住宅購入を考えているというあなたに。住宅ローンを組んだら、少しでも利息を減らすためにも早めにローンの返済をしたいと考えますよね。そのため、まとまったお金が入った時に住宅ローンの繰上げ返済に充てるという方も少なくありません。しかしながら実は、後々に繰上げ返済をしたほうがおトクになるケースもあるんです。今回は、住宅ローンを組んで2年目に繰上げ返済するケースと、11年目に繰上げ返済するケースを比較してお話したいと思います。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
住宅ローンを組んでから2年目に繰上げ返済した場合
住宅ローンを組んでから11年目に繰上げ返済した場合
住宅ローンを組んでから2年目に繰上げ返済した場合
(例)
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ローン残高:3,000万円
借入期間:35年
金利:0.5%(変動)
返済タイプ:元利均等返済(ボーナス利用なし)
毎月返済額:77,875円/月
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仮に、金利が35年間変動しなかったとすると、総返済額は32,707,500円です。住宅購入から1年経過して、200万円繰り上げ返済(期間短縮型)したとします。すると、総返済額は32,354,304円です。差額の353,196円が200万円の繰り上げ返済によって軽減された利息額となります。
一見すると、200万円で約35.3万円も利息を軽減できているので、効率的に見えますよね。ところが、住宅ローン控除のことを忘れてはいけません。
【住宅ローン控除について知りたい方はこちら】
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住宅ローン控除とは?どれくらいお金が戻ってくるの?
200万円残債が減るということは、2年目以降の住宅ローン控除の枠も減らしてしまっているということです。その額は、200万円×1%×9年(2年目~10年目)=18万円です。繰り上げ返済をすることで、本来受け取れたはずの18万円分の還付金が減ってしまったということです。
つまり、200万円繰り上げ返済することで、約35.3万円の利息を軽減できましたが、受け取る還付金も18万円減ってしまうので、最終的な繰り上げ返済の効果は約35.3万円-18万円=約17.3万円ということになります。
では、200万円の繰り上げ返済をするタイミングを、ローンを組んでから11年目(住宅ローン控除の期間が終わった後)に行った場合はどうなるでしょう?
住宅ローンを組んでから11年目に繰上げ返済した場合
たとえば、購入してから11年目までに繰り上げ返済のタイミングを遅らせると、総返済額:32,471,912円となります。利息の軽減効果は、235,588円です。2年目に繰り上げ返済するよりも利息の軽減効果は減ってしまっています。
しかし、住宅ローン控除はフルの10年間で受けることができます。
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2年目に繰り上げ返済した場合のトータルメリット
⇒約17.3万円
11年目に繰り上げ返済した場合のトータルメリット
⇒約23.5万円
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実は、両者を比較すると、11年目に繰り上げ返済したほうが得ということがわかりますね。
※上記はシミュレーションとなります。借入日や繰り上げ返済日などによって、上記の金額と異なる結果になる可能性があります。
繰り上げ返済したほうが得なのか?否か?は、所得税の支払い状況やローン額などによっても異なります。ご自身の場合はどうなるのか?ファイナンシャルプランナーに相談し、確認してみてはいかがでしょうか?