2015年06月12日更新

インテリア(家具)

デザイナーの椅子から見える「ミッドセンチュリー・モダン」のエッセンス

ミッドセンチュリー・デザインは、1940年代~1960代にアメリカで生まれたインテリア家具のデザイン。
「ミッド・センチュリー・モダン」とも言います。

40年代というと、第二次世界大戦が終結したころですが、ヨーロッパ諸国に比べるとアメリカ本土の戦争の影響は少なく、産業もめざましく発展を遂げました。このような産業の環境が「ミッドセンチュリーデザイン」にも影響したことは間違いなく、たとえば積層合板や軍事用に開発された材料を使っての「軽快」で「曲線的」なインテリアを構成していきました。このようなデザインは「インダストリアルデザイン」などともよばれています。

ここではこの時期に活躍した作家たちの家具(椅子)を取り上げてみます。
時代の背景がデザインにどのように影響したかが見えてきますよ。


フォルムの美しさと工業製品の量産性を併せ持つ 〜 イームズ 「シェル・サイド・チェア」

イームズの椅子の中では、隠れた名品と言えるのが、この「シェル・サイド・チェア」です。

足の部分は通称「エッフェル」と呼ばれ、ほかのプラスティック座面(現在はポリプロピレンに統一)のシリーズにも使われています。フォルムの美しさと工業製品の量産性を併せ持つ、いかにもミッドセンチュリー・モダンらしいこの椅子は、不朽の名作として知られる「アームシェル」とともに広く世界中で愛されています。

etsy.com

出典:etsy.com

長く愛されるラグジュアリーなラウンジ・チェア 〜 イームズ 「チェア&オットマン」

こちらのラウンジ・チェアもイームズの名作です。友人のビル・ワイルダー監督からオーダーされて完成したのが、このチェア&オットマンなのは有名な話。SUVACOの事例のなかにも、この椅子を愛用されている方を何人か見かけます。

architonic.com

出典:architonic.com

溶接の名人が作った名品 〜 ハリー・ベルトレイア 「ダイアモンドチェア」

ハリー・ベルトレイアはミッドセンチュリー期を代表するイタリア出身のデザイナー。

イームズらとも交流があり、成型合板の加工技術を進めたばかりか、金属彫刻家で溶接の名人であった彼は、ワイヤーを彼独特の技術で加工した「ダイヤモンドチェア」で一躍有名になりました。

frenchloft.com

出典:frenchloft.com

diamond chair
この写真は、脚以外をファブリックでカバーリングしためずらしい作品。

virtualnotebook.tumblr.com

出典:virtualnotebook.tumblr.com

オーガニック・チェアの逸品 〜 エーロ・サーリネン 「ウームチェア」

サーリネンはフィンランド、ヘルシンキ出身。父は建築家。父の死後は事務所を引き継ぎ「ジョン・F・ケネディ国際空港のTWAターミナルビル」の設計にも携わりました。

イェール大学で建築を学んだ後、父の建築事務所で働くも、イームズらが通うクランブルック美術アカデミーにも通い、結局イームズらとともにそこで教鞭をとることになりました。彼の代表作は「ウームチェア」といわれる椅子で、独特な素材感(シェル成型FRPやフォームラバー芯ポリエステル綿)が「ウーム(子宮)」に包まれているかのような安心感を生み出します。

modernmaggie.wordpress.com

出典:modernmaggie.wordpress.com

徹底した機能美にこだわった 〜 アルネ・ヤコブセン 「アントチェア」

イームズはアメリカ出身のデザイナーですが、この時期に活躍したデザイナーには北欧出身の者も多くいます。また、エーロ・サーリネンのように、アメリカには移り住むことはありませんでしたが、デンマークで活躍するデザイナーには、ミッドセンチュリーのデザインに影響を受けた方も多く見られます。アルネ・ヤコブセンもそのひとり。彼もミッドセンチュリー期のデザイナーと見る方もいるのです。

使い勝手を第一に考えた機能重視の家具製作は素晴らしく、なかでも「アントチェア」、「セブンチェア」は大変有名です。

deborahmansellinteriors.blogspot.ca

出典:deborahmansellinteriors.blogspot.ca

事務用品の椅子と間違うなかれ! 〜 アルネ・ヤコブセン 「セブンチェア」

こちらの「セブンチェア」は色が黒で、下手したら事務用品の椅子かと思いそうですが、れっきとしたヤコブセンの「セブンチェア」。ミッドセンチュリー・モダンの名作です。

scandinaviancollectors.tumblr.com

出典:scandinaviancollectors.tumblr.com

当時は画期的だった「プラスチック一体成型」で作る椅子 〜 ヴァーナー・パントン 「パントン・チェア」

ヴァーナー・パントンはヤコブセンより若いデンマークの家具デザイナーです。そのキャリアはヤコブセンの事務所でスタートしており、29歳のとき独立しています。

彼の代表作は彼の名前をそのままつけた「パントン・チェア」で、プラスチック一体成型(いまはポリプロピレンが使われています)という画期的な手法でつくられています。

designtop100.com

出典:designtop100.com


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