2019/10/03更新0like366view佐藤ゆうか

あなたに合った構造は?注文住宅の6つの工法と特徴

「注文住宅を建てる!」と決めてから早い段階で悩むのが、その構造ではないでしょうか。現在、日本の注文住宅で主流になっている構造は、大きくわけて「木造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨造」の3つです。構造によって予算や工期、依頼する建設会社の選択肢が異なるので、慎重に判断したい部分ですね。

この記事では、現在の日本の注文住宅で主流となっている「木造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨造」の特徴や坪単価の目安、工期、メリット・デメリット、どのような人に向いているかなどについてお伝えします。構造を選択する際に知っておきたいポイントをまとめているので、構造を選ぶ前に確認してください。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

【木造】基本的な種類、特徴、坪単価、工期、メリット/デメリット

木造は、日本の注文住宅の半分以上の割合を占める工法です。古くから日本人に愛されてきた木造住宅で代表的なのは、次の工法です。

◆在来軸組み工法
◆ツーバイフォー工法(2×4工法)
◆SE工法

それぞれの特徴、坪単価、工期、メリット・デメリット、どのような人におすすめか、順番に確認しましょう。


◆在来軸組み工法の特徴
在来軸組み工法とは、木材を加工して作られた土台や柱や梁などの構造材を、仕口と呼ばれる接合部を組み合わせ、金物などで繋げて構造体を組む工法です。
構造体は、筋交いや構造用合板や金物で補強します。

◆在来軸組み工法の工期
一般的な30~40坪程度の2階建て住宅の場合、約5~6ヶ月です。

◆在来軸組み工法の坪単価
材木の樹種や柱の太さなどで異なりますが、50~70万円が一般的です。

◆在来軸組み工法のメリット
・設計の自由度が比較的高い
・将来的に間取り変更がしやすい
・化学物質を使わない家づくりが可能
・木材の調湿効果が期待できる
・木材の香りや温かみを楽しむことができる
・柱、梁、小屋組みなどを見せるデザインができる

◆在来軸組み工法のデメリット
・災害に弱い
・虫害が起きる
・比較的耐久性に劣る
・比較的耐火性に劣る
・現場作業が多いため品質にばらつきが出やすい

◆木造住宅の在来軸組み工法はこんな人におすすめ!
・住宅=木造だと決めている
・木の温かみが好き
・伝統工法や古いものが好き
・家づくり中は職人との関わりも楽しみたい
・自然派住宅を目指している
・土砂災害や水害などの恐れが少ない
・適切な時期に適切なメンテナンスを行うことができる
・リフォームで間取り変更がしたい
・予算に限りがある

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◆ツーバイフォー工法(木造枠組工法)の特徴
ツーバイフォー工法はアメリカの住宅では9割を占め、2インチ×4インチ(5.08cm×10.16cm)の角材と、構造用合板を金物で接合して、壁用パネル・床用パネル・屋根用パネルを作り、それぞれを組み合わせて箱状にし、空間を作る工法です。
ツーバイフォー工法以外にも、角材の大きさによってツーバイシックス、ツーバイエイトという工法もあります。

◆ツーバイフォー工法の工期
一般的な30~40坪程度の2階建て住宅の場合、4~5ヶ月です。

◆ツーバイフォー工法の坪単価
30~60万円が相場となっています。

◆ツーバイフォー工法のメリット
・比較的コストがかからない
・工期が短い
・気密性が高い
・比較的耐震性に優れる
・比較的耐火性に優れる
・断熱性に優れる
・全館空調と相性がいい
・工事が難しくない
・品質にばらつきが出にくい
・化学物質を比較的少なくした家づくりができる

◆ツーバイフォー工法のデメリット
・将来的な間取り変更などのリフォームが難しい
・比較的耐久性は低い
・虫害が起きる
・大きな開口部が作りにくい
・気密性が高いため防腐処理や結露対策が必要

◆ツーバイフォー工法はこんな人におすすめ!
・住宅=木造だと決めている
・洋風の外観が好き
・木の温かみが好き
・全館空調を行いたい
・自然派住宅を目指している
・土砂災害や水害などの恐れが少ない
・適切な時期に適切なメンテナンスを行うことができる
・予算に限りがある

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◆SE工法の特徴
SE工法は木造耐震工法のことで、品質が明確にされた構造用集成材を耐久性に優れたSE金物で接合し、RC構造や鉄骨造と同じラーメン構造で住宅をつくる工法です。
住宅の場合は3階建て以上や、比較的大きな面積の建物で用いられることが多いです。

◆SE工法の工期
40坪程度の3階建て住宅の場合、約5~6ヶ月です。

◆SE工法の坪単価
60~90万円以上が相場となっています。

◆SE工法のメリット
・構造計算を行うため、確実で優れた耐震性と耐久性がある
・耐火性に優れる
・環境にやさしい
・大空間が作れる
・設計の自由度が高い
・大きな開口部が作れる
・構造体を見せるデザインができる
・最初の設計次第でリフォームによる間取り変更が可能
・火災保険が比較的安い

◆SE工法のデメリット
・比較的工期がかかる
・比較的コストがかかる
・工事中の変更への対応が難しい
・化学物質の使用量が多い
・歴史が浅いので、実績が少ない
・工事ができる会社が限られる

◆SE工法はこんな人におすすめ!
・住宅=木造だと決めている
・木の温かみが好き
・自由なデザインの木造住宅が作りたい
・環境に配慮しつつ大規模な住宅が作りたい
・木造で耐火建築物を作りたい
・防火地域で狭小地のためRC造やS造の建築が困難
・予算に余裕がある
・将来的な売却を計画している

