近年では、リビングダイニングとキッチンが一体となった間取りがほとんどですが、昔の住宅や団地は、キッチンが独立した間取りが多くみられました。今の暮らしでオープンキッチンが選ばれる理由を探しました。
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間取りの変化は暮らしの変化?
<1>家事動線
<2>コミュニケーションの取りやすさ
<3>食育
間取りの変化は暮らしの変化?
オープンキッチンの魅力はたくさんあります。大きく分けると以下のようになります。
<1>家事動線
<2>コミュニケーションの取りやすさ
<3>食育
詳細は、次にお話しますが、これらが魅力となっている背景には、「共働き夫婦の増加」「女性の社会進出」「子供の環境の変化」このようなことが関係しているのではないでしょうか。
<1>家事動線
働くママが増えたことにより、家事にかける負担を極力減らすことが重要になっています。また、夫婦での家事の役割分担をしている家庭も多いのではないでしょうか。
(1)2人以上で作業ができるスペース
共働き夫婦の増加により、女性がキッチンに立つのが当たり前の時代ではなくなりました。
家事の分担や、夫婦共に帰りが遅い場合は、互いの負担を減らすため、協力してキッチンに立つ家庭も珍しくはなくなっています。
ですが、昭和時代の独立型キッチンでは、複数で同時にキッチンで作業することを考えて設計されておらず、冷蔵庫や食器棚を配置すると2人で作業をするにはとても圧迫感を感じます。現在ではキッチンはリビングダイニングの一部となり、通路幅も広く開放的な空間が人気になっています。
(2)片づけがラクラク
キッチンとダイニングテーブルが隣接していることもあり、ご主人や子供たちが食事をしたあと、シンクまで運ぶことがラクにできるようになっています。
食洗機が付いたキッチンの普及率も高く、なかには、食事→食器の水洗い→食洗機に食器を入れるまでが、家族のルールになっている家庭もあるようです。
これなら、奥さんは食洗機に洗剤を入れてスタートボタンを押すだけで、洗い物が片づきますよね。
<2>コミュニケーションの取りやすさ
女性の社会進出により、産後の職場復帰や時短勤務なども積極的に企業が取り組むようになりました。産前の職場で長く務めることができるようになり、産後半年で保育園に預けられるようになってすぐや、ある程度成長すればフルタイムでの勤務形態に戻る方も多くなっています。
子供は成長するにつれ、クラブ活動や塾などで、朝早く出ていくことや帰りが遅くなることも増え、家族みんなで集まる時間も徐々に少なくなっていきます。なじみのある光景で例えると、テレビアニメの「サザエさん」のように、食事は家族全員が揃って同じ時間に食べるというのは難しいでしょう。
また、現代では中高生のスマホの所持率も上がり、TVゲームだけでなく、ネット動画やスマホアプリでのゲームも普及し、どこでも気軽に自分の時間をとれるようになっています。そういった家族間でのコミュニケーションが過疎化するなかで、キッチンとリビングダイニングが一体になり、開放的かつ、家族がどこにいても声が届く、感じられる空間が必要となっているのです。
<3>食育
前述のように、現代の家庭は、家族間のコミュニケーションを同じ空間で過ごすことでとっています。そのために、LDKが快適な空間であるよう間取りが一体化したのでしょう。
そうすることにより、ダイニングでお絵かきをしたり、勉強をしたり、リビングでくつろいでいる子供の成長をキッチンから眺めることができます。また、子供も両親がキッチンで作業をする姿をみています。料理に興味をもって手伝うようになったり、火や包丁を扱うことの危険さを知ることもできます。
普段の生活を通して学んでいく子供のためにも、オープンキッチンは魅力です。
オープンキッチンが人気の理由についてお話しましたが、この配置はメリットだけではありません。
料理をする際には、油や調味料を使用します。油はねや調理中臭いが食事をする場であるダイニングにきてしまうこともあります。特に、臭いは敏感な方にはつらいこともあるかと思います。常に清潔に使っておかなければ、せっかくの開放的な空間も快適ではなくなってしまいます。
オープンキッチンが選ばれる理由は、これらの3点がデメリット以上に、家事の時短化や家族間でのコミュニケーションが重要視されているからですね。