2021/01/09更新0like10389view

著者:岩間光佐子

使いやすく、すっきりとさせるリビング収納プランの考え方

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

居心地のよいリビングにするためには、間取りやインテリアはもちろん収納プランも重要です。サイドボードや書棚など、置き家具を取り入れる方法もありますが、新築やリフォームの際には、あらかじめ収納スペースを検討しておきたいもの。ここでは、リビングを使いやすくすっきりとするための収納の考え方をみていきます。

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リビングの居心地を左右する収納計画

家族がくつろぎ、お客様を招くリビング。最近では、一戸建てでもマンションでも、リビングはダイニングやキッチンとひとつの空間にプランニングされるケースが多くみられるようになりました。また、在宅ワークも一般化し、仕事のスペースをリビングやダイニングの一角に設けるケースも。子供が宿題をすることもあるでしょう。

くつろぐだけでなく仕事、勉強など、さまざまな用途に用いるリビング空間には、多種多様なモノも集まりがち。それらに適した収納スペースを確保しないと、空間全体が雑然とみえてしまうこともあります。すっきりと片付き、使い勝手のいい空間とするために、ライフスタイルに合わせた収納プランを検討することがとても重要です。

リビングの収納プランの考え方

リビング収納の考え方はいくつかのポイントがあります。

■Point1 使うところにしまうことが基本
収納の基本は、「使うところにしまう」こと。リビング収納も同様で、まずリビング空間での家族の過ごし方をイメージすることから始めましょう。たとえば、テレビを見たり音楽を楽しむ、読書や宿題をする、仕事をする、アイロンかけや繕いものをする、幼いお子さんの遊び場になるなど、わが家の場合の使い方、過ごし方を明確にすること。動線を含めて、検討することが大切です。

■Point2 収納するモノの種類・量をリストアップする
リビングでの過ごし方がイメージできれば、おのずと必要なモノが明確になるでしょう。たとえば、テレビや音楽を楽しむのであれば、機器類本体の収納だけでなく、周辺にはリモコンやソフト類などをしまうスペースも必要になります。また、読書を楽しむのであれば、書籍や雑誌の本棚、幼いお子さんがいればおもちゃや絵本などのスペースも確保しておきたいもの。仕事をするのであれば、パソコンや書類を置くスペースも必要です。その他、家事作業であれば、アイロンや裁縫道具、家計関係や学校などの書類、薬、掃除用具などの収納も考えておきたいものです。

■Point3 スペースを確認しつつ収納方法を検討する
収納したいモノやその量をリストアップしたら、どの程度のボリュームの空間が必要かを検討すること。同時に、どのような収納方法が適しているのかを考えるようにしましょう。壁面を使用するのか、クロゼットや納戸のような空間を確保するのか。また、棚とするのか、引き出しを設けるのか。リビングの近くがいいのか、ダイニング周辺がいいのか、家族の動きに合わせて考えていくことがポイントです。
■Point4 隠す収納か、見せる収納か、収納の目的を明確に
収納方法の考え方のひとつに、扉などを用いた「隠す収納」とオープンな棚などを利用した「見せる(見える)収納」があります。

どのような方法とするかは、収納するモノや使い方、間取りなどに合わせて検討すること。すっきりと見せたい、生活感を出したくないのであれば「隠す収納」を。空間にゆとりがある場合は、書籍や季節を感じるモノ、家族の作品などを「見せる収納」としてもいいでしょう。何を、どのように飾りたいのかをイメージして、組み合わせを検討することが大切です。また、扉を設けず収納したモノが見えるようにしたプランは、家族の誰もが分かりやすい、扉の開け閉めが煩わしくない、というメリットがありますが、雑然としないように収納しやすいプランとすることが大切です。

■Point5 リビングのポイントはテレビ+周辺機器のおさめ方
リビングに多く設置されるテレビは、空間のイメージや使い勝手を左右するアイテムのひとつ。リビングの収納プランもテレビのおさめ方によって全体に影響するケースも多いものです。

