2020/01/20更新1like3378view佐藤ゆうか

コンセント・スイッチで失敗しないために。家を建てる前に知っておきたい6つのポイント

自由度が高い注文住宅・リノベーションですが、家が完成したあとに「もっとこうしておけばよかった」と感じる箇所って意外と多いみたいです。なかでもよく耳にするのが、コンセントやスイッチの位置・数についての不満。暮らしの中で必ず使用するものですが、設計段階でのイメージが難しいため、住み始めてから後悔する方が多いようです。

では、失敗を防ぐためには、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか。本記事では建築主が押さえておくべきポイントについて詳しく解説します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

コンセント・スイッチの計画で後悔しないための6つのポイント

コンセントとスイッチの計画で後悔しないために重要なのは、「実際に使うシーンを考えて具体的なイメージを持つこと」と「綿密な採寸」です。

家の間取りがある程度決まったら、なるべく早い段階で以下の5つを実践しましょう。

(1)生活をイメージする
(2)新居で使う家電をリストアップ
(3)家具の配置を考える
(4)設置する位置(高さ)を検討
(5)扉が開く向き・開いた時に隠れる範囲を確認
(6)将来性も検討しよう

それでは順番に解説していきましょう。
■(1)生活をイメージする

間取図を見ながら、新しい部屋で暮らす自分をイメージしましょう。

朝、自室で朝起きて洗面室に入り、顔を洗ってトイレへ、その後ダイニングで朝食を食べて、食器を片付け、支度を整えて……といったように、朝起きてから夜寝るまでの平日・休日の行動を、できるだけ具体的に思い浮かべてみてください。

動線を間取り図に書き込んでみるのも良いでしょう。家族がいる場合は、それぞれの動きをシミュレーションしてください。

実際に暮らしている場面をイメージすることで、「どこに」「いくつの」スイッチやコンセントが必要かが見えてきます。
■(2)新居で使う家電をリストアップ

各部屋で使用する家電をリストアップしてみましょう。

リビング:テレビ、レコーダー、スピーカー、ロボット掃除機、パソコン、ゲーム

ダイニング:ホットプレート、タブレット用充電器、ハンディクリーナー用充電器

キッチン:冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、トースター、ケトル、ミキサー、ホームベーカリー

上記は一例ですが、各居室で使用する家電をリストアップすることにより、必要なコンセントの数や位置を把握することができます。

「入居していざ家具を配置してみたらコンセントが足りない!」という事態を回避するためにも、とても重要なポイントです。
■(3)家具・家電の配置パターンを考える

先ほどお話した家電のリストアップはコンセントの数を確認するためでしたが、これはコンセントの設置箇所を決めるために重要な工程です。

新生活のイメージを具体的に思い浮かべることができれば、自ずと家具の配置も見えてくるかと思います。が、ここで大切なのは、配置パターンをいくつか考えておくことです。

採寸した結果思い通りの位置に置くことが難しかったり、買い替えによって模様替えを行う必要に迫られたりすることもあるかもしれません。

テレビは特に付帯機器が多いので、アンテナ位置も含めて、より念入りな配置パターンを検討しましょう。難しい場合は、設計士に相談するのが良いかもしれませんね。
■(4)設置する位置(高さ)を検討
2次元の図面上で考えていると、高さのことをつい忘れがち。
暮らしやすい電気設備計画を実現させるために、高さについての検討は不可欠です。

一般的なコンセントの高さは、床面から中心までが「25cm」です。
これをふまえて、使用器具ごとの最適な高さをまとめました。

以下の図をご覧ください。
かがむ動作が大変な高齢者や車椅子に配慮した高さは、40~45cm。

机で使われるなどスタンドやPC用のコンセントは、一般的な机の高さである70cmを基準に考えると、70~90cm。

洗濯機用のコンセントは、洗濯機本体が設置されてもメンテナンスしやすい100~110cmあたりでしょうか。

冷蔵庫はコンセントからの火災発生リスクが大きいため、冷蔵庫よりもコンセントが上に出るようにある程度の高さが必要。よって最適なコンセントの高さは、170〜180cmです。エアコン用のコンセントは、180~200cmほどが適しています。

その他カウンターやキッチン周辺についても、周辺で使用する機器を想定したうえで、それぞれに応じた高さを検討してください。


ちなみに、スイッチの一般的な高さは床面から120cm。車椅子の方や高齢者、小さな子供も操作しやすい高さは100cmと言われています。設置する高さは家族構成や各々の使いやすさに配慮して設定したいですね。
■(5)扉が開く向き・開いた時に隠れる範囲を確認

