住宅ローンを利用して注文住宅を購入する際に、正しい予算を組む方法を確認しましょう。
次の手順で行います。
①返せる金額から住宅ローンの借り入れ金額を決める
②手持ち金から住宅購入で使う金額を決める
③購入予算を決める
順番に詳しく解説します。
①返せる金額から住宅ローンの借り入れ金額を決める
住宅ローンの借り入れ金額は、税込みの年間収入額によって決められます。
この金額は、一般的に、年収に対して毎月25%以内の支払いであれば問題ないとも言われますが、収入額だけで借り入れ金額を判断するのは、とても危険です。
毎月いくらなら返せるのか?
ということを明らかにして、借り入れ金額を決めてください。
毎月の返せる金額を知るためには、まず次のA~Dの金額を明らかにしましょう。
A 毎月の手取り収入(ボーナスを含めない)
B 毎月の生活費(家賃など住居費を除く)
C 教育資金などの積立費
D 固定資産税(一般的に毎年約10~20万円)
A~Dの金額が明らかになったところで、次の式にあてはめます。
A-(B+C+D)=毎月返済できる金額
毎月返済できる金額が明らかになったら、ローン返済期間を決めます。
多くの人が35年の期間を選択するでしょう。
ここまでの数値を出した上で、WEBサイトにあるローンシミュレーションを利用します。
借り入れ先が決まっている場合は、銀行の提供するシミュレーションサービスをホームページから利用するといいでしょう。
フラット35の場合、次のページからシミュレーションを行うことができます。
毎月の返済額から借入可能金額を計算:【フラット35】
モデル例を確認しましょう。
家族構成:夫会社員35才、妻パート勤務30才、長男5才、長女3才
ローン返済期間:35年
A 毎月の手取り収入(ボーナスを含めない)…40万円
B 毎月の生活費(家賃など住居費を除く)…25万円
C 積立費…3万円
D 固定資産税…年間12万円=月1万円
40万-(25万+3万+1万)=11万円
この場合、フラット35の元利均等設定(金利1.8%)で3,425万円が返せる金額となりました。
ぜひ家計の状況に当てはめて、返せる金額を調べてください。
②手持ち金から住宅購入で使う金額を決める
多くの人は、住宅を購入するために貯金をしていますね。
最初に、この手持ち金からいくらを住宅購入にあてるか?ということを決めます。
手持ち金から使う金額を決めるためには、次の3つの出費について不安がないようにすることが大切です。
・住宅購入諸経費…住宅を購入するにあたり、必要になる諸経費です。地盤改良費、手続きの手数料、税金、家具購入費、家電購入費、引越し費用、仮住まい費用などが該当し、一般的に物件価格の10~20%必要になります。
この段階では、おおよその物件価格を仮定して算出しましょう。
注文住宅の場合、土地と建物の金額を合算した金額を使います。
・生活予備費…万が一の際に慌てないために備えておくお金です。生活費の3ヵ月分~半年分は手元にあると安心ですが、保険などに入っている場合は、給付金の見込み金額で補填してもいいでしょう。
・住宅購入後の生活のための貯蓄…貯蓄がある場合、全てを住宅購入に使わないことが大切です。教育や車の購入など、用途に応じて使えるように手元に残せるようにしましょう。
住宅購入諸経費、生活予備費、住宅購入後の生活のための貯蓄。
この3つのお金を手元に残し、捻出した金額が手持ち金から住宅購入で使える金額となります。
③購入予算を決める
①、②の金額を合算することで、住宅を購入する際の予算を決めることができます。
モデル例を確認しましょう。
① 返せる金額から決めた住宅ローンの借入金額…3,425万円。
② 手持ち金から住宅購入で使う金額…200万円
3,425万+200万=3,625万円が住宅購入予算です。
注文住宅の場合、土地と建物を合わせた金額となります。
例えば、土地代が2,000万円の場合は建物に使える金額は1,625万円となりますね。
①、②の段階を確実に丁寧に計算し、無理なく自分たちに適した金額で購入できる予算を産出しましょう。