2020/11/14更新3like465view岩間光佐子

エコキュートとエネファームの違いとは?暮らしに欠かせない給湯機器を知ろう

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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

快適な暮らしに欠かせない給湯器(給湯システム)。給湯器には、ガスや電気などの熱源によって、いくつかのタイプがあります。ここでは、エコキュートとエネファームを取り上げ、その特徴と選び方のポイントをまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

給湯器・給湯システムの種類と特徴

毎日の暮らしに欠かせない機器のひとつが給湯器(給湯システム)。キッチンや洗面、バスルームなどの水まわりの給湯だけでなく、プランニングによっては、床暖房や浴室換気暖房乾燥機などに関わるケースもある重要な設備機器です。
快適な暮らしを実現するためには、ライフスタイルに適した給湯システムを選ぶことも重要なポイントのひとつ。[Lクラスバスルーム] パナソニック

快適な暮らしを実現するためには、ライフスタイルに適した給湯システムを選ぶことも重要なポイントのひとつ。[Lクラスバスルーム] パナソニック

給湯器には、ガスや電気、石油などの熱源などによって、いくつかのタイプがあり、それぞれ性能も高まっています。一般的になじみのある給湯器は、ガス給湯器でしょう。高効率タイプのガス給湯器はエコジョーズと呼ばれています。ガスを熱源として開発が進んでいる給湯システムが家庭用燃料電池のエネファームです。一方、電気を熱源としたシステムとして、主流となっているのがエコキュートです。

熱源ではなく給湯方式では、瞬間式と貯湯式に分類することができます。瞬間式は、水栓をあけると同時にバーナーが着火、燃焼し水を熱して瞬間的にお湯を作り出す方式。ガス給湯器は瞬間式になります。一方、貯湯式は、タンク(ユニット)にお湯を貯めておく方法。エコキュートやエネファームは、この貯湯式になります。熱源は異なりますが、貯湯式の給湯器である、これらふたつの特徴をみていきます。
主な給湯器の種類

主な給湯器の種類

エコキュートの仕組みと特徴

エコキュートとは、「家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯機」のこと。環境に配慮し、再生可能な空気の熱を利用し、効率よくお湯を沸かす給湯システムです。

エコキュートは、コンプレッサーで空気の熱を汲み上げ、給湯の熱エネルギーをつくるヒートポンプシステム。使用するエネルギーに対して約3倍の熱エネルギーを得ることができると言われています。自然冷媒であるCO2(二酸化炭素)を使用するため、オゾン層破壊や温暖化ガス排出の抑制につながること、また、割安な夜間電力を使用し、効率的なヒートポンプシステムと組み合わせることでランニングコストを低減できること、などが特徴です。

エコキュートの形状は、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットのふたつから構成されます。災害など、万が一の際、貯湯タンクにお湯が残っていれば、生活用水として利用することができるのもメリットでしょう。
[エコキュートの仕組み]  パナソニック

[エコキュートの仕組み]  パナソニック

設備機器商品としてのエコキュートには、スタンダードなタイプのほか、薄型やコンパクトなもの、戸建て用・集合住宅用なども揃っています。3階などにバスルームを設置する場合などに適する、パワフルなシャワーが可能な高圧タイプや水道直圧タイプなどもみられます。錆や潮風に強い塩害仕様、低外気温でも作動可能な寒冷地タイプなど、地域に適したタイプもあります。

給湯機能としては、フルオートタイプ、セミオートタイプ、給湯専用も揃っているので、ライフスタイルに合わせて選ぶことが可能。幼いお子さんや高齢の方の入浴時でも安心な双方向会話機能、音声ガイダンス、ユニバーサルデザインのリモコンなど、細かな工夫も施されています。その他、マイクロバブルを発生させ心地よい入浴が得られるもの、ふろ配管を自動洗浄する機能を持たせたタイプ、残り湯の熱だけをタンクに戻すことで夜間のわき上げに必要なエネルギーを節約する機能などを搭載したタイプもあります。
専用スマートフォンアプリによる遠隔操作、レジリエンス機能や節電機能を強化。大雨、暴風などの災害警報・注意報が発令されている間、タンク内が常にお湯で満水になるよう、自動でお湯の沸き上げを続ける「エマージェンシー沸き上げ」機能も。[エコキュート 本体・室外機]  パナソニック

専用スマートフォンアプリによる遠隔操作、レジリエンス機能や節電機能を強化。大雨、暴風などの災害警報・注意報が発令されている間、タンク内が常にお湯で満水になるよう、自動でお湯の沸き上げを続ける「エマージェンシー沸き上げ」機能も。[エコキュート 本体・室外機]  パナソニック

キッチンや浴室、洗面などの給湯以外に、床暖房と連動するタイプもありますし、太陽光発電システムと連携することができるもの、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)とつなげることができるタイプなどもみられます。専用アプリで外出先からも、自宅のエコキュートを操作することができる商品もみられるようになりました。選ぶ際には、給湯システム単体だけでなく、住まい全体のプランニング、必要な機能を考慮し、トータルで考えることが大切でしょう。
[太陽光発電とエコキュート]  パナソニック

[太陽光発電とエコキュート]  パナソニック

エコキュートの価格や注意点

エコキュートを選ぶ際に注意したいのはタンクの容量。家族構成やライフスタイルに合わせて選ぶことが重要ですが、おおまかな目安としては、2~3人家族であれば300リットル、3~5人であれば370リットル、4~6人であれば460リットル程度と言われています。在宅する時間が長い、来客が多い、などライフスタイルを考慮することも大切です。

