2017/09/20更新0like3065view

著者:RoomClip mag

将来に備えるリノベ。変化にあわせて間取りを変えられる家【連載:リノベじゃなきゃ、ダメでした。】

この記事を書いた人

RoomClip magさん

暮らしとインテリアにまつわる「ノウハウ」をお届けするウェブマガジン。日本最大級のインテリアSNS「RoomClip」に集まった写真を元に、誰にでも役立つ情報をお届けしています。

中古住宅を購入し、住まい手のライフスタイルにあった形にガラリと変える「リノベーション」。この連載では「施主目線」に立ち、リノベーションでなければならなかった理由やパートナーを選んだ基準、そしてこだわりポイントを掘り下げます。

今回は、神奈川県に家族3人で暮らすsaku39sakuさんにリノベーション体験をお伺いしました。お子さんの誕生、暮らしの変化などに伴い、改めて理想とするライフスタイルを求めて住み替え・リノベーションを決意されたというsaku39sakuさん。どのようにその理想を実現されたのか、さっそく見ていきましょう。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

今回教えてくれたユーザーさん♪

saku39sakuさん(RoomClip)
子供が生まれたことが暮らしを見つめ直すきっかけとなり、2016年4月に元々住んでいた街で出会った築30年の物件をフルリノベーションしました。 かもめ食堂の雰囲気に憧れて、北欧雑貨を少しずつ集めています。

そもそも家探しをしようと思ったきっかけは何ですか?

「一つ目は狭さです。2人暮らしを念頭に新婚当初に借りた家では、子供が生まれると脱衣所やダイニングが狭く感じるようになりました。ベビーベッドやバウンサー、侵入防止の柵などが常に出ているからです。玄関はベビーカーを置くと、他には何も置けません。通るたびにぶつかったり、娘が何か倒したり、なんだか毎日がバタバタしているように感じました。

二つ目はそれに付随するように、だんだんと私たち夫婦も、暮らしに対して諦めのような気持ちが出てきてしまったことです。新婚当時は気を使っていたインテリアも、次第に放置気味になっていき、家にいてもほっといい気分になることがなくなってきました。娘のお世話をしながら、食べて、寝る、そんな毎日に慣れてきてしまったのです。 ささやかながらにお花を飾ったり、お気に入りに囲まれる……そんな暮らしに憧れつつもできない。それがちょっとしたストレスとして積み重なっていたのです。 そこで、育児休暇から復帰することもあり、環境を思い切って変え、『自分たちの本当に好きな暮らしを手に入れよう!』と思い、家探しを始めました。」

どうして、リノベーションじゃなければダメだったんですか?

「どうしても、お気に入りに囲まれながら、家族のライフスタイルの変化に柔軟に対応できる家にしたかったからです。2014年に子供が生まれ、育児休暇を取得しました。家族が増えて幸せを感じつつ、慣れない育児に翻弄され、日に日にインテリアに興味がなくなっていきました。『娘が第一、家のことは二の次』という感覚になり、家にいても気持ちが安らがず……『これではいけないな』と思い始めました。

娘がハイハイで動き回るようになると、部屋の間取りやちょっとした段差が気になるようになり、手狭に感じることも増えました。『本当に自分たちが心からほっとできる、お気に入りの家を作ろう!』『家族のライフスタイルに合わせて、柔軟に対応できる間取りにしよう!』それを追求できるのはリノベーションだと、決意しました。」

リノベーションの情報や依頼先は、どうやって探しましたか?

「友人にリノベーション経験をした、不動産関係者がいたんです。その友人に、まずは相談しました。 おススメのリノベーション会社さんを何社か紹介してもらい、事例をよく見て自分たちのテイストに合いそうなところをピックアップ。その後、無料相談会やショールームに足を運び、最終的に友人と同じ『nuリノベーションさん』に決めました。信頼する友人がお願いした会社さんということ、営業さんやデザイナーさんも、友人を担当された方と同じ方たちが引き継いでくださるということで安心感もありました。物件探しも、予算と私たち家族の今後を見据えて、正直にアドバイスいただきとても頼もしく感じました。」

実際にできあがった家を見たときは、どう思いましたか?

「無垢のオーク材で市松に貼った床は想像以上に素敵でした。市松に貼ったのは、学校の美術室や音楽室の雰囲気があり懐かしく、年月が経つにつれ傷やシミさえ愛おしく感じることができそうだなと思ったからです。できあがりを見たときは、今ここから始まる日々を想像するだけで感動しました。 気持ちのいい無垢の床の感触を楽しむように、娘も私たちも裸足で過ごすことが多いです。」

特に気に入っている場所はどこですか? 5つ教えてください

①素材の切り替えで、暮らしやすさにシフトした床
「床材は、すでに持っていた家具にオーク材が多かったことから、自然と無垢のオーク材に決まりました。市松貼りも希望通り。ただ一点、不安だったのは、『無垢だとお手入れに気を使うのではないか』ということです。娘が何かこぼしたり、汚したりした時に、心穏やかでいられるのか心配でした。

