殺風景とは、広辞苑によると「風景を損なう意」とのこと。面白みがなく興ざめした状態を指す言葉です。でも、ミニマリストのシンプルな部屋は、モノがなく生活感が抑えられていても、どこか洗練されていておしゃれ。シンプルやミニマルと殺風景、いったいどこで差がつくのでしょうか?
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ミニマリストが大事にしているデザインの極意
デザインや色のテイストを統一する
余白を十分に活かす
アクセントを上手に使う
収納の設け方には二つの考え方がある
ミニマリストが大事にしているデザインの極意
居住空間に置くモノは必要最小限に抑えることです。
広さにこだわってプランニングしたリビングなのに、たくさんのモノがあふれているためちっとも広さを感じない…切ない悩みであるとともに、よくある話でもあります。
ミニマルな暮らしの基本は、モノを持たないスタイルであること。余計なモノが居住スペースに存在しないから、空間がすっきりきれいに見え、広さが床面積以上に広く感じられるのです。
それでは、モノをいっさい置かなければいいのかといえば、それは違います。
賢いミニマリストは、必要なモノと、そうでないモノの見極めが上手。必要最小限のモノだけで空間を構成しています。モノがなければいいのだろうとばかりに必要なモノまで排してしまうと、殺風景な部屋になってしまうのです。
デザインや色のテイストを統一する
ミニマリストは、デザインや色にこだわり、気に入ったデザインや色による統一性を徹底しています。
よく見れば、デザインに遊び心があったりするのかもしれません。そこに、住まい手の好みや目指している理念がそこはかとなく伝わってくるはず。つまり、「人の息づかい」が感じられるから、モノは最小限でも手触りの温かい景観がつくれるのでしょう。
機能最優先で選んだ、特徴の乏しいデザインのモノを揃えただけでは、人とモノの関わりが感じにくいため、寂しい眺めの部屋になってしまうと考えられます。
余白を十分に活かす
実はいろいろなモノが置いてあるにもかかわらず、シンプルでミニマルな空間に見える場合があります。
それは、壁面を上手に見せているからではないでしょうか。壁際にやたらと家具を置かず、余白をつくることで、空間はきれいに整います。
この場合、余白は豊かさとイコールで結べますが、だからと言って、余白を取り過ぎると大事なものが不足しているように見えてしまうので、そのバランスが重要になってきます。
アクセントを上手に使う
シンプルでミニマルな空間のインテリアにするには、白を基調にするのがおすすめ。
主張が穏やかで包容力の豊かな色である白は暮らしに溶け込みやすいほか、壁クロスの色としては極めて一般的であるため、選択に悩む必要がないという実際的な理由もあります。
そして、白以外の差し色になる家具やファブリックを置いたり、観葉植物を飾ったり、アクセントウォールを採用したりと、空間にちょっとした変化を付けるのが一つのテクニック。
このような遊び心の有る無しが空間が豊かになるか、殺風景になるかの分かれ道に。
収納の設け方には二つの考え方がある
ミニマルに暮らすために不要なモノを惜しげもなく処分する、だから収納は小さくてよくて、その分を居住空間にすればいい、という考え方ができます。いわゆる断捨離ですね。
その一方、例えば成長期の子供がいれば、次第にモノが増えていくのは避けられません。だから収納はしっかり確保して、モノをしまいやすくすることにより空間のシンプルさを保つ、という考え方もできます。
これについては、住まい手それぞれが自分のライフスタイルを見つめ、長いスパンで暮らしのあり方を検討して決めてほしいと思います。
シンプルやミニマルなインテリアを実現するのは、それほど難しいことではないので安心してください。大切なのは、空間をきれいに見せる意識を忘れないこと、余分なモノを増やさないこと。そしてなにより、インテリアづくりを楽しむことです。