2020/01/10更新8like121262view

著者:hiromi

外壁材の種類と特徴・価格帯のすべて【画像あり】

外壁の種類により、住宅イメージは大きく左右されます。近くに寄るほど素材の質感や仕上げの状態がはっきりしますので、素材選びは外観デザインの大きなポイントになります。新築やリフォーム・リノベーションのタイミングで理想の外観を実現するために、一般的に使用されている外壁材の種類と特徴をおさえておきましょう。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

美観と機能を保つにはメンテナンスが必要

外壁材は材料費と耐久性のバランスが大切です。長期のスパンで考えると、どの外壁材がコスト安かは簡単に判断できません。初期費用は安くても、メンテナンスサイクルが早ければトータルでかかる金額は増えてしまいます。

耐久性の高い素材を除けば、15~20年で塗料による塗り替えや、張り替えなどのメンテナンスが必要となります。

建築するエリアと地域特性を加味

外壁の耐久性は、軒の出や気候風土、周辺環境も影響します。また都心の住宅密集地であれば、厳しい法的規制をクリアしなければなりません。

寒冷地や塩害のある地域では、外壁の空隙に入り込んだ水や塩が、クラック(ひび割れ)や劣化を早める原因になり得ます。雑誌や郊外でお気に入りの住宅を見つけても、簡単には実現できない可能性もあります。
秦野浩司建築設計事務所「品川の家」

代表的な外壁材の種類6つ

ここで、建て主も知っておくと良い主な外壁材を、特徴、価格帯、メンテナンスに分けて紹介します。
注意)価格や年数表記は、材料のグレードや施工会社の技術により変動します。

1. シェア7割以上「窒業(ようぎょう)系サイディング」

筆者撮影

筆者撮影

筆者撮影

筆者撮影

新築木造住宅の7割以上が採用している外壁材です。セメントに無機物や繊維を混ぜて板状に成型し、工場でタイルや石積み風のデザインに加工します。

「外壁仕上げは、「窯業サイディング」が78.8(78.3)、さらに「サイディング合計」で87.6(87.7)を占める。「モルタル」は8.2(8.1)となっている。」
*数値表記:今回%(前回%)
出典:平成28年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要((一社)日本サッシ協会 (一社)カーテンウォール・防火開口部協会 調査部会)

コストと機能性のバランスに優れ、3,000種類以上あると言われている豊富なデザインとカラーバリエーションが魅力です。

【価格】
約3,000円~10,000円/m2(40坪=約171.6㎡/50~170万円)が目安です。長持ちするようすでに塗装加工されている商品や、厚みやデザインが複雑なほど高くなります。日本工業規格(JIS)では厚さ14mm以上と定められていますが、デザインを施したサイディングは16mm以上が主流です。

価格の内訳参考)12mm…2,000~7,000円/15mm…5,000~8,000円/16mm以上…10,000円~

参考:外観デザインセレクトブック 2016.9 一般地域用(ニチハ)
【メンテナンス】
5~7年経過したら、シーリング(継ぎ目)劣化のチェックを行いましょう。価格は700円/m2程度です。塗り替えは、塗装のグレードにより大きく上下します。
参考事例の調査を元に筆者が作成

参考事例の調査を元に筆者が作成

2. リフォームで人気「金属サイディング」

筆者撮影

筆者撮影

筆者撮影

筆者撮影

【特徴】
シンプルでスタイリッシュな外観を表現できる金属サイディングは、表面にスチールやアルミ材、芯材に断熱材、裏面にアルミ加工紙を使用しています。厚みは15mmが一般的です。

軽量で建物にかかる負担が少ないため、リフォーム時に重ね張りで採用されるケースが増えています。表面が薄いので、衝撃により線キズができやすいのがデメリットです。

【価格】
アルミニウム製が約5,000~8,500円/m2(40坪/85~145万円)、ガルバニウム鋼板が約3,500~6,000円/m2(40坪/60~100万円)と、ガルバリウムの方がやや安価です。

参考:専門業者様向け 総合カタログ(アイジー工業)2016vol.2

【メンテナンス】
サビにくい外壁材ですが、塗膜の劣化があるのでメンテナンスは必要です。再施工のサイクル目安は10~15年。耐久年数を超えると、変色や切断部分の小口から錆が発生します。

DIYでの補修が難しく、施工業者に依頼するのが一般的です。塗り替えは窒業系サイディングと同様、塗装のグレードにより大きく上下します。

3. 機能性抜群「ALC(エーエルシー)」

筆者撮影

筆者撮影

【特徴】
ALC=Autoclaved Lightweight aerated Concreteの略語で、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートです。戸建て住宅では旭化成ホームズの『ヘーベルハウス』で採用されています。

参考:ALC協会ホームページ

パネル内部に無数の気泡を有しているので、断熱性・耐衝撃性に優れています。イニシャルコストは上がってしまいますが、機能性を最重視したい方にはおすすめです。デメリットは、ALCは多孔構造なので、防水性は表面塗装のグレードに依存してしまう点にあります。

