2016/12/16更新4like15668view

著者:水沼 均

キッチンは壁付けと対面式どっちがいい?メリット・デメリットと使いやすいレイアウト

この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

キッチンカウンターをどの向きに設けるかには一長一短があります。キッチンの面積効率で考えるとカウンターを壁に向けて置くのがいちばんですが、ここでは家族とのつながりという観点から、改めて対面式カウンターを取りあげてみたいと思います。そして冷蔵庫や換気扇、ダイニングテーブルとの関係も考えてみましょう。

SUVACOが専門家をご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOがご要望に合ったプロを提案します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

キッチンを壁に向けると調理のときにいつも背中向きに

キッチンにカウンターを設けるとき、みなさんはどのような置き方を検討されますか?
間取り図で考えているとき、カウンターを壁向きに置くとキッチンがコンパクトに収まって合理的なので、つい壁に向けて置いてしまうことがあるかと思います。こうするとダイニングキッチンは6畳間で収まり、ギリギリ詰めれば4畳半でも収まってしまいます。そのぶん他の部屋に面積を回すことができますね。

ところがこの置き方には問題もあります。調理や片付けをしているとき、いつも家族に対して背中を向けた状態で作業をすることになってしまうのです。

今日あった楽しいできごとを食後にみんなで語り合っているときも、大晦日の紅白歌合戦を観ているときも、家族から取り残されて独り背中を向けて台所にいる。そんな風景が日常的になってしまいます。第一、作業しながら眺められる景色はただの壁だけ。これは辛いですよね。

カウンターをグルリと回して家族に向けてみる

そこで思い切ってキッチンカウンターをグルリと回して、家族のいる側に向けてみましょう。問題は一気に解決して、台所で作業しているときでもいつも家族と向かい合って、目線を共有しながら時間を過ごすことができるようになります。このようなカウンターの設け方は「対面式」と呼ばれています。

下の写真は、対面式のキッチンでご夫婦が楽しく語らっている様子です。
対面式のキッチンにしますと、他にも良いことがあります。カウンターのいちばん奥に少しだけ立ち上がりを設けておけば、シンクの中が洗い物でいっぱいであっても家族からは見えません。いつもすてきなキッチンだけが見えてくれるのです。

下の写真は、カウンターの奥と左右に立ち上がりを設けた例です。

キッチンとダイニング一体で面積を効率化

対面式にした結果、キッチンはより広さを必要としてしまいます。けれども広く取れば良いではありませんか。キッチンで作業している時間の長さを考えてみてください。

それに広さの問題は、ダイニングテーブルの置き方でかなり解決できます。キッチンカウンターにダイニングテーブルをペタッとくっつけてT字形の配置にすると、驚くほどコンパクトにまとまってくれますよ。どの席に座ってもキッチンに背中を向けずに済みますし、おすすめの置き方です!

下の写真は、キッチンカウンターとダイニングテーブルをT字形に並べた例です。

冷蔵庫と換気扇の位置は二の字形配置で解決

さてこの場合気をつけなければいけないのは、冷蔵庫の置き場所とコンロの上の換気扇の位置です。せっかくキッチンとダイニングをすてきに作っても、部屋の真ん中に高さ180センチの冷蔵庫がドンとあっては興醒めですよね。さらにコンロの上に換気扇があってしまったら、せっかくの一体感が失われてしまいます。

そこでおすすめしたい方法が、壁側にもさらにカウンターを設けてキッチンカウンターを「二の字」に配置すること。こうしますと、壁側のカウンターにコンロと換気扇を収めてしまうことができます。さらに頭上には吊り戸棚を設けることも可能です。横に冷蔵庫を置けば邪魔にならず、動線もすっきり収まります。

下の写真は、二の字配置のキッチンカウンターの例です。写真からはちょっとわかりにくいですが、コンロの上にビルトインの換気扇が配置されています。

キッチンの松竹梅

というわけで、同じキッチンを作るにしてもどうやら松竹梅がありそうですね。梅は壁に向いたカウンター。竹は対面式のカウンターのみ。そして松は対面と壁向きの2つのカウンターを備えた二の字形。

当然ながら家全体の広さと予算によって選択肢は変わってきます。けれどもぜひ、こうお考えになってみてください。キッチンは思い切って広くとり、予算も思い切ってかける!

くつろいでいるときも作業していても、いつも快適で楽しめる家。これは住まい作りの出発点ですものね。
お気に入りに追加

この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

同じテーマのQ&A

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る