意外な盲点が扉です。図面上では一見問題無いように見えたのに、実際に暮らし始めて気がつくことが多いのも、このパターンではないでしょうか。

開き扉がある場合は、扉の開く方向や開いた時に隠れる範囲を事前に確認しておきましょう。

扉の裏に当たる位置などにコンセントがあると、コードが届かなくなったり、使いにくくなることが多いです。延長コード等で対処することは可能ですが、できることならなるべくすっきり暮らしたいですよね。
■(6)将来性も検討しよう
家族構成の変化や、年齢も考慮して将来的にも使いやすい計画についても考えてみましょう。

例えば、家族にお年寄りがいる場合は将来的な介護のために、リクライニングベッド用や電動チェアなど、介護用品に必要な電源を1階部分に多めに設置しておくと安心ですね。
適した場所にコンセントがあると、余計なコードを減らせますのでつまずきや転倒事故も防げます。

その時になってあわてないように、ある程度予測ができることは考慮して計画できるといいですね。

電気配線の計画の流れを知る

計画の流れを知っていれば、タイミングを逃すことなく要望を伝えられます。
検討するべき時期なども分かるため、余裕を持って考えることができますね。

一般的な電気配線の計画は、以下のような形で進んでいきます。
【手順1】ヒアリング
建築主が、設計士に家族構成や間取りの要望を伝える打ち合わせです。
電気配線について特別な要望がある場合は、この段階で伝えます。

【手順2】間取りの検討
建築主の要望を受けて、設計士が間取りを提案します。
スイッチやコンセントの位置、電気配線などについては、特別な要望がない限り「ここにあれば便利」だと考えられる位置に配置します。

【手順3】配線の検討
間取りが決定したら、確認申請の書類作成と並行して、具体的な電気配線計画を行います。
この計画をもとに、工事契約用の見積書が作成されるのです。

どの程度細かく算出するかは会社にもよるのですが、詳細に行う会社の場合、ケーブルの長さや、スイッチとコンセントの数をひとつひとつ数えて、見積もり金額に計上します。

そのため、見積書を作成する段階までにスイッチやコンセントの種類・位置はなるべく明確にしておいた方が良いのですが、この後の打ち合わせで位置や数量が変わることも多々あります。

ちなみにこの後行われる変更は、追加変更清算の対象となる場合が多いです。

【手順4】図面のチェック・検討
確認申請書類が完成すると、設計者は電気設備図面などの工事用図面を作成します。
電気設備図面上で、スイッチ・コンセント・照明・分電盤・インターホン・給湯器のスイッチなどの設備について、位置や高さを具体的に検討します。

【手順5】現場での確認・検討
工事が始まり上棟が済むと、屋内の電気配線工事が始まります。
この段階になると実際の感覚もかなり掴みやすくなりますので、どの場所にスイッチやコンセントが付くのか、図面を追いながら確認・検討しましょう。

コンセントの種類

住宅で使われるコンセントには、いろいろな種類があります。

計画の際に「○○用のコンセントとして使用したい」と伝えれば、設計士が適したコンセントを配置してくれますが、まれに希望合わないものが設置されてしまうことも。
コンセントの種類を知っておけば、より具体的な依頼を行えますね。

以下は、現在使用されている一般的なコンセントの一覧です。
■ダブルコンセント
差込み口が2つある、いちばんポピュラーなタイプのコンセント。
1口タイプと3口タイプもあります。

■200V用コンセント
主に広い部屋用のエアコンで使われるコンセントです。

■アース付コンセント
アース端子が付いたコンセント。
アースが必要な家電製品を使うキッチンや、洗濯機などのために設置されます。

■大容量コンセント
IHクッキングヒーターなど、大容量の機器に使われるコンセントです。

■マルチメディアコンセント
LAN受け口、TV受け口、コンセントが一体になったコンセント。
主にTVを設置する場所付近に取り付けられます。

■フロアコンセント
床に埋め込むタイプのコンセントで、普段は床に収納しておくことが可能。
ホットプレートなどの電化製品用に、テーブルの下に設置すると便利です。

■防水コンセント
屋外に設置する防水タイプのコンセントです。
外観に合う、いろいろなデザインのものが登場しています。

■EV・PHEV充電コンセント
電気自動車や、ハイブリッド自動車の充電に使用するコンセント。
駐車スペース付近やガレージ内に設置します。

■抜け止め式コンセント
プラグが簡単に抜けないよう、抜く際にひねる動作が必要なコンセントです。
パソコンなど、プラグが簡単に抜けると支障があるものを使用する場合に便利です。

