リノベーション可能な中古マンション探しを続けていると、物件候補に「団地」があがってくること、ありませんか?
30代以下の方には馴染みが薄いかもしれませんが、リノベーションブームの波を受け、新たな姿での再生を果たす地域も生まれつつあります。
この記事では、ユーザーK子さんとアドバイザーの会話と、団地リノベーション事例の紹介を通して、団地リノベの可能性や、購入時にチェックすべきポイントなどについてご紹介します。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
「古くて狭い」は昔の話! 現在のトレンドは団地リノベーション
【事例1】北欧家具が似合う広々リノベーション
【事例2】たくさんの人が集えるラグジュアリー空間
【事例3】カフェみたいなキッチンが主役の楽しい間取り
【事例4】大きなエントランスホールのある住まい
リサーチすべきは建て替え計画と管理体制
「古くて狭い」は昔の話! 現在のトレンドは団地リノベーション
K子:
中古マンションのリノベーションを検討してきたのですが、最近新たな候補が出てきて迷走中なんです。
アドバイザー:
新たな候補と言うと?
K子:
団地リノベーションです。
アドバイザー:
団地リノベーションは若い方にも人気がありますが、これまでK子さんご家族の検討対象からは外れていたのですね。
K子:
団地って古くて狭いイメージだし、そもそもあまり足を踏み入れたことも無かったのであまりよく分からなくて。
アドバイザー:
同一敷地内に建てられた共同住宅の集まりを「団地」と呼びますが、団地住宅には一般的に旧日本住宅公団が運営していた公団住宅と、都道府県や市町村などの自治体が運営する公営住宅の2種類があるんですよ。
「旧日本住宅公団」は、2004年から都市再生機構として住宅や宅地の造成や分譲、賃貸業務も行っています。
K子:
でも団地リノベーションって、自由度や住みやすさの点でどうなんでしょう?
アドバイザー:
不安な点もあると思いますが、百聞は一見にしかず。
さまざまな団地リノベーションの事例をお見せしますね。
【事例1】北欧家具が似合う広々リノベーション
K子:
えーっ!これが団地? すごくオシャレなんですけど。
アドバイザー:
専有面積97.21平米とかなりの広さがある物件です。
以前洋室とリビングに分かれていた間取りを大きなLDKに変更して、3帖の納戸と和室だった部分にはウォークインクローゼットや収納を造作しています。
K子:
バスとトイレの位置は変わっていないんですね。
アドバイザー:
団地リノベーションの場合、構造上の制限があることが多く、配管の移動もそのひとつです。
K子:
だけどそんな制限がまったく気にならないほど、ステキなお宅ですね(うっとり)。
アドバイザー:
北欧家具が映えるよう、壁を白にされたそうですよ。
お施主さまはデンマークにお住まいになっていたこともあるそうです。
K子:
この開放感、予想のかなり上をいっていますね!
