2019年04月02日更新

インテリア(壁/床)

床暖房選びで知っておきたいこと/電気式・温水式などの種類やメリット

新築やリフォームの際に、取り入れたい設備機器のひとつに挙げられるのが床暖房。一般的な住宅に取り入れられる床暖房には、いくつかの種類があります。選ぶ際には、それらの種類や特徴、メリットデメリットなどを理解した上で、間取りに合わせプランニングすることが大切でしょう。


床暖房とは輻射熱によって部屋全体をあたためるシステム

床暖房とは、床面を加熱してその床表面から放射される輻射熱によってあたためる暖房システムのこと。輻射熱とは、熱線によって伝わる熱のことで、陽だまりのような暖かさを感じることができるものです。

床からの輻射熱は、人体にあたっても暖かく感じますが、同時に部屋の中の壁や天井などにも吸収され、それらが再び放射されることで、室内の空気が暖まります。そのため、部屋全体を暖める主暖房として使用することが可能。操作は、壁に設置するリモコン(コントローラー)で行い、温度調節はもちろん、タイマーなども設定することができます。

温水パイプを床材に内蔵した、仕上げ材一体型の温水床暖房。3タイプの床暖房パネルを使い、必要なところを暖房することが可能。[温水床暖房You温すい  床材 ジョイハードフロアーナチュラルウッドタイプ] パナソニック

温水パイプを床材に内蔵した、仕上げ材一体型の温水床暖房。3タイプの床暖房パネルを使い、必要なところを暖房することが可能。[温水床暖房You温すい 床材 ジョイハードフロアーナチュラルウッドタイプ] パナソニック

床暖房のメリット

エアコンやストーブなど対流式の暖房機器では、暖かい空気が天井近くに溜まりがちですが、輻射熱を利用する床暖房の場合、床面付近の暖かさだけでなく、部屋全体の温度にムラがなく、均一な暖かさを保つことができるのが大きな特徴です。

空気が乾燥したり、ほこりが舞うこともないこと、石油やガスストーブのように室内で燃焼が行われないので、空気が汚れる心配がないのもメリットでしょう。

また、床に置いたり、壁に掛けるタイプの暖房機器ではないので、空間もひろびろ感じるとともに機器の出し入れ、掃除などの面倒もありません。

シルクのような肌触りのWPC(天然木)化粧の温水式床暖房。温水パイプとフローリングの一体式。ガス・灯油・ヒートポンプ式などの熱源機に対応。[温水式(仕上げ材一体型暖房床) はるびよりPS] DAIKEN

シルクのような肌触りのWPC(天然木)化粧の温水式床暖房。温水パイプとフローリングの一体式。ガス・灯油・ヒートポンプ式などの熱源機に対応。[温水式(仕上げ材一体型暖房床) はるびよりPS] DAIKEN

床暖房はシステムと施工方法などによって分類できる

一般的な商品としての床暖房は、システムや施工方法などによって分けることができます。それぞれ特徴があるので、間取りプランやライフスタイルを考慮して選ぶことが大切です。

【システム(方式)による分類】
・電気式
・温水式

【施工方法による分類】
・床仕上げ材一体型
・床仕上げ材分離型

床暖房システム(方式)の種類と特徴

床暖房のシステム(方式)には、大きく電気式と温水式に分類することができます。

【電気式】
電気式床暖房は、ヒーターを内蔵したパネルなどに電気を通して暖房するもの。使用するときに通電するタイプと床下の蓄熱タイプなどがあります。

通電するタイプには、施工しやすく初期費用も比較的安価な電熱線(ヒーター)式、一定の熱が加わると電気を遮断して温度を調節する機能を持つPTC(発熱)ヒーターを使用したタイプなどがあります。

蓄熱タイプは夜、蓄熱ボードなどの蓄熱材に熱を蓄え、日中に自然放熱するタイプのものです。

簡単施工でリフォームに適する仕上げ材一体型。熱源にはPTCヒーターを採用。汚れがつきにくくふき取りやすい表面仕上げも特徴。 [電気床暖房 Youほっと 100Vタイプ 200Vタイプ] パナソニック

簡単施工でリフォームに適する仕上げ材一体型。熱源にはPTCヒーターを採用。汚れがつきにくくふき取りやすい表面仕上げも特徴。 [電気床暖房 Youほっと 100Vタイプ 200Vタイプ] パナソニック

【温水式】
熱源機(ボイラー)などで沸かした温水(約40~60℃の低温水)を、床下の温水パネル(マット)に循環させて暖房するもの。ひとつの熱源機で、広い面積、複数の部屋に設置することが可能です。一般的にランニングコストが安く、お湯を沸かす熱源は、ガスや石油、電気などを選ぶことができます。エコジョーズやエコキュートといった給湯器、ヒートポンプや専用の熱源機などを用います。

さまざまな熱源が選べる温水式床暖房。部屋に合わせフロアーや畳が選べる。施工条件に合わせて床下、床上配管タイプを用意。[温水式(仕上げ材分離型暖房床) はるびよりツイン12 床上配管タイプ] DAIKEN

