2021/01/25更新2like2739view

著者:岩間光佐子

ファミリークロゼットとは?後悔しないつくり方と実例

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

間取りを検討する中で多くの方が頭を悩ますのが収納プラン。収納の考え方はさまざまですが、最近みられる収納プランのひとつに、ファミリークロゼットがあります。ここではファミリークロゼットのプランニングのポイントや注意点をみていきましょう。

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ファミリークロゼットとは?

ファミリークロゼットとは、家族みんなの衣類を収納するスペースのこと。夫婦や子供の衣類をそれぞれのプライベート空間に収納するのではなく、すべてまとめて収納できるスペースを確保する、という集中収納のひとつです。

ライフスタイルや家族構成、間取りによって、そのプランはさまざま。衣類だけでなく、旅行用品や季節用品など、納戸のように使用するケースもありますし、洗濯物をたたんだりアイロンをかけるなど、ユーティリティ(家事室)空間を兼ねる場合も。ある程度のスペースが必要なので、ウォークインクロゼットとするプランが多くみられますが、廊下の壁面などを利用するなどして幅のある収納をプランニングする場合もあります。

最近では、寝室と洗面脱衣室の間に設け、通り抜けられるように配するプラン(ウォークスルー)もみられます。プランニングにもよりますが、身だしなみや洗濯などの作業を行う洗面脱衣室からも短い動線で行き来できること、着替えや片付けがしやすく、スペースを有効利用できるのが特徴と言われています。

ファミリークロゼットのメリットデメリット

ファミリークロゼットといってもさまざまなプランが考えられますし、収納するモノや方法などによっても異なりますが、一般的に家族の衣類をまとめて収納するスペースがあることで、以下のようなメリットやデメリットが考えられます。

■メリット
・家族全員の持ち物、衣類の状態など、全体を把握できること
・ひとつの空間にあることで、日々の家事、衣替えなどがスムーズに行えること
・幼い子供がいる場合、着替えなどをさせやすいこと
・高齢のご夫婦などの場合など、衣替えが不要なプランとすることで負担が軽減されること
■デメリット
・比較的広めのスペースが必要なこと
・子供の成長後、プライバシーが確保できないこと

ファミリークロゼットプランの基本

ファミリークロゼットに限りませんが、収納をプランニングする際に確認しておきたいポイントはいくつかあります。

■Point1 使い方を明確にする
衣類収納として使用するのか、その空間で家事作業も行うのか、作業をするとしたらどのような作業をするのか、など、使い方を明確にすることが基本です。

■Point2 収納するモノ、量をリストアップする
収納するモノとその量をリストアップすることは重要なポイント。衣類だけを収納するのか、鞄やバック、スポーツグッズなども収納するのか。その量を把握して、どの程度のスペースが必要か検討するようにしましょう。

■Point3 収納するモノに合わせたつくりを考える
収納のつくり方の基本は、収納するモノが確認しやすく、出し入れしやすいこと。ファミリークロゼットの場合も同様です。収納するモノに合わせて、棚やハンガーパイプなどを造作する、既製の収納パーツやアイテムを利用する、手持ちのタンスやチェストを活用する、など検討を。

また、ハンガーパイプや棚など、内部のつくりは、ある程度可変性のあるプランにしておくことで、将来、家族構成が変化したり、ライフスタイルが変化しても対応できます。
■Point4 作業に合わせたスペースや設備を検討する
収納だけでなく、着替えや身だしなみを整える、洗濯物をたたむ、アイロンを掛けるなどの作業も行うのであれば、それらのスペースを確保すること。作業に合わせて、カウンターや鏡、照明などを設けることも必要でしょう。照明は、収納したモノを探したり着替えをする際、暗がりができない位置に設置することがポイントです。

■Point5 換気や通風にも配慮したい
収納スペースは換気や通風にも配慮が必要です。一般的にクロゼット内は、湿気が溜まりやすく、ニオイなども気になるものです。効果的な位置に、換気扇や窓を配しておく、通気性のある扉や開閉しやすい引戸などを取り入れる、なども考えておきたいものです。また、内壁材に調湿機能を持つ素材を選ぶのもひとつの方法でしょう。

注意したいのは、窓を設けた際の太陽光による洋服の色あせ。方角や他の部屋とのつながりなども考慮して窓を設けるようにしたいものです。

■Point6 将来の変化をイメージする
家族構成やライフスタイルの変化によって、収納するモノも変わってきます。特に幼いお子さんがいる場合、衣類のサイズは大きくなり、数も増えていくものです。将来的にどのような収納とするのか、あらかじめ検討しておくことも大切です。

住まいのどこに配置するかで、使い勝手も変わる

家族みんなが使用するファミリークロゼットは、住まいのどこに配置するかで、使い勝手も大きく変わります。

多くみられるのは、ベッドルームや子供室などプライベート空間の近くに配するプラン。衣類を中心として、どの部屋からも行き来しやすいような間取りとしたいものです。それぞれの部屋につながるウォークスルーのプランも考えられます。
また、玄関近くに設けるケースもあります。帰宅時にコートなどをすぐに収納できるのもメリット。衣類だけでなく、外出する際に必要なバッグや帽子などを収納してもいいでしょう。スペースにゆとりがあれば、シューズインクロゼット(シュークローク)の役割を持たせても便利です。

その他、家族が集まるリビング近くに設けるプランも考えられます。日常の衣類などを中心に、幼いお子さんがいるのであれば玩具を収納するスペースとしても利用できます。家事スペースなどを設ければ、子供の様子をみながら作業することができるでしょう。

新しい住まいで、どのような動き方をするのか、家族みんなの一日の動きをイメージして、動線を考えながら、どこに設けると使いやすいのかを検討するようにしましょう。

住まい全体の収納と同時に、配置や広さを検討する

収納計画は、家族構成やライフスタイルなどによって、多様なプランが考えられ、その使い勝手もそれぞれ。ファミリークロゼットに関しても、その良し悪しは家族によって異なるでしょう。何となく使いやすそうだから、といって取り入れても、せっかくの空間が活かされず、ただの物置スペースになってしまうこともあります。本当にファミリークロゼットが必要かどうか、しっかり検討することも大切です。

その上で、住まい全体の収納プランと同時に配置や広さを検討すること。ファミリークロゼットを主な収納とするのか、各居室の収納スペースはどの程度確保するのか、それぞれの役割を明確にすることで、おのずとファミリークロゼットに収納するモノも整理することができるでしょう。

ファミリークロゼットの広さは一概には言えませんが、最低でも4畳程度以上のスペースは必要でしょう。家族が多く、収納するモノが多い、空間内で作業する、という場合は、それ以上のスペースを確保する必要がありますし、棚やハンガーパイプのつくりによっても異なります。どのようなファミリークロゼットがわが家に適しているのか、モデルハウスやショールームなどで実際の空間プランの工夫を確認したり、SUVACOの事例などを参考に、イメージしながら検討するといいでしょう。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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