そんな相談をするとデザイナーさんから、『キッズスペース兼将来のワークスペース、キッチン、植物などを置く可能性がある窓際をPタイルにする』というご提案をいただきました。お手入れが簡単なPタイルなら、汚れもさっと拭き取れますし、一般的な住居用洗剤なども使えます。合わせてトイレや洗面所などの水周りも同じPタイルにすることで統一感も生まれます。部屋の中でも良いアクセントになりました。結果的に予算を抑えることもできましたし、とてもいい選択だったと思います。」
②かもめ食堂をイメージしたブルーグレーのキッチン
「全体的なデザインは、大学生の頃に観て以来、ずっと好きだった映画『かもめ食堂』をイメージしました。夫婦ともに北欧インテリアが好きで、イッタラの食器を少しずつ集めたり、マリメッコのファブリックパネルを以前の家から飾っていました。 そのためか、『キッチンにはアクセントにブルーグレーを入れたい!』という希望はぴったり一致。主人の希望で、北欧の爽やかさにプラスして、天井をコンクリート現しとしたり、黒をポイントに入れるなどして空間の引き締め効果も図りました。 キッチンの腰壁は、ハーベストパネルを使ったことでほっとする表情を出せたと思います。」
③こだわりのアーチ型開口、回遊できるウォークインクローゼット
「子供の様子を確認しながら朝の支度ができる、夜遅く帰ってきても家族を起こさず着替えができる、という目的でリビングにウォークインクローゼットを作りました。 入り口は2つあり、回遊性があるデザインです。扉は付けず、アーチ型の開口を設けてリビングのデザインのポイントにもしています。 ただ、人が来た時などは隠せるよう、ダイニングから見える入り口にはロールスクリーンを取り付けました。いざという時は、さっと目隠しができます。」
④お気に入りのタイルを貼った洗面所
「洗面所は生活感が出やすいので、基本は見せない収納にしています。横長の青いタイルは、リフォーム事例の中で見つけて『いいな』と思い、リクエストしました。 何種類か候補がありましたが、小さくて青みが濃い、落ち着いたネイビーを選択しました。 大人が並んで立てる広さと、ポイントのタイル、鏡の中に全てが収まる収納でいつもすっきりしておくことができ満足しています。」
⑤将来的に部屋の仕切りにもなる、造作の本棚
「リノベーションの際、造作してもらったリビングの大きな本棚は、将来夫婦の寝室とリビングを隔てる仕切りとしての役割も持っています。今はたくさんの本、文具や薬、書類など家の細々したものがここ一箇所に固まっています。中心の板は取り外せるので、仕切りとして使う際は、ここにテレビを置ける仕様になっています。」

リノベーションを振り返ってみて、いかがでしたか?

「リノベーションをしてよかったことは、改めて自分たちの目指したい暮らしを具体的にイメージできたこと。また、今だけではなく将来も考えて、家族がどうありたいのかを夫婦でじっくり話し合い、それを家という形にしていくことで、家族の未来を共有できたことです。自分たちが好きなこと、好きなもの、それに気づくと自然と無駄遣いもなくなり、ものに対するこだわりも出てきました。

大変だったのは、デザインミーティングが始まってからは隔週、最後1ヶ月は毎週のようにリノベ会社さんに娘を連れて足を運んだこと。娘にとってはとっても退屈な時間なので、おやつを持参したり絵本を持って行ったりしてなんとか話ができました。ミーティングは毎回密度が高いので終わるとぐったり。笑 そのぶん、デザイナーさんともじっくり話ができたので、それはよかったです。

今からもし変えられるなら、サンルーム的な部屋を設けたかったです。今はリビングの窓際に洗濯物を干すバーを取り付けてありますが、共働きで、夜洗濯することが多いので結果的に常にリビングに洗濯物が……日々目に入るので洗濯スペースは場所を取られますが、別に設けるべきだったと思いました。」

お話をお伺いして

快適な暮らし、こだわりのインテリア、子育てのしやすさ、そして変化するライフスタイルへの柔軟な対応力……こうしたものは、家族それぞれに異なります。saku39sakuさん家族らしい、家のカタチを追い求めるには、リノベーションがベストだったのですね。事実、リノベーションにより、映画『かもめ食堂』の、ハイセンスだけれどリラックス感もある住まいが完成しています。また、暮らしやすさと理想の間に生まれたジレンマを解消する提案、将来的な間取り変更に役立つ造作の本棚といった柔軟性の高いアイデアなど、住み手と住まいの作り手の絶妙な連携も素敵です。こうした、saku39sakuさん宅ならではの特徴が、saku39sakuさんのつくるインテリアとしっかりリンクし、そこにしか生まれない個性を演出しているようにも感じます。

リノベーションには、構造的な制限もあります。でもだからこそ、住み手と作り手が意見をぶつけ合い、より充実した「家」が完成するのではないでしょうか?憧れをよりリアルに実現したい……追求したい……そうお考えなら、今回お伺いしたsaku39sakuさんの体験やアドバイスをぜひ参考にしてみてください。

saku39sakuさんのお住まいについて

・所在地: 神奈川県横浜市
・物件種別: マンション
・建築面積: 79.53平米
・間取り: 2LDK+WIC
・この家に住む人: 夫、3歳になる娘との3人暮らし
・施工期間: 2ヶ月半
・総費用: 1200万円
・設計: nuリノベーション
写真と間取り:saku39sakuさん
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