2017/04/19更新1like2539view

著者:RoomClip mag

個性あるシンプルな箱。理想を具現化する住まいの作り方【連載:リノベじゃなきゃ、ダメでした。】

この記事を書いた人

RoomClip magさん

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中古住宅を購入し、住まい手のライフスタイルにあった形にガラリと変える「リノベーション」。この連載では「施主目線」に立ち、リノベーションでなければならなかった理由やパートナーを選んだ基準、そしてこだわりポイントを掘り下げます。

今回は、神奈川県でインナーテラスのある2LDK+WICに暮らすkomiy.さんに、フルリノベーションに至ったいきさつや住まいづくりへのこだわりをお伺いしました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

今回教えてくれたユーザーさん♪

komiy.さん(RoomClip)

共働きの夫婦2人+猫2匹で暮らしています。

そもそも家探しをしようと思ったきっかけは何ですか?

「30代に入り今後の住まいについて考えるようになったとき、家の所有欲は無いものの、自分好みの空間で暮らしたいという思いが強くなっていることに気が付きました。 もともとインテリアが好きだったので賃貸でも自分なりに工夫しながら過ごしていましたが、やはり出来ることに制限のある賃貸に少しずつストレスが溜まってもいたようです。また、愛猫にとっても快適な住まいにしたいという思いもあり、リノベーションの記事を探しては読むようになりました。 『物件購入ならば増税前に』と考え、8%への増税前のタイミングで決断しました。」

どうして、リノベーションじゃなければダメだったんですか?

「もともと新築マンションの画一的な間取りや設備に魅力を感じなかったことと、インテリアが好きだったので『いつか自分たちの家づくりをしたいな』と考えていました。 ただ、共働きなので『都心へのアクセスの良さ』『駅近』というのも重要だったため、これらすべてを予算内で叶えるには戸建ての注文住宅ではなく、中古マンションをリノベーションするという選択になりました。」

リノベーションの情報や依頼先は、どうやって探しましたか?

「共働き、かつ1年後に迫る増税前に引越しまで終わらせようと思うと時間が限られます。そこで、物件探し+ローン契約サポート+施工をトータルで行っている会社を探しました。 その中から絞り込むにあたりもうひとつ重要だったのは、『デザイン性が強すぎない会社』という点でした。 もともと自分達の理想は、内装自体はあまり個性を出さない『シンプルな箱』というイメージだったので、デザイナーさんの作品のような家ではなく、施主が自由に意見を出せる家づくりができそうな会社を探しました。最終的に依頼したリノベる。さんは、様々なデザインタイプの施工事例があったので、こちらの意向を汲み取りながら進めていただけそうだと感じ、決定しました。」

実際にできあがった家を見たときは、どう思いましたか?

「施工途中も確認等で定期的に訪れていました。もともと自分たちの中に詳細なイメージを持っていたので、それがだんだん具現化されていく過程は面白かったです。でき上がったときは嬉しさとともに『ずっと頭に描いていた空間に、本当に住むんだなぁ』となんだか不思議な気分にもなりました。実際に住んでみると部屋の中が明るく、天井高もあるので開放感があり、とても快適です。猫たちも以前よりのびのび暮らしている様子なので本当に良かったなと感じています。」