■USBコンセント
USB端子専用のコンセント。
携帯電話やタブレット、電子タバコなど、USBケーブルで充電・通電する機器を使用する場合に役立ちます。

■マグネット式コンセント
通常のコンセントのようなプラグの差込ではなく、マグネットで通電するタイプのコンセント。
ケーブルにつまずいた時でも、ケーブルが引っ張られると簡単に外れるため、転倒を防ぐことが可能。お年寄りが使用する部屋や通路などに、特におすすめです。

■シャッター式コンセント
プラグを差込む穴に扉がついていて、プラグを差し込んだ時だけ扉が開くようになっています。

使用しない際は扉を閉めて穴を塞ぐことができるため、子供による差込口へのいたずらやほこりの侵入を防ぐことが可能。小さな子どもや認知症の方がいる家庭、AV機器周辺のほこりが心配な場所に設置することが多いです。

■足元灯付コンセント
足元灯が付いたコンセント。センサーで点灯するタイプと、スイッチで点灯するタイプがあります。
寝室や、階段など段差がある場所の周辺に設置されます。

スイッチの種類を知る

主に照明などへの通電を操作するスイッチ。

大きく分けると、手動で操作するタイプ、タイマーで操作するタイプ、センサーで操作する3つのタイプに分類されます。
■片切スイッチ
スイッチ操作で入・切を切り替える、最もポピュラーなタイプです。
軽く触れるだけで操作できるワイドタイプが主流となってきています。

■3路スイッチ
2つの場所からスイッチの入・切を操作できるスイッチです。
階段や廊下の照明に使われます。

■調光スイッチ
好みの明るさに照明の明かりを調整できるタイプのスイッチです。
ダイヤル式とスライド式があり、寝室やリビング・ダイニングなど部屋の使い方やシーンによって光量を変えたい場所におすすめです。

■タイマースイッチ
タイマースイッチには決められた時間に自動でスイッチの入・切操作を行うタイプと、操作をしてから一定時間が経過すると自動でオフの状態に切り替えるタイプの2種類があります。
前者は屋外照明に、後者は水まわりの換気扇などで使われることが多いです。

■人感センサー付スイッチ
人の動きを感知して照明を入・切するスイッチです。
トイレや廊下、玄関などの手が塞がりやすい場所や、なるべくスイッチに触れたくない場所、消し忘れの多い場所などに適しています。

■パイロットスイッチ
電源を入れるとスイッチに内蔵されたランプが点灯し、通電していることがひと目でわかるスイッチです。換気扇や外部照明のスイッチに使用します。

■ほたるスイッチ
オフの状態になると内蔵されたランプが光り、暗闇でもスイッチの場所がわかりやすいのがほたるスイッチ。玄関、廊下、階段、トイレ、個室など、暗闇でのスイッチ操作が行われる場所に設置すると便利です。

■リモコン付スイッチ
スイッチごと取り外ししてリモコン操作ができるため、スイッチから離れた場所での操作を行うことが多い、寝室や子供部屋に役立ちます。

■コンセント一体型スイッチ
スイッチにコンセントが組み込まれたタイプ。
スイッチの高さにコンセントも設置されるため、ドライヤーなどコンセントを立った状態で使うことが多い洗面所や、廊下に設置されることが多いです。

■防水スイッチ
耐水性、耐候性に優れたスイッチで、ガレージの照明や屋部照明用としてよく設置されています。

■一括操作スイッチ
ひとつのスイッチで複数の照明を操作できるため、外出時の電気の消し忘れに役立ちます。

■タッチレススイッチ
スイッチに触れずに操作できるため、キッチンの手元灯としてや、トイレなどに設置されます。
家づくりでは、間取りや住宅設備ばかりに目が行き、コンセントやスイッチは二の次になりがちかもしれません。少し難しく感じるところでもあるので、知識やイメージが不足した状態のまま話が進んでしまうことも多いようです。

だけど、家でコンセントとスイッチを使わない日はありませんよね。細かいところではありますが、実は日々の暮らしに密接に関わる箇所。だからこそ、暮らしやすさや家の満足度を左右するコンセントとスイッチにはしっかりこだわっていただきたいと思います。

ここにあると便利!コンセントの設置場所
「スイッチ」 の施工事例写真
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この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

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