【鉄筋コンクリート構造】特徴、坪単価、工期、メリット/デメリット

鉄筋コンクリート構造はRC造とも呼ばれ、柱・梁・床・壁・天井などの構造上主要な部分などに鉄筋を配筋し、コンクリートを流し、鉄筋とコンクリートで構造体をつくる工法です。コンクリートの耐圧縮性と鉄筋の耐引張性を組み合わせることで、高い耐久性を実現しています。

◆鉄筋コンクリート構造の工期
40坪程度の2階建て住宅で、7~8ヶ月程度です。

◆鉄筋コンクリート構造の坪単価
60~100万円以上が相場となっています。

◆鉄筋コンクリート構造のメリット
・耐震性・耐久性・耐火性・防音性に特に優れている
・気密性が高い
・品質にばらつきが起きにくい
・最初の設計次第でリフォームによる間取り変更が可能
・大空間が作れる
・大きな開口部ができる
・デザインの自由度が高い
・比較的どこにでも建築できる
・火災保険が比較的安い
・虫害が起きない

◆鉄筋コンクリート構造のデメリット
・断熱計画をしっかり行う必要がある
・結露しやすい
・カビが生えやすい
・建物が重い
・強固な地盤が必要
・解体費用がかかる
・工事期間が長い
・化学物質を多用する

◆鉄筋コンクリート構造はこんな人におすすめ!
・丈夫な家に住みたい
・耐火構造の家を作りたい
・周囲の騒音や振動が気になる
・全館空調を取り入れたい
・将来的な売却を計画している
・地盤が強固
・予算に余裕がある

【鉄骨構造】特徴、坪単価、工期、メリット/デメリット

鉄骨構造はS造とも呼ばれ、鉄骨と鉄骨を溶接や金物で接合し、構造体をつくる工法です。
鉄骨構造は大きく分けて「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分けられます。それぞれの特徴、坪単価、工期、メリット/デメリット、どのような人におすすめかなどを順番に確認しましょう。
◆軽量鉄骨構造の特徴
軽量鉄骨とは鉄骨の厚みが6mm未満の鋼板を加工して作られたもののことで、この工法はさらに次の3つに分けられます。

1:軽量鉄骨ブレース工法(軸組み工法)
木造在来軸組み工法のように、柱・梁・土台などの住宅の軸組みとなる部分を軽量鉄骨で現場接合し、ブレースと呼ばれる筋交いで補強する工法です。

2:軽量鉄骨ラーメン工法
軽量鉄骨の柱と梁を強固に接合し、ラーメン構造を現場で組み上げ、構造体として強度を持たせる工法です。

3:軽量鉄骨プレハブ工法(ユニット工法)
軽量鉄骨をパネルのように工場で組み合わせたものを現場に搬入し、現場で金物を使って組み立てる工法です。

◆軽量鉄骨構造の坪単価
50~70万円が一般的です。

◆軽量鉄骨構造の工期
一般的な30~40坪程度の2階建て住宅の場合、4~5ヶ月程度です。

◆軽量鉄骨構造のメリット
・工期が短い
・部材が工場生産のため品質が安定している
・施工精度にばらつきが出にくい
・耐震性に優れる
・木造住宅に比べて火災保険が安い
・気密性が高い
・虫害が起きない
・大きな開口部ができる

◆軽量鉄骨構造のデメリット
・設計の自由度が低い
・着工までの準備期間が長い
・耐火被覆が必要
・防錆処理が必要

◆軽量鉄骨構造はこんな人におすすめ!
・木造より耐久性が高く、費用を抑えた家づくりがしたい
・木造住宅より耐震性に優れた家づくりがしたい
・確かな品質の住宅がほしい
・短い工期で家づくりがしたい
・間取りやデザインにはあまりこだわりがない
・大きな開口部がほしい

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◆重量鉄骨構造の特徴
重量鉄骨とは鉄骨の厚みが6mm以上の鋼板を加工して作られたもののことで、この工法には「重量鉄骨ラーメン工法」と「プレハブ工法」がありますが、重量鉄骨を用いた住宅はラーメン工法が一般的です。

◆重量鉄骨構造の坪単価
60~80万円が一般的です。

◆重量鉄骨構造の工期
40坪程度の住宅の場合、4~5ヶ月程度です。

◆重量鉄骨構造のメリット
・工期が短い
・部材が工場生産のため品質が安定している
・施工精度にばらつきが出にくい
・最初の設計次第でリフォームによる間取り変更が可能
・大空間が作れる
・大きな開口部ができる
・耐震性に優れる
・木造住宅に比べて火災保険が安い
・気密性が高い
・虫害が起きない

◆重量鉄骨構造のデメリット
・着工までの準備期間が長い
・全面道路が狭い場合、工事ができないことがある
・耐火被覆が必要
・防錆処理が必要
・建物が重い
・強固な地盤が必要
・解体費用がかかる

◆重量鉄骨構造はこんな人におすすめ!
・短い工期で家づくりがしたい
・間取りやデザインにはあまりこだわりがない
・確かな品質の住宅がほしい
・丈夫な家に住みたい
・耐久性のある家に住みたい
・耐火構造の家を作りたい
・周囲の騒音や振動が気になる
・将来的な売却を計画している
・地盤が強固
・予算に余裕がある
「木造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨造」のそれぞれの特徴や坪単価の目安、工期、メリット/デメリット、どのような人に向いているかをお伝えしました。住宅の構造選びは、予算や好み、工期はもちろん、周囲の環境も考慮して決めることが大切です。適した構造を選び、長く快適に住み続けられる家づくりができるといいですね。
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この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は2児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

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