料理研究家・太田みおが、10年住んだフルリノベ中古マンションから注文住宅への住み替えを決意。夢のマイホームの完成までの実録を、隔週でご紹介しています。今回は、床材選び〜リビングのフローリングについてクローズアップします。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
家の印象を決める、床材
フローリングには、本物の木を
天然木の美しさと機能性を兼ね備えた挽き板
木の種類はどれにする??
張り方はどうする??
まとめ
家の印象を決める、床材
家づくりにおいて、床材選びはとても重要です。
日本のライフスタイルで、最も肌が触れることの多い建材が「床」です。肌触り、質感、高級感、劣化速度、それぞれが素材によって異なります。
視界の中で床が占める面積はとても大きく、空間の印象を大きく左右します。すてきな床の上に置かれた家具はさらに素敵に見えますし、安っぽい床だと、どんなに高級な家具を置いても家具の印象まで下がってしまいます。
素敵な器に盛られた料理が、美しくおいしそうに見えるのと同じですよね。
フローリングには、本物の木を
フローリングには、本物の木を使いたいです。
自然と触れたくなる美しさ、触れたときの肌触りのよさ、高級感。どれをとっても、やはり本物に勝るものはありません。
現在居住中のわが家のフルリノベマンションでは、無垢フローリングを張っています。
本物にしてよかったな〜と思う反面、無垢材には湿度の変化による伸び縮みがあり、隙間ができてしまったり、傷がつきやすかったり、ちょっと水滴が落ちただけですぐにシミになってしまったり……と、難しい特性もあります。
そこで、次に採用したいと考えているのが、挽き板(ひきいた)という技術でつくられた複合フローリング。
天然木の美しさと機能性を兼ね備えた挽き板
複合フローリングとは、天然木を2mmほどの薄さにスライスし、合板と合わせることで、本物の木の重厚感を保ちつつ機能性の高いフローリングを実現したもの。
天然木の美しさと肌触りはそのままに、伸び縮みを心配する必要がないなんて、いいですよね。
天然の木は時の流れとともに劣化するのではなく、味わいを深めていくものなので、変化を楽しめる喜びもあります。
挽き板よりも安価で手軽なのは、「突き板」フローリングです。突き板は、天然木を厚さ0.3mmほどにスライスしたものを合板の上に貼り付けていくもの。表面の見た目は天然木の風合いですが、薄いため、肌触りなどは若干異なってきます。
木の種類はどれにする??
挽き板フローリングの表面には無垢材が使用されるため、どの木にするのか選ぶ必要があります。
ウォルナットのようにダークで高級感のある木材もありますが、新居は明るくあたたかみがあり、洗練された印象も併せ持つ空間にしたいので、明るめのトーンを選びたいです。
今のところは、オークを選ぶ可能性が高いかなと思っています。
オークは「森の王」とも呼ばれ、力強い木目を持ちながら優しい色合いをもち、落ち着いた雰囲気を醸し出してくれます。
張り方はどうする??
一般的なフローリングの張り方としては、下記のようなバリエーションがあります。
・乱尺張り……さまざまな長さのフローリング材を四方に張る。安く仕上げられる。
・定尺張り……同じ寸法のものを一定にずらして張る。規則性があるので整然とシンプルな印象になる。
・斜め張り……壁に対して斜めに張り上げる。動きがあり、モダンな印象に。
・ヘリンボーン張り……V字に張る。洗練されたクラシカルな雰囲気になる。
・フレンチヘリンボーン張り……床材の接合面を45度にカットして張り合わせる。通常のヘリンボーンよりもすっきりとシャープな印象になる。
・すだれ張り……同じ長さのフローリング材を巾方向の接合面をそろえて張る。天井などによく採用される張り方。整然とした印象。
わが家のリビングには、フレンチヘリンボーン張りをしたいと思っています。
まとめ
わが家の場合は「明るくあたたかみがあり、上質で洗練された印象も併せ持つリビング空間」にするために、
●天然木の風合いと機能性を併せ持った「複合フローリング」
●明るくあたたかみがありながら洗練された印象の「オーク」
●クラシカルな品がありながらすっきりシャープな印象の「フレンチヘリンボーン張り」
を選びたいと思います。
床は大きな面積を占めるため、予算の影響も受けやすい部分ですが、空間の印象を大きく左右するため、後悔のないよう考えて選びましょう。
次回は、リビング以外の水回りなどの床材選びについてクローズアップしたいと思います。