす光が空間にコントラストを生み出す事例を集めてみました。
ひと口に「光」と言っても、照明器具の光なのか、自然光なのか、上または下から照らすのか、ちょっとした違いで雰囲気が大きく変わるのがおもしろいところ。


まずは、勾配天井の傾き下の部分に間接照明が仕込まれたこちらの事例。
照明の光が勾配天井への視線を誘導するとともに、勾配天井の造形が照らされることで、その形状がくっきりと鮮明になります。
森清敏/川村奈津子「岡崎の家」
勾配天井の一番高い部分に、トップライトが配された特徴的な事例。

トップライトの明るさと対照的に、勾配天井の表面は暗く感じられますが、白を基調としたシンプルな空間のため、天井の勾配がかえって印象的に目に入ります。
ハイサイドライトからの自然光が勾配天井のフォルムを際立たせた事例。

天井が高い吹き抜け空間にあり、比較的緩やかな勾配天井です。天井と窓(光)との関係で、窓に向かって広がるような、そして窓から光を集めるような空間になっています。
アールタイプ「HOT home」
この記事で取り上げた事例では木材で仕上げられた天井が多かったですが、勾配天井は素材も傾きも千差万別。天井が主役級のインパクトを持つ空間は、そのボリューム感のせいか、なんとなく上から包み込まれているような安心感があります。落ち着く空間、くつろぐ空間づくりには、存在感のある勾配天井がうってつけかもしれません!
お気に入りに追加

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る