2022/11/09更新0like1668view

著者:岩間光佐子

あると便利な裏方スペース。サービスヤードをプランに取り入れよう

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

サービスヤードとは、勝手口もしくはキッチンなど家事作業スペースの周辺に設けられる屋外空間のこと。洗濯や物干場、ゴミ置き場として利用できる裏方スペースです。ここでは、あると便利なサービスヤードのプランニングのポイントをまとめました。

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家事作業が楽になる裏方スペース

サービスヤードとは、キッチンや勝手口などの周辺に設けられる屋外スペースを指します。洗濯や物干し、その他屋外での家事を行う場所、それらで使用するモノの収納スペースも含まれ、ゴミの一時置き場などになるケースもみられます。

実際には、サービスヤードと意識しなくても、勝手口の脇を収集日までのゴミの一時置き場としていたり、庭の掃除用具などを置いていたり、物置を設置している方も多いでしょう。しかし、家の裏手、裏庭ということから、上手に活用されていないケースも多いようです。

家づくりの際には、外まわりのプランはどうしても後まわしになりがちですが、間取りと同時に裏方スペースを検討しておくことで、家事のしやすさはもちろん、暮らしやすさがアップするものです。特に、洗濯物干し場やゴミの一時保管、ガーデニング用品の収納、ショッピングカートや三輪車、ペット用品の置き場などは、間取りプランを検討する際にはつい見逃されがち。でも、裏方スペースであるサービスヤードがあることで、家事効率も高まります。

サービスヤードのプランニングの考え方

サービスヤードをプランニングする際に、押さえておきたいポイントを5つ紹介します。

1.家事動線を確認する

家事動線を考える際には、サービスヤードも含めて屋内外で検討を。どのような動き方をするのか、勝手口やキッチン付近などからの行き来、門扉や車庫、庭からの距離など、建物の配置やゾーニングと同時に検討することが大切です。

2.適する広さを確保する

サービスヤードとして必要な広さは、作業内容はもとより、収納するモノによっても大きく異なります。洗濯物干し場を設けるのか、庭仕事をするのか、あるいは、どんなモノをいくつ収納したり一時保管したりするのかなど、新しい住まいでの暮らしをイメージして、必要な空間を確保することが大切です。

3.モノを出し入れしやすい設計とする

収納スペースを確保したり、一時保管の場所として利用するのであれば、使い勝手も重要です。棚やラックなどを検討してもいいでしょう。また、荷物を持ち運ぶ場合の勝手口との行き来のしやすさ、室内側と屋外側のつながりには配慮を。たとえば、開放できる引戸タイプの勝手口扉としたり、室内床とフラットになるようなウッドデッキスペースとする、などが考えられます。

4.プライバシーに配慮する

家の裏手に設けることが多いサービスヤードは、隣家や周辺道路に接してしまうおそれも。プライベートな作業や洗濯物、雑多なモノなどが周囲から直接見えないような配慮することも必要でしょう。近隣からの視線を遮り、隣家からの眺めも害さないような目隠し塀やパーテーション、植栽を設けるなど考慮したいものです。

5.屋根や床を検討する

洗濯物を干したり、自転車を置くスペースとするのであれば、屋根の設置を検討しましょう。建物本体の一部としてプランニングしてもいいですし、後付けタイプのエクステリア商品を取り入れても。雨対策としてはもちろん、太陽光を通す素材であれば、洗濯物も乾きやすいでしょう。また、床面にも配慮したいもの。汚れにくく掃除のしやすいコンクリートやタイルを用いたり、屋内空間と行き来しやすいデッキスペースとするなど、使い方に合わせた素材選びが大切です。
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あると便利な設備・アイテム

サービスヤードには、使い方や作業内容、収納するモノなどに合わせて、設置しておきたいアイテムがあります。庭やカーポートと共有するのか、それぞれ別に設置するのか、敷地全体で検討するようにしましょう。

物干しバー

洗濯物干し場として利用するのであれば設置しておきたいもの。通常は用いないとしても、雨の際に必要になることもあります。また、雑巾やペット用品などを乾かす場として利用するケースもあるでしょう。

水栓やシンク、作業台

屋外作業用の水栓やシンクも便利な設備です。スポーツ用品やペット用品、車用品だけでなく、家庭菜園の泥付きの野菜などを洗うのにも便利。また、DIYやガーデニングには、作業台があると使い勝手もいいものです。

照明、コンセント

勝手口のためだけでなく、夜間に作業をすることもあるのであれば、スペース全体を照らすことのできる照明を設けておきたいもの。また、DIYやガーデニングなどで電気機器を用いる場合にはコンセントを忘れずに。

2階リビングであればベランダを利用しても

サービスヤードのような裏方のスペースは、設置する目的や作業内容によっては必ずしも屋外でなくてもいいかもしれません。半屋外のような空間やテラスを囲うようなプラン、屋内に土間スペースなども考えられるでしょう。

また、1階ではなく上階にキッチンのある間取りの場合は、キッチンから行き来できるサービスバルコニーを設けておくという方法も。ゴミの仮置き場、簡単な収納スペースがあると便利です。

すっきりとした心地よい暮らしを実現するためには、裏方スペースは重要です。キッチンに隣接させて設けるパントリー、クローゼットやユーティリティスペースなども家事作業の裏方スペースのひとつ。さらに、屋外に設けるサービスヤードがあることで、多様な家事作業に対応することができるようになります。広いスペースを確保するのは難しいかもしれませんが、限られた空間でも工夫しだいで使い勝手は高まるものです。新築やリフォームの際には、敷地条件や生活スタイルに適したサービスヤードを検討してみてはいかがでしょうか。

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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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