【価格】
約5,500円~10,000円/m2(40坪/95~170万円)が目安となります。よりグレードの高い表面塗装を行う場合は、約2,000~5,000円/m2を加算するイメージで計算してみましょう。

参考:旭化成建材株式会社 製品ラインアップ

【メンテナンス】
塗り替えは窒業系サイディング同様、塗装のグレードにより大きく上下します。

4. 風格あるスタイルが実現「タイル」

筆者撮影

筆者撮影

【特徴】
タイルは粘土や石材を細かく砕き、焼き固めた外壁材です。サイディングなどのパネル材とは異なり、見た目の高級感が魅力的です。

風格あるクラシックスタイルから、モダンスタイルなど、外観を自由に演出できます。耐候性や耐久性は非常に優れていますが、イニシャルコストが高く、重量があるため地震が起こった際の剥離などが欠点です。

【価格】
タイルの素材や下地材によって、金額は大きく上下します。

「使用する素材や下地にもよりますが、1平方メートルあたり、最低でも9,000円〜といったところが一般的です。
住宅に外壁タイルを施工する場合、サイディングを下地に使い、その上に外壁タイルを接着剤で貼り付ける工法が主流となっています。
外壁が、サイディングと外壁タイルの二重外壁となることや、外壁タイルを1枚1枚手作業で貼り付けていくため、どうしても費用が高くなります。」
出典:クレバリーホーム 外壁タイル相談室


【メンテナンス】
タイル自体は塗り直しの費用は必要ありません。下地のコーキング材に剥離などの問題が発覚した場合は、多額の費用が発生します。

「初期費用では、100万円〜200万円の差があるとされる外壁タイルとサイディングですが、メンテナンスコストまで考えると、10年から20年でトータルコストは、ほぼ同じとなり、30年経つ頃には、外壁タイルの方が安くなります。

10年程度で建て替えや引越しを考えているのであればともかく、長く付き合うマイホームを建てるのであれば、高級感もあり耐久性も高い外壁タイルの方が、長い目で見た場合、お得かもしれません。」
出典:クレバリーホーム 外壁タイル相談室

5. 無限の表現が可能「セメントモルタル塗り」

筆者撮影

筆者撮影

筆者撮影

筆者撮影

【特徴】
塗り壁は工場で作られた製品では出せない、質感や無限の表現が魅力的です。継ぎ目がなく、外観に一体感が生まれます。

現場で施工するので、仕上がり具合は職人の熟練度によります。施工方法は、防水シートにラス張り(金網)下地に、下塗り・中塗り・上塗りの3回、塗装を施します。

【価格】
塗り厚や職人の技術によって金額が大きく上下します。また、セメントモルタル塗りの場合は表目の塗装が必要となります。

【メンテナンス】
塗り替えは窒業系サイディング同様、塗装のグレードにより大きく上下します。

6. 暖かい質感が魅力「羽目板」

筆者撮影

筆者撮影

【特徴】
反りや乾燥収縮が起こりにくく、比較的水に強いスギやヒノキを使った外壁材です。暖かみがあり、趣のある外観に仕上がります。

住宅密集地では火災対策を講じる必要があるので、使用が制限されているケースが多いでしょう。

【価格】
板を一枚ずつ張っていくため、職人の技量によって施工費が上下します。材料費そのものは比較的安価です。トータル金額の目安はサイディングと同程度です。

【メンテナンス】
表面保護材を定期的に塗布すれば、張り替えのサイクルを延ばせます。羽目板の張り替えは30年前後が目安です。

おしゃれな外壁アイデア集

住宅の外観デザインを5パターンご紹介します。

アメリカンテイスト×窯業系ラップサイディング

平たく長い板状の壁材を重ね張りで仕上げる「ラップサイディング」。白を基調としたシンプルな印象で明るくやさしい雰囲気を醸し出しています。
株式会社タツミプランニング(三鷹スタジオ)「KAMIHOSHIKAWA -保土ヶ谷区上星川-」

ミディアムモダン×つや消しガルバリウム

つや消しブラックのガルバリウム鋼板ですっきりとしたデザイン。軒裏に木材を用いることで、高級感を演出しています。家族で過ごすフラットな空間が、モダンな中にぬくもりをキープしています。

和モダン×無垢の羽目板

外壁と室内から外につながるアプローチに無垢材を使い、屋根は引き締まったブラックを採用。日本家屋らしい落ち着いた雰囲気の中に、クールな印象をあわせもった和モダンテイストの外観です。

インダストリアル×モルタル塗り

コンクリートよりも仕上がりのきめが細かいモルタルは、無骨で味わいのある外観づくりに有効です。軒にむき出しの木材を使うと、工場やギャラリーを思わせる、インダストリアルらしい存在感のある雰囲気に。

パリ・アパルトマン×素焼きレンガ

パリ・アパルトマンをイメージした素焼きレンガの外観。素焼きならではの表情を楽しめます。
外壁材の種類を選定する際は、ショールームやモデルハウスに足を運び、素材感や太陽光による色の変化を確認しましょう。工事後のアフターフォローと保証内容も要チェック項目です。メーカー保証に加え、業者の工事保証についても念入りにヒアリングしておくと安心ですよ。

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