また、リフォーム時に注意したいのは、敷地内のスペースの確保です。コンパクトなサイズ薄型タイプもみられますが、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを設置することができるか、早めに確認することが大切です。また、ヒートポンプユニットの運転音は、エアコンの室外機程度と言われていますが、深夜に稼働するため設置場所には注意は必要です。周辺環境を考慮し、隣家の寝室や居室の近くは避けるなど、十分に配慮するようにしたいものです。

エコキュートの本体価格(メーカー価格)は、タンクの容量や機能によって異なりますが、工事費等別で70~100万円台程度。容量が大きく、多機能になるほど価格は高くなります。自治体によっては、補助金制度を設けているところもあるので、事前に確認しておくことが大切です。

エネファームの仕組みと特徴

エネファームとは、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」のこと。自らエネルギーをつくる、家庭で電気を育てるという意味の「エネルギー」と「ファーム=農場」の造語です。

燃料電池を用いたエネファームは。都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させることで発電するもの。同時に発電の際に発生する熱を捨てずに回収、お湯をつくり給湯に利用します。

化学エネルギーを直接電気エネルギーに変えるのでロスが少ないこと、発電する際に環境を汚す物質がほとんど出ないこと、騒音や振動が少ないこと、発電する場所と利用する場所が同じなので発電ロスがないことなども特徴です。エネルギーを無駄にせずフル活用することができる、省エネルギーなシステムと言えるでしょう。
発電効率・熱回収効率を向上し、発電時に出る熱を給湯だけでなく床暖房にも利用できる。 「停電時あんしん発電機能」に加え、ハイブリッド蓄電システムとも連携可能に。 [エネファーム]  パナソニック

発電効率・熱回収効率を向上し、発電時に出る熱を給湯だけでなく床暖房にも利用できる。 「停電時あんしん発電機能」に加え、ハイブリッド蓄電システムとも連携可能に。 [エネファーム]  パナソニック

形状としては、燃料電池ユニットと貯湯ユニット、バックアップ熱源機で構成されています。貯湯タンクとバックアップ熱源機を一体化するなどした、すっきりとしたタイプも揃っています。

燃料電池ユニットでつくったお湯を貯めておくのが貯湯ユニット。万が一、貯湯槽のお湯がなくなってもバックアップ熱源機が稼動するので、湯切れの心配はありません。停電時発電機能が内蔵されているタイプであれば、停電の際、照明や通信機器などが使用できる電力を確保できます(停電時に発電させるには、ガスと水道が供給状態であることが必要)。
[エネファームの仕組み]  パナソニック

[エネファームの仕組み]  パナソニック

他の給湯システムと同様に、機能性や操作性は高まっています。電気やお湯の使用パターンを学習し自動で省エネルギー運転をする機能、最適なタイミングで発電し、お湯をつくる機能なども搭載されています。ガス温水床暖房やミストサウナなどを組み合わせることも可能です。また、対応するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)と接続することで、外出先からお湯はりや床暖房などの遠隔操作が可能なタイプもみられるようになりました。
[エネファームと床暖房] パナソニック

[エネファームと床暖房] パナソニック

エネファームのサイズは商品によっては異なりますが、設置するためのスペースを確保しておくことが必要になるので、新築やリフォームの際には早めに検討することが大切です。設置を希望する場合は、設置予定エリアの燃料を供給する会社(ガス会社など)に相談するようにしましょう。

価格はガス販売会社・販売店によって異なりますが、本体価格はおおよそ200万円台。一般的な給湯器に比べると高価な機器ですが、普及を図るために国の補助金制度、独自の制度を設けている自治体もあります。事前に制度内容、申請期間や必要事前に確認しておくようにしましょう。

エネファームの価格や注意点

エネファームのサイズは商品によっては異なりますが、設置するためのスペースを確保しておくことが必要になるので、新築やリフォームの際には早めに検討することが大切です。設置を希望する場合は、設置予定エリアの燃料を供給する会社(ガス会社など)に相談するようにしましょう。

価格はガス販売会社・販売店によって異なりますが、本体価格はおおよそ200万円台。一般的な給湯器に比べると高価な機器ですが、普及を図るために国の補助金制度、独自の制度を設けている自治体もあります。事前に制度内容、申請期間や必要事項を確認しておくようにしましょう。

暮らしに適した給湯システムの選び方のポイント

家づくりを進める中で、給湯器・給湯システムは、設計担当者などから提案された機器から選ぶケースが多いでしょう。エコキュートやエネファームはもちろん、どのような給湯器・給湯システムを選ぶとしても、確認する際には、家族構成やライフスタイルを十分に考慮すること。使用するお湯の量、使い方などだけでなく、将来的な変化も予測するとともに、組み合わせる設備機器、取り入れたい機能や性能(太陽光発電システム、床暖房、浴室換気暖房乾燥機など)も明確にして決定するようにしましょう。

また、可能であれば、水まわり商品やガス・電気会社のショールームなどで実物を確認したいもの。実際の機器本体の大きさ、リモコンの操作性などのチェックをしておくことも重要でしょう。イニシャルコストだけでなく、ランニングコストやメンテナンス費用なども確認しておくことが大切です。
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