住まいづくりについて真剣に考えるきっかけの一つに、家族構成の変化や子供の成長があります。マイホームは親にとっては頑張って手に入れた「城」で、いわばゴールですが、子供にとっては人生の原点ともなるスタートの場所。
円満な人格を育てる舞台となる住まいの計画は、子供の視点も大切にしながら、じっくり追求していきましょう。
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子供に必要なのは広い個室でも鍵がかかるドアでもない
共同作業の楽しさを教える工夫
動線や空間のつながりで家族の一体感を大切にする
個室を「孤室」にしないための子供部屋
創造力を伸ばす遊びのある空間設計
子供に必要なのは広い個室でも鍵がかかるドアでもない
住まいの間取りを考えるとき、子供にとって重要なのは、専用の個室を与えることではないといわれています。
もちろん、プライバシーを気にするティーンエイジ以上の年代になれば話は違いますが、幼い頃は、むしろ家族とともに過ごす時間が大切なのです。
宿題のわからないところを聞いたり、その日に学校であったことを話すなど、両親と密にコミュニケーションする。その体験が家族への信頼感につながり、勉強に対する前向きな気持ちや、課題に立ち向かうやる気を育てるのではないでしょうか。
そのためにリビングは、気がつくと集まってしまうような、温もりのある心地よい空間にしたいところです。
子供が目の離せない年頃のときは、リビングをキッズスペースと兼用にするなど、親が家事をしながら見守ることができるよう工夫してみましょう。
共同作業の楽しさを教える工夫
キッチンは家族の会話が弾みやすいスペース。
好奇心の強い子供は、親が調理する姿に興味津々で近寄ってきます。いい機会ですから調理の準備を手伝う、食器を片づけるといった作業を通して、一緒に何かをつくったり、自発的に整理整頓したりすることを学んでもらいましょう。
オープンキッチンやアイランドキッチンにしておくと、人が集まりやすく、動線がラクな分作業性も高いので、お手伝いも頼みやすくなります。
動線や空間のつながりで家族の一体感を大切にする
子供部屋に出入りする動線が、必ずリビングを通るような位置に階段を設けるのも、親子のコミュニケーション促進に有効です。
また、子供部屋は完全に独立させるのではなく、リビングや階段に設けた吹き抜けで下階の部屋とつながりをもたせる設計にしておくのもおすすめ。
フロアが互い違いに半階ずつ上がっていくスキップフロアなら、上下階がはっきりと分断化しないため、適度な距離感で家族の交流が保てます。
子供部屋に室内窓を設けてリビングが見えるようにするのも楽しいプランニングです。
自分の部屋で勉強に集中しているときでも、家族の気配が感じられて子供は安心。
また、いつも親の目があると意識することで、生活態度をきちんとする自律性が養われるかもしれません。
個室を「孤室」にしないための子供部屋
必要なとき以外はオープンな空間にした子供部屋。
これも、家族の絆を深める工夫の一つです。
2ドア1ルームの子供部屋。小さな頃はきょうだいで部屋を一緒に使わせて協調性を身につけさせ、成長したら収納などで空間を区切れば2部屋にできます。
創造力を伸ばす遊びのある空間設計
子供は狭い空間が大好き。潜り込んで遊びながら想像力の翼を広げ、情操を豊かにしていきます。また、天井高に変化がある空間も、子供の五感を育てるといわれます。
子供部屋の上に設けた、ロフトを隠れ家のような感覚で仕上げた例。上り下りするだけで楽しそうですね。
暮らしの形は家族ごとに違いますが、子供にすくすくと健全に育ってほしいと願うのは、親なら誰もに共通する思い。
それを実現するために、家族のコミュニケーションを自然に促す、毎日の暮らしそのものが団らんになるような温かい住まいづくりを目指していきましょう。