2017/06/09更新0like7698view

著者:niwatori*

スケルトン・インフィルという選択〜自由にリノベーションを考える〜

「スケルトン・インフィル」という言葉を聞いたことありますか?家の新築やリノベーションを考えている方はご存知かもしれませんが、この構法を用いることによって、将来の可能性が広がるかもしれません。その「スケルトン・インフィル」について考えていきます。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

スケルトン・インフィルって??

「スケルトン・インフィル」とは、スケルトン(=構造体)とインフィル(=内装・設備)を別々に考えた設計のことです。これまで日本の建築ではこのような構法はほとんど用いられておらず、内装の経年劣化を建築物自体の寿命と捉えられてきました。

人々のライフスタイルは日々変化しており、それに応じて住宅も変化を遂げる必要があります。内装設備の寿命は30年程度なのに対し、建築物の寿命は60年以上。この点を考えると、「スケルトン・インフィル」が将来的には重要だと分かりますね。

メリットは?

では、スケルトン・インフィルを実現するとどんなメリットがあるのでしょうか。

◎簡単に内装を変更できる
構造体がしっかりしていれば内装や間取りの変更はしやすく、長く住み続けられます。子供の成長や親の介護など、ライフスタイルに変化が生じた際にもうまく適応できて合理的です。

◎メンテナンスのしやすさ
スケルトン・インフィルでは、水道の配管やパイプ類が構造躯体と分離されている分、メンテナンスや交換がしやすくなります。

◎ライフサイクルコストの軽減
現在日本の住宅の耐用年数は、欧米に比べて短いことで知られています。しかしスケルトン・インフィルでは、建築物を長く使うことになるので、1年当たりのコストは下がり、建て替えに伴う廃材等も発生しないのでエコだと考えられます。

◎想像しやすい人生プラン
リフォーム・リノベーションがしやすいので、将来設計が立てやすくリスク軽減にも繋がります。
無二建築設計事務所「「バリアフリー」と「心地よさ」をかなえた シニア向けリフォーム:コンクリート住宅のリノベーション」

デメリットは?

それでは、考えられるデメリットは何でしょうか。

△建築コストが高くなる
スケルトン・インフィルは長期で住み続けるために、耐震性などの性能を十分備えて建築する必要があります。そのため、一般的な住宅よりもコストが高くかかってしまうケースが多いのです。

△騒音問題
スケルトン・インフィルでは間取りの自由度・レイアウトの自由度が高いため、集合住宅の場合は隣家や上下階と排水音などが原因で問題が起こることもあります。遮音対策も考えておいた方がいいでしょう。

将来的な可能性に大きな期待

日本におけるスケルトン・インフィルはまだ歴史が浅く、定義も曖昧な部分が気になります。しかし、ライフスタイルに合わせてリノベーションをしながら長く住み続けるというのは、合理的で最大の魅力ではないでしょうか。

丈夫なスケルトンをつくり、インフィルを自由に変化させていく考え方は資材の有効活用になり、メンテナンスを怠らず丁寧に暮らしていけば、100年以上でも住み続けることは可能です。

国土交通省も推奨しているスケルトン・インフィル。これから様々な取り組みが期待されます。
川嶋玄「スケルトン・インフィルの家」
家を住む人に合わせて変えていく時代。変化を遂げながら、次世代へと長く愛される住まいをつくっていきたいですね。
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