【事例2】たくさんの人が集えるラグジュアリー空間
K子:
ヒャーッ! なんですか、このラグジュアリー感。
アドバイザー:
「人が集まれる空間」をコンセプトにしたお宅です。
セミナーや料理教室、スポーツ観戦なども楽しめる広々としたリビングダイニングが特徴ですね。
K子:
お店みたいですね。何度も言うけど、「これが団地?」って驚きます。
アドバイザー:
ちなみに団地でリノベーションできるのは住戸内のみで、玄関ドアやバルコニーなどの共用部分の変更はできません。
しかし、このおうちはLDKと和室の壁を取り払うことで元からあるバルコニーからの光を取り込み、明るく開放感ある空間を実現していますね。
K子:
壁を取り払ったことで、明るいLDKになっていますね。素敵だな。
昔は独立した部屋の数が求められていたのかもしれないけど、今リノベーションするなら、仕切りの少ない、風通しのいい空間にしたいな。本当にリノベーションっていろいろな可能性を秘めていますね。
アドバイザー:
事例を見ていくことで、自分たちの希望もより明確になってきますよね。
【事例3】カフェみたいなキッチンが主役の楽しい間取り
K子:
おしゃれなカフェっぽいキッチンが楽しいお住まいですね。
アドバイザー:
間取りからも、キッチンが家の中心であることがわかります。
K子:
和室と押入を無くすと、かなり広くなるんですね。
アドバイザー:
団地は築年数30年、40年を超える物件が多いので、間取りも当時主流の「布団で寝る」暮らしを反映した、和室や押入のある物件がほとんどです。
今は洋室にベッドを置くスタイルが主流ですから、和室を無くして全面フローリングにリノベーションするお宅が多いですね。
K子:
思った以上に、リノベーションやリフォームの自由度が高いんですね。
アドバイザー:
入居者の高齢化や家族形態の変化もありますし、入居者の減少という背景もありますからね。
それぞれが暮らしやすい空間を生み出せるという面でも、団地リノベーションは魅力ある選択肢と言えるのではないでしょうか。
【事例4】大きなエントランスホールのある住まい
K子:
こ、これは、新築のマンション物件にしか見えません。
アドバイザー:
斬新ですよね。「団地=玄関が小さい」というイメージを持たれている方が多いのではないかと思い、タイル張りの大きなエントランスホールを設けた物件をご紹介します。
K子:
大判のタイルも素敵っ、憧れます。
壁に造作棚もあるから余計な家具を置かなくて済むし、何よりおしゃれ!
アドバイザー:
K子さん、目のつけどころがより具体的になってきましたね。壁紙を用いたり、色を塗ってアクセントウォールを設けるとお部屋のイメージもガラリと変わりますよ。
同じ団地に住まわれている人も、リノベーションされた物件をご覧になったら驚くかもしれませんね。
K子:
そうだ、団地ってコミュニティがありますよね。
これはマンションでも同じかもしれませんが、なんとなく密度が濃いイメージもあるなぁ。
アドバイザー:
郵便受けやゴミ捨て場など共用部分は事前にチェックしておきたい部分ですね。お子さんがいるご家庭なら、同世代のお子さんがいるエリアか否かも気になるところかもしれません。
リサーチすべきは建て替え計画と管理体制
K子:
その他に団地だからチェックしておくべきポイントはありますか?
耐震性や耐久性はやはり気になります。
アドバイザー:
団地の多くは建物を面で支える壁式構造が採用されています。これはとても丈夫な構造です。そのためリノベーション時に壊せない壁などの条件も出てきますが、安全には変えられませんよね。
もちろん、メンテナンスが十分に行われている物件と管理がずさんな物件では耐久性に差が出てきますから、管理に関しても事前にリサーチすることをお薦めします。
K子:
その点は中古マンションと同様ですね。
アドバイザー:
築年数や入居者数の推移もあるだけに、建て替え計画の有無も気にしておきたい項目です。
K子:
比較的安く購入できる団地を購入して、リノベーション!
これは完全に新たな候補になりますね。
希望するエリアに対象物件があるか、これからリサーチしていきたいと思います。
アドバイザー:
K子さんが持たれていた団地のイメージ、少し変わったようですね。
K子:
少しどころか、だいぶ変わりました!
素敵な事例をたくさん見せていただいたおかげです。
アドバイザー:
当初予定していた予算を団地購入により抑えることができれば、その分をリノベーションに充てることもできますし、何よりその後の暮らしに役立てられますね。
引き続き、楽しいリノベーション計画をお進めください。
注目の団地リノベーションについて、具体的な事例と共にご紹介しました。
チェックすべき点は中古マンションのリノベーションとほぼ同じ。
エリア探しと共に、リノベーションでできること、できないことを事前に把握しましょう。
一見デメリットと感じる間取りや変更不可を設計やデザインでカバーし、メリットに変えられるのもリノベーションの魅力です。
古き良き団地を再生し、新たな暮らしを見つけてみませんか。