日本古来の設備、囲炉裏(いろり)。電気やガスが普及したことで活躍の場が減り、最近はほとんど見かけなくなりました。今回は、そんな馴染みの薄くなった囲炉裏について、そして現代の家に取り入れる方法やメリットを考えてみることにしました。
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囲炉裏(いろり)とは?
囲炉裏の役割
燃料の違い
コミュニケーションツールとしての囲炉裏
意外と洋風なデザインとマッチする?
囲炉裏(いろり)とは?
囲炉裏とはなにか、改めて確認してみましょう。
囲炉裏は、部屋の床を四角く切って、火を炊けるようにした設備のこと。
よく「囲炉裏」と「火鉢」が混同されますが、本来、囲炉裏は移動できない設備を指し、火鉢は移動可能なものという違いがあります。
囲炉裏の役割
囲炉裏には、主に下記のような役割があります。
・暖房
・調理
・照明
・乾燥(衣服など)
・火種
・コミュニケーションの場
「暖房」〜「火種」までは、今の時代は他の物で代用した方がよさそうですが、囲炉裏のもつ「コミュニケーションの場」としての役割は代替できない独特な雰囲気があるため、これからも活躍できそうです。
燃料の違い
囲炉裏の火の燃料は、薪(たきぎ)と木炭の2種類あります。
薪は安価なので、生活のために使う家族用の囲炉裏に使用されていました。
木炭は高価な物だったため、たくさん消費できず、主に客人用に使われていたそうです。また、木炭は煙が出ないので、匂いを衣服に付けないという意味でも客人用に向いていたのでしょう。
コミュニケーションツールとしての囲炉裏
古いものというのは、時代遅れでかっこ悪いと思われがち。
しかし、囲炉裏の佇まいは、日本の美意識「わび・さび」を感じさせ、むしろかっこよささえ感じます。
そんな囲炉裏が家にあると最高のアクセントに。存在感のある囲炉裏には自然と人が集まり、たくさんのコミュニケーションが生まれます。暖かい火を囲みながら団らんすることで、リラックスでき、きっと普段とは違ったさまざまな会話ができるでしょう。
ITの発達により、コミュニケーションの希薄化が叫ばれている現代。日本古来の道具「囲炉裏」が、その問題を解消する一助になるかもしれません。
意外と洋風なデザインとマッチする?
囲炉裏のイメージは「和」ですが、意外と洋風なデザインともマッチするかもしれません。
そんな風に思わせてくれたのが、こちらの事例。
畳の間中央に置かれた囲炉裏と、洋式のダイニングテーブルが共存しています。
合わせる物の色や形を考慮する必要はありますが、このように「和」と「洋」を両立させることも可能。
囲炉裏をつくるとなると、和風の家にするしかないという先入観があります。しかし、この事例のように、現代の暮らしをしながら、必要に応じて囲炉裏を使うという「二刀流」を実現できるとすると、囲炉裏を採用するハードルが下がり、多様な生活が手に入りそうです。
いかがでしたか?
私は現在、海外で暮らしており、外から日本のことを見たり考えたりする機会が増えました。そこで思うことは、「日本の文化が独特で魅力的である」ということ。
時代に応じて生活の形が変わっていき、新しい物が生まれるのは当然のことですが、囲炉裏のような素晴らしい日本独特の文化は、今後も消し去らずに残していきたいものです。