鉄筋コンクリート造の住宅に住まうならば、せっかくの機会ですから、ぜひ打ち放しコンクリートの魅力についても研究してみませんか?家の内外装をすべて打ち放しにしても良いし、一部分だけを打ち放しにして、他の素材とコーディネートするのもおすすめです。また打ち放しコンクリートは、意外なほど多彩な作り方と豊かな表情を持っています。マンションのリフォームなどにもよくマッチしますよ!
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
コンクリートは実は天然素材
コンクリート打ち放しとは?
コンクリート打ち放しの重厚な外観
コンクリート打ち放しのインパクトあるインテリア
コンクリート打ち放しを部分的に取り込む
コンクリート打ち放し表面はさまざまで表情豊か
コンクリート打ち放しをマンションリフォームで手軽に楽しむ
コンクリートは実は天然素材
コンクリートというと人工物というイメージがありますが、実際には自然界の鉱物を単純に混ぜて、水を加えただけの立派な天然素材です。
具体的には石灰石と粘土、石膏を混ぜて焼き、砂と砂利を混ぜて水でこねた物質です。
したがって住宅のように小規模な建築に用いると、その質感や触感はむしろ石材に近い自然物の感覚をもたらしてくれます。
ならば鉄筋コンクリート造の住宅では、どこかで少しでもコンクリートの地肌を味わえるようにしておくと魅力が1つ増えそうですね。
コンクリート打ち放しとは?
コンクリートの地肌むき出しで作ることを「コンクリート打ち放し」といいます。
鉄筋コンクリート造では普通だと地肌の上に仕上げをして、コンクリート自体が見えなくなるように工事します。コンクリートを固めるための型枠も、普通の合板を使い回して組み立てます。
しかしコンクリート打ち放しでは地肌そのものを見せます。そのため型枠も打ち放し専用の、表面のきれいな合板を使います。コンクリート打ち放しの表面が平滑でピカピカしているのはこのためです。
コンクリート打ち放しの重厚な外観
鉄筋コンクリート造住宅では外観をすべて打ち放しにしたものが数多く見られますが、どんな魅力が期待できるでしょうか。
まず打ち放しにすると外観がぐっと重厚な感じになります。さらに形をシンプルな四角形でまとめると、下の例のように抽象的で威厳ある雰囲気も出てきます。
また鉄筋コンクリート造は木造に比べて造形の自由度が高いので、特に打ち放しでは大胆な形がよく似合います。
たとえば平らな屋根は木造だと雨漏りが心配ですが、鉄筋コンクリートなら簡単に作れ、造形の自由度はさらに高まります。
下の写真は、鉄筋コンクリート造ならではの大胆な造形を打ち放しでまとめたものです。白い壁や格子の存在が立体感をさらに強調しています。
コンクリート打ち放しのインパクトあるインテリア
外観だけでなく、内部もコンクリート打ち放しにした住まいも数多くあります。
打ち放しにすると壁や天井がより強い存在感を持って、インパクトのある個性的な住まいができあがります。
下の写真は内外装をすべてコンクリート打ち放しで統一した例です。打ち放しの重量感と大胆な造形がよくマッチしています。
コンクリート打ち放しを部分的に取り込む
しかしコンクリート打ち放しは個性が強いだけに、インテリアの全部を打ち放しで統一するのには抵抗がある方もおいででしょう。
そんなとき、どこかで少しだけ打ち放しの部分を見せると、インテリアの奥行き感がぐっと増してくれます。
また、コンクリート打ち放しは自然素材でグレー色をしているので、他の素材や色ととても合わせやすいという特徴があります。
たとえば下の例のように白を基調としたインテリアで、少しだけコンクリート打ち放しの部分を見せると、白とコンクリートの両者がとても引き立て合ってくれます。
またコンクリート打ち放しは中性的なルックスをしているので、和風にも意外にマッチします。
下の写真は小さな場所を和のテイストで作った例ですが、コンクリート打ち放しが白木によくなじんでいます。
コンクリート打ち放し表面はさまざまで表情豊か
コンクリート打ち放しの表面は滑らかに作るだけでなく、さまざまなテクスチャーで作ることができます。
表面を削ったりこすったり、あるいは型枠に工夫をするなどの処理を加えるだけで、多彩な表情を堪能することができるのです。
下の写真は型枠をベニヤ板でなく杉の板にして工事した例です。触ると石の固さ冷たさで、見た感じは木の柔らかさ暖かさを持つ、不思議でぜいたくな質感です。
また下の写真左側の壁は、コンクリート打ち放しの表面を「ビシャン」という工具で叩いて凹凸をつけた例です。
特に陽の当たる壁のとき、陰影が非常に美しく見えて、まるで芸術作品のような壁ができあがります!
コンクリート打ち放しをマンションリフォームで手軽に楽しむ
鉄筋コンクリート造マンションの住まいをリフォームやリノベーションするなら、一部分だけコンクリート打ち放しを見せる手法はさらに簡単に実現できます。
既存の壁や天井をはがすと鉄筋コンクリートの骨組みが現れますが、この表面をすべて仕上げてしまわずに部分的にむき出しのままにすることで、手軽にコンクリート打ち放しを楽しむことができます。
下の写真は、マンションリフォームで天井や梁を打ち放しコンクリートむき出しにした例です。上品でナチュラルなインテリアとワイルドな打ち放しがよくマッチしています。
コンクリート打ち放しには、実に様々な魅力や可能性があります。実際には、意外にかさばるコストや冬季の冷たさなど、デメリットもまたいくつか存在します。
しかしそれでもコンクリート打ち放し、とにかくすてきでカッコいいんです!一度住み始めたら虜になるような魅力を備えています。鉄筋コンクリート住宅を構想中の方は、ぜひ併せて検討なさってみてください。