特に気に入っている場所はどこですか? 5つ教えてください

①『理想』と『快適』を叶えてくれたインナーテラス
「植物のスペースが欲しかったので、最初からインナーテラスを希望していました。 内見のとき、リビングの一部がベランダ側に張り出しているこのスペースを見つけたとき『ここを仕切ったらインナーテラスになる!』と購入する決め手のひとつともなりました。 仕切りのガラス戸は、木製にすればコストダウンはできたのですが、そうすると枠が太くなり間延びした印象になると思い、あえてアルミの細枠を採用。金額は高くなりましたが、おかげで空間が引き締まった印象になりましたし、家の1番目立つ箇所なので妥協しなくて良かったと思っています。 三方向に窓があるので、植物を育てるだけでなく、洗濯物を干したりと実用的でもあります。 また、インナーテラスがあることで、リビングは外気の影響を受けづらくなり、暮らしをより快適に楽しめています。」
②充実の収納を有意義に確保する『2層構造』
「収納は必要だけれど、クローゼットで空間を狭くしたくなかったので、1部屋を2層構造にしました。 天井を抜いて天高が生まれた分、4.7帖分の下70センチを収納/上170センチを洋室というように使っています。 収納部分はかなりの大容量なので、季節家電や大型スーツケースなどあらゆるものをしまうことができます。 以前は寝室として利用していましたが、今はソファと小さな本棚を置いて、ちょっとした書斎のようにして使っています。」
③絶妙な距離感が心地よい、ワークスペース
「今まではリビングの一角に主人のPCデスクを置いていました。しかし、もう少し個人的な空間を用意できたらな……と感じ、ワークスペースとして切り分けることにしました。 床を土間にすることで、LDKとつながりつつも空間としては分かれた印象を与えています。 また、ドアではなくブラインドで仕切るようになっているので、離れすぎず、でも干渉しすぎずの良い距離感を保てています。」
④空間に溶け込む『猫の遊び場』
「上下運動が好きな猫のために、これまではキャットタワーを置いていたのですが、もっと空間に馴染みつつ、猫が楽しめる工夫をしたいと思い、リビングにキャットウォークを設けました。 天井で主人のワークスペースへとつながっています。そのため、よく頭上から観察されているようです。笑  猫たちも最初は不思議そうにしていましたが、すぐに『自分たちのスペースだ』と理解し得意げに駆け登るようになったので、作って良かったなと思います。」
⑤試行錯誤に愛が詰まった『猫の通り道』
「以前は猫が閉じ込めらないようにドアストッパーを付けていたのですが、ドアを閉められない不便さもあったので、猫専用の出入り口を設けました。 当時、施工会社でも『猫穴は初めてでサイズ感がわからない』とのことだったので、ダンボールを使い自分たちで試作を重ねました。笑  そのおかげか猫も非常に気に入っていて、ドアが全開でもわざわざこの穴を使用するくらいです。」

リノベーションを振り返ってみて、いかがでしたか?

「リノベーションにしてよかったことは、ライフスタイルに合わせ細部までこだわった自由な空間作りが、背伸びしない予算内で実現できる点です。 購入した物件は見晴らしも日当たりも良く、かつ都心へのアクセスも良いですが、同条件&予算では新築マンションや戸建て購入は、まず無理でした。 にも関わらず、こんな快適な住空間を手に入れられたのはリノベーションを選んだからだと思います。

大変だったことは特にありません。ただ、難しい部分としては、もともとの内装を解体しないとわからない構造的な点があるということです。 わが家も当初お風呂の位置が違う場所でしたが、解体してみたら天井に梁が隠れていたのです。そのためユニットバスが設置できず、間取り変更せざるを得ませんでした。このように想定外の事象が出てきても『仕方ない』と切り替えられる柔軟性をあらかじめ持っていた方が良いかもしれません。私たちの場合、自分たちの意向を詳細に持っていたので『こうすればよかった』という後悔は特にありません。

驚いたのは、フルリノベーションの場合、元の内装解体/廃棄費に(具体額は忘れましたが)確か100~200万円前後の費用が掛かったことです。 物件面積や構造により費用はそれぞれだと思いますが、予算のうち内装に使える費用が現実的にはどの程度になるかを早い段階で施工会社に確認することをおすすめします。場合によっては、一部にもともとの構造を残す『部分リノベーション』にすることで大幅にコストダウンをはかるのも手だと思います。」

お話をお伺いして

都心へのアクセスのしやすさ、理想の住空間、この二つを同時に予算内で手に入れるにはリノベーションが最適だったとkomiy.さんは語ります。その結果、インナーテラスや空間の2層づかい、愛猫にとっても暮らしやすい空間を無理なく実現されていました。komiy.さんの家づくりのポイントは、予算を削るところは削り、妥協せず掛けるべきところには掛けるジャッジのメリハリではないでしょうか?インナーテラスとリビングを仕切る窓枠に、そのセンスがはっきりと表れています。家の顔となる場所がしっかりしているから、『シンプルな箱』にも個性が宿ります。そして、その個性ある『シンプルな箱』だからこそ、komiy.さんの選ぶファニチャーたちがしっくりと馴染み、引き立っています。

今回komiy.さんのお話の中には、リノベーションの注意点や知っておくべきことと言った教訓も多く含まれていました。これからリノベーションで住まいを手に入れようとされている方は、komiy.さんのアドバイスやアイデアをぜひ、参考にしてみてください。自分たちに本当にベストな『住まいづくりの方法』がより明確に見えてくるはずです。

komiy.さんのお住まいについて

所在地: 神奈川県
物件種別: マンション
建築面積: 75m2
間取り: 2LDK+ウォークインクローゼット+インナーテラス+ワークスペース
この家に住む人: 夫婦2人+猫2匹
施工期間: 約2ヶ月半
総費用: 約900万円
設計: リノベる。
写真と間取り:komiy.さん
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