テレビの位置は、画面への太陽光の映り込みなどに配慮が必要なので、間取りと同時に早い段階で決めておく必要があります。大型化、薄型化も進み、棚やカウンターに据え置くだけでなく壁掛けにすることを検討してもいいでしょう。関連機器のスペース、リモコンや取扱説明書やソフト類などの定位置を決めておくことで使いやすさにつながります。将来的な買い替えなども予測しておくことも必要です。

リビング収納プランの種類

リビング収納スペースのつくり方にはいくつかの種類があります。

■壁面を活用する
リビングの収納計画として多くみられるのが壁面を利用したプラン。一般的なのは、部屋の一面の床から天井までを利用したスタイルです。造作でオリジナルの収納としたり、建材メーカーのシステム収納を利用するケースも。また、多様なパーツをDIYで組み立て、設置することができる商品も揃っています。
■ダイニングやキッチンとの間仕切りを兼ねる
LDKをひとつの空間としたプランも多くみられますが、ゆるやかな仕切りを設けたい場合など、収納棚を間仕切りに利用する方法もあります。たとえば、リビングとダイニングの両側から使うことが出来るようにしたり、オープンな棚として気配を感じることができるようにしてもいいでしょう。
■納戸やクロゼット的な物入れスペースを確保する
リビングでは棚や引き出しだけでなく、多様なモノの収納に対応できる物入れスペースがあると便利です。たとえば、掃除機やティッシュペーパーなどのストックなど、日々の生活に必要なモノを収納する納戸やクロゼットのようなスペースは重宝するものです。急なお客様がいらした時に、雑多なモノをとりあえず置いておくことができるスペースとしても。リビング階段があれば、その下のデッドスペースを利用したり、キッチンの近くに食品庫(パントリー)と兼ねて設けてもいいかもしれません。
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壁面収納を利用する際の注意点

リビング収納で多くみられるのは、壁面を利用する収納方法でしょう。

■造作家具とシステム収納がある
造作の壁面収納とするメリットは、空間に合わせてオリジナルなプランが出来ること。限られたスペースや凸凹のある空間でも有効活用することが可能でしょう。

また、建材メーカーや家具メーカーなどのシステム収納を取り入れるケースも多くみられます。収納するモノや空間に合わせて、サイズやユニット、扉材やパーツなど、自由に選び組み合わせることが可能なのが特徴。床材や室内建具などとコーディネート可能なタイプもみられます

■出し入れの方法、インテリアへの影響などを考える
壁面収納は、プランニングによっては効率的に収納量を確保できるプランです。床から天井まで利用することで空間は確保できますが、天井付近などは出し入れしにくい場合も。収納するモノや方法、使い勝手を十分に検討することが大切です。

また、プランニングにもよりますが、壁面の多くを占めるため、圧迫感を感じることも。インテリアのイメージにも大きく影響します。扉材の素材やデザインなど、空間全体との調和に配慮して選ぶようにしましょう。

■地震対策など安全性にも配慮したい
くつろぎの場であるリビングの収納は、安全性にも配慮する必要があります。地震など強い揺れでも倒壊しないよう壁面へねじで固定したタイプであれば安心でしょう。メーカーのシステム収納の場合、壁面だけでなく、ユニット同士も同様に固定したものなどもみられます。また、収納したモノが落下しないような工夫も必要です。揺れを感じると作動し、扉を施錠する耐震ロックを用いてもいいでしょう。

ダイニングやリビングとのつながり、住まい全体で考える

リビングの収納をプランニングする際には、リビング空間とつながることも多いダイニングやキッチンの収納計画と合わせて検討を。最近ではシステムキッチンにも、ダイニング収納や周辺の収納ユニットが充実しているので、上手に取り入れてもいいでしょう。もちろん、住まい全体の収納計画と同時に考えることは基本。家族の日々の動きに合わせてトータルに検討することが大切です。

収納の考え方は、家族構成やライフスタイルによってそれぞれです。建材メーカーのショールームやモデルハウスの空間提案を確認したり、SUVACOの施工例にもたくさんの工夫がみられるので、家族構成や間取りプランが近い実例を参考にしてもいいでしょう。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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