2017/02/08更新1like4717view水沼 均

建築実例に学ぶ、障子を現代デザインの住宅に取り入れるコツ

障子は古来から日本の住宅で用いられてきた建具です。清楚なデザインと美しい光など、障子は数多くの魅力を備えているので、現代住宅でもさかんに採り入れられています。では障子はどんなふうに採り入れると、どんな魅力を発揮するでしょうか。

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障子の魅力はどんなところにある?

SUVACOではたいへん数多くの障子を使った例を見ることができますが、これらの例を見ていると、すてきな障子の活用方法にはいくつかパターンがありそうに思えます。

例えば障子への光の当たり方で、感じがとても異なってきます。また部屋の位置や広さによって、障子の引き立ち方も変わってきます。

こうして障子は実にさまざまな異なった魅力を発揮してくれます。以下に例を挙げながらじっくりと見てまいりましょう。

一様に薄明るく部屋を照らす障子

障子は日当たりのある場所とない場所に設けるのとで、その効果が異なります。どちらもとても魅力的ですが、光の質感が異なってくるんですね。これを上手く活用すると、同じ住まいの中でも変化に富んだ障子空間をさまざまに設けることができます。

まず北向きの部屋など、直射光の当たらない場所で障子を設けると、一面が薄明るく光り、部屋全体を鈍く明るく照らし出してくれます。

下の写真は西向きのリビングダイニングですが、直射光が当たっていない状態の写真です。障子から入った光が部屋の奥までまんべんなく、薄明るく照らし出している様子がわかります。
下の写真も同じく、障子に直射光が当たっていない状態の部屋です。家具や置き物など、部屋にあるすべての要素が柔らかく一様に照らされて、重力から離れて浮かび上がったような浮遊感を感じさせます。

一面に強く光り輝く障子

一方、南向きの部屋など直射光の当たる場所で障子を設けると、障子一面が太陽光の色で大変明るく光って部屋を照らします。夏は白に近い色で、そして秋冬は金色の光で障子が一面に輝きます。

このとき北向きと異なり、窓の近くはとても明るく、窓から離れるにしたがってどんどん暗くなっていきます。

したがって南向きの部屋では、部屋一面が同じ明るさで照らされるというよりは、部屋は暗めで障子面が明るく光り輝いているというイメージになります。同じ障子を用いるのでも、方位などによってとても異なった表情を味わうことができるわけです。

下の写真は、リビングダイニングに設けられた障子が直射光で光っている例です。光のコントラストが少し強くなって、家具などの室内要素が立体感をともなって見えていることがわかります。

影をスクリーンのように映し出す障子

障子の持つもう一つの魅力は、外にある物の影をスクリーンのように映し出すことです。外に木などを植えておきますと、障子は下の写真のように大変美しい影の模様を描き出してくれます。そしてこの影は時間とともに刻々と動いて、住まいの中で動く要素となって目を楽しませてくれるでしょう。

小さな場所を照らして威力を発揮する障子

また障子の面は一様に光って、場所をまんべんなく照らし出してくれます。そのため、特に小さな場所に用いると、狭さを消して広々と見せてくれる効果があります。

下の写真の廊下は小さな場所ですが、右側がすべて障子面になっているため窮屈さを感じさせません。外が見えないにもかかわらずこれだけの開放感を感じさせてくれるのは、ひとえに障子の光の豊かさによるものと言えるでしょう。

ちょっとした明かり取りにはぜひ障子!

障子はまた大面積でなくても、ちょっとした明かり取りに用いることでとても引き立ってくれる良さがあります。特に暗くなりがちなコーナーなどに設けると、奥へとつながる手がかりのような光をもたらしてくれるのです。

下の写真は秀逸な例です!障子の奥も室内ですが、視線は遮りつつ光と気配は感じることのできる、すばらしい室内窓になっています。

洋間にもよく似合う障子

障子は洋間にも実によく似合います。シンプルでニュートラルなデザインなので、どんなインテリアにもコーディネートがしやすいのです。

下の写真は洋間のLDKですが、障子がとてもよくなじんでいます。外からの視線が気になる位置にLDKがあっても、これならカーテンを閉めずにいつでも豊かな光を味わうことができますね。
下の写真も洋間に障子を設けた例ですが、暗くなりがちな奥のコーナーに障子の高窓を設けています。左の面の開口は景色を見せるためのもの、そして正面の障子は光を見せるためのものとして、開口の魅力を使い分けている大変優れた例です。

白いインテリアに抜群に似合う障子

洋間の中でも特に、白いインテリアには障子は抜群に似合います。障子自体が真っ白な存在ですから、マッチングとしては完璧ですよね。

下の写真は実に豊かな例です。光を見せる大障子面、そして空を切り取って見せる高窓。障子とイサム・ノグチの照明器具とのマッチングも完璧ですね!

地窓にぴったりな障子

障子は外からの視線を遮りつつ、光だけを導いてくれます。したがって足元に明かりがほしいとき、障子の地窓はぴったりのマッチングです。

下の写真は玄関に地窓を設けた例です。玄関土間は、靴を履いたり脱ぐためにぜひ明かりがほしい場所ですよね。けれども外から見えては落ち着きません。こんなときにも障子はぴったりです。

障子のデメリット

こんな魅力的な障子にも、デメリットは存在します。

まず真っ先に思い起こすのは障子紙の弱さですが、幸い現在ではこのデメリットは、強化障子紙の存在によってほぼ消滅しています。強化障子紙は主にプラスチック板の両面に和紙を貼り込んだもので、丈夫で破れず、水にも強い優れものです。

他には、桟に埃がたまりやすいという問題もまたあります。掃除の際に手間が1つ増えるわけですね。そして建具としては遮音性がほとんどないことも、デメリットの1つと言えるでしょう。
障子というと昔の家のものと考えがちですが、こうして例をたくさん見てみると、現代の住まいの中でも障子の豊かさ、楽しさはどんどん進化を続けていることがわかります。

ぜひ障子の魅力に着目して、すてきな住まいを考えてみてください。障子がぴったり似合うような場所が、きっとあるはずです。
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この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

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