さまざまな熱源が選べる温水式床暖房。部屋に合わせフロアーや畳が選べる。施工条件に合わせて床下、床上配管タイプを用意。[温水式(仕上げ材分離型暖房床) はるびよりツイン12 床上配管タイプ] DAIKEN

床暖房の施工方法の種類と特徴

前述の電気式、温水式ともに、床仕上げ材一体型と分離型のタイプが揃っています。(電気式蓄熱タイプは分離型のみ)

【床仕上げ材一体型】
フローリングなどの床材に、床暖房のシステムが組み込まれているもので、一般的に、熱効率がよく立ち上がりが早いこと、施工が簡単なのが特徴です。リフォームなどでもプランニングしやすいでしょう。選ぶことができるフローリングなどの仕上げ材にある程度の制約がありますが、最近では、仕上げ材のバリエーションも増えてきています。

発熱体内蔵タイプなので、昇温が速くランニングコストを軽減。「サーモスタット」「温度ヒューズ」「アース」の3重の安全機能で低温やけどや感電を防止。[電気式(仕上げ材一体型暖房床)あたたか12シリーズ] DAIKEN

発熱体内蔵タイプなので、昇温が速くランニングコストを軽減。「サーモスタット」「温度ヒューズ」「アース」の3重の安全機能で低温やけどや感電を防止。[電気式(仕上げ材一体型暖房床)あたたか12シリーズ] DAIKEN

【床仕上げ材分離型】
床暖房パネル(マット)と好みの床材を組み合わせるタイプ。パネルのサイズも豊富に揃っているので、さまざまなプランに対応できるのが特徴でしょう。一体型に比べ、仕上げ材の種類や色、デザイン等を自由に選ぶことも。フローリングだけでなくコルクや畳、タイル、カーペットなどの素材を用いることも可能です。

ヒートポンプ式温水暖房機、床暖房機能付きエコキュートに対応した、仕上げ材分離型の温水床暖房。90種類のパネルを組み合わせ、幅広いプランに対応できる。[温水床暖房 フリーほっと温すいW 構造図] パナソニック

ヒートポンプ式温水暖房機、床暖房機能付きエコキュートに対応した、仕上げ材分離型の温水床暖房。90種類のパネルを組み合わせ、幅広いプランに対応できる。[温水床暖房 フリーほっと温すいW 構造図] パナソニック

リフォーム向けの床暖房

最近では、リフォームの際にプランニングしやすい商品も充実してきています。一般的に、仕上げ材一体型は、分離型に比べると施工がしやすく、リフォームに向いているものですが、分離型でも仕上げ材とパネルなどを薄くすることで施工しやすくしたタイプもみられます。また、既存の床材の上に貼ることのできるタイプも揃っています。

その他、床暖房のシステムは使用できるが、フローリングの老朽化が進んでいるので、床材だけを取り替えたい、というケースに対応した商品も。熱伝導率の高い基材を用い、既存の床暖房の上に張ることができる、床暖房専用の仕上げ材などもみられるようになりました。

床暖房付きのフローリングも上から貼るだけでリフォーム可能。熱を伝えやすい薄型床材なので、暖かさはほとんど変わらない。[リモデル用床暖房仕上げ材 サーモプラス] DAIKEN

床暖房付きのフローリングも上から貼るだけでリフォーム可能。熱を伝えやすい薄型床材なので、暖かさはほとんど変わらない。[リモデル用床暖房仕上げ材 サーモプラス] DAIKEN

床暖房をプランニングする際のポイント

・ランニングコストを考慮する
床暖房を選ぶ際には、イニシャルコスト(設備費)だけでなく、ランニングコスト(燃料費・メンテナンス費など)を検討することも重要です。

たとえば、一般的な温水式と電気式を比べると、燃料費は温水式のガスの方が電気式よりも安いといえますが、温水式は機器代が電気式よりも割高。熱源機の定期的な点検や部品の交換などメンテナンスの費用も必要になります。一方、電気式は基本的にはメンテナンスは不要です。

・取り入れるスペース、暮らし方に合わせて検討を
一般的に、広いスペースや複数の部屋に設置する、日々在宅し使用する家族がいる、という場合は、維持費の安い温水式が向いています。設置するスペースが少ない、使用するのは朝と夜だけ、というご家庭であれば、電気式が適しているケースも多いでしょう。

床暖房を設置するスペースやライフスタイル、使い方にもよるので、カタログやホームページのモデルプランなどを参考に、わが家の場合のシミュレーションをしてみること。将来的な変化も予測しながらプランニングすることもポイントです。

・住まい全体に関わるケースもあるので早めに相談を
間取りや家具の配置なども、床暖房プランに影響する場合もあるものです。また、選ぶ熱源によっては、給湯システムと大きく関わるため、床暖房単体ではなく、住まい全体をトータルに検討し、早い時期に設計担当者に相談すること。保証期間やアフターメンテナンス体制を確認することも大切なポイントです。


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この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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