2015/04/19更新｜0like｜27545view

著者：SUVACO編集部

傾斜地や崖地の特性を生かして建てた家

傾斜地、また崖地となると、できれば建築を避けたい敷地条件です。土地の値段は格安になりますが、基礎・地盤工事に余計な費用がかかります。また雨水対策も考えなければなりませんし、大抵の場合、土留め・擁壁工事が必要です。したがって土地が格安でもコスト高に終わってしまいます。将来、売ることを考えているのなら、傾斜地はおすすめできません。
　しかし中には、不利な条件を逆手に取って、傾斜地でなければ考え付かない着想力に満ちた家もあります。ここでは、傾斜地や崖地の特性を生かして建てた家を紹介してみます。

高低差は合わせて10m以上もあり、傾斜地というより崖地と呼ぶのにふさわしい立地です。ここに計画したのがA棟（親世帯）とB棟（子世帯）分離型の二世帯住宅です。東京ではめずらしい鋼板縦葺き屋根が特徴となっています。

米村和夫「（東京都あきる野市）秋川の３段崖地の家/A棟/B棟」

米村和夫

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下の親世帯に直接行けるよう、鉄骨の外部階段を設置。
長閑なあきる野市の風景が広がります。

米村和夫「（東京都あきる野市）秋川の３段崖地の家/A棟/B棟」

米村和夫

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子世帯のほうは、このようにオスモカラーで黒っぽい床に仕上げています。

米村和夫「（東京都あきる野市）秋川の３段崖地の家/A棟/B棟」

米村和夫

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親世帯の床の色は標準的なナチュラルカラー。
蓄熱式電気暖房機が設置されているということはオール電化を採用しているのでしょう。また、天井をあらわしに仕上げてあるのは、外張り断熱仕様なのでしょう。立地は崖地には違いありませんが、住まいの性能にも予算をかけているのがわかります。

米村和夫「（東京都あきる野市）秋川の３段崖地の家/A棟/B棟」

米村和夫

（東京都あきる野市）秋川の３段崖地の家/A棟/B棟-(B棟)吹き抜けがあると楽しい！会話も生まれる！

（東京都あきる野市）秋川の３段崖地の家/A棟/B棟-(B棟)キッチンでのシーン

（東京都あきる野市）秋川の３段崖地の家/A棟/B棟-(B棟)2階多目的ルーム（書斎兼ピアノ室）からリビングを見下ろす

（東京都あきる野市）秋川の３段崖地の家/A棟/B棟-2つの世帯をつなぐ階段

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「あれっ。ここは平家かな？」
玄関アプローチだけ見ると、そんな気もしてくる家です。

鈴木宏幸「027甲府 I さんの家」

鈴木宏幸

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玄関から入ると、ホール対面側に視界が抜けます。
じつはこの家、景観のすばらしさに惚れ込み、傾斜面を利用して建てられました。

鈴木宏幸「027甲府 I さんの家」

鈴木宏幸

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建物の脇から回って正面から見てみます。

鈴木宏幸「027甲府 I さんの家」

鈴木宏幸

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すると、45度ほどの急な傾斜地に建てられたRC造の高級住宅がそびえ立っているのがわかります。晴れた日には富士山が臨め、階下に広がる街が一望できます。傾斜地でなければ、これほどの絶好の見晴らしを楽しめなかったかもしれません。

鈴木宏幸「027甲府 I さんの家」

鈴木宏幸

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リビングダイニングの階段前には薪ストーブが設置されています。また囲炉裏端がある和室もあります。

鈴木宏幸「027甲府 I さんの家」

鈴木宏幸

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このようなロケーションを独り占めできるお風呂の時間も、この家で暮らす醍醐味なのかもしれません。

鈴木宏幸「027甲府 I さんの家」

鈴木宏幸

027甲府 I さんの家-外観

027甲府 I さんの家-外観

027甲府 I さんの家-玄関

027甲府 I さんの家-外観

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窓から見るワイルドな木々生い茂る風景を手に入れたくなり、この軽井沢の傾斜地を選んだのかもしれません。高下駄を履かせたような基礎が印象的です。

鈴木宏幸「008軽井沢Fさんの家」

鈴木宏幸

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道路側から（傾斜地ではない方向）から見た室内の全景。
ロフト部分は、ちょっとした寝室なのでしょう。

鈴木宏幸「008軽井沢Fさんの家」

鈴木宏幸

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山小屋の喫茶室のようなしつらえです。備え付けられたグリーンのソファが素敵ですね。

鈴木宏幸「008軽井沢Fさんの家」

鈴木宏幸

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さきほどのグリーンのソファもそうですが、施主からの「色を使いたい」という要望により、赤のペレットストーブをチョイスしました。ペレットとは、おがくずや鉋屑などを原料とし圧縮成形したエコロジーな固形燃料のこと。写真のペレットストーブはホワイトペレットを使ったFF式のようです。

鈴木宏幸「008軽井沢Fさんの家」

鈴木宏幸

008軽井沢Fさんの家-外観

008軽井沢Fさんの家-外観

008軽井沢Fさんの家-外観

008軽井沢Fさんの家-外観

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最後は中庭の傾斜地を設計に生かした住宅です。
エントランス部分は玄関とガレージでけですが、中庭から見るとかなり違った雰囲気になります。

鳥山敦生「NAG-house スキップフロアーの家」

中庭の傾斜を利用してつくられた階段アプローチ。片側全面ガラス張りです。
写真奥方向がこの住宅のエントランス。アプローチを下りながら建物奥に入っていきます。

鳥山敦生「NAG-house スキップフロアーの家」

スケルトンの階段はスキップフロアにつながります（2階ではありません）。
そこは子どもたちの音楽室兼ダンスフロアになっています。とってもラグジュアリーな雰囲気のある家ですね。

鳥山敦生「NAG-house スキップフロアーの家」

実際には、緑がもっと生い茂る予定。
写真左側がエントランス部分（北）で、敷地奥にしたがって傾斜がかかっています（南）。
そのため、北側の建物には十分な日差しが得られているようです。

鳥山敦生「NAG-house スキップフロアーの家」

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