2017/02/20更新0like3713view水沼 均

光と風に満ちた小さなプライベート空間、「ドライエリア」の魅力と実例

住まいの地下に部屋を設けるとき、光と風を得るためにドライエリアを設けてみましょう。ここは小さな外部スペースですが、独特な囲われ感と美しい光を楽しむことのできる場でもあります。コストがかかるというデメリットはありますが、思わず予算を割いてぜひ実現したくなりますよ!

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

ドライエリアとはなにか?

ドライエリアとは、地下に部屋を設けたときに光や風が入るように、地面を掘って地下レベルに設けた外部スペースのことです。地下階の床まで掘ってドライエリアを作る場合もありますし、浅く掘って地下階に腰窓や高窓を設ける場合もあります。

下の写真は大変美しいドライエリアです。地下室と同じ深さまで地面を掘って、そこに竹を植えて中庭のようなすてきさを演出しています。
地下室というとガレージや収納をイメージしますが、ドライエリアとセットなら長時間滞在する部屋を設けることも可能です。そしてこの部屋では、地上階とほぼ同じ快適さを得ることができるのです。

では、ドライエリアにはどのような魅力があるのでしょうか。

ドライエリアはプライバシーが保ちやすく、屋内とつなげやすい

ドライエリアは地面よりも1.5〜3メートルくらい深い位置にあるので、プライバシーが保ちやすいという長所があります。地上に少し塀を立ち上げておけば、かなり窓を大きくとっても地上から中が見えてしまう心配はありません。

窓が大きくとれる分、ドライエリアと庭とのつながりも強く持つことができます。内と外とのつながりの強い家にしたいとき、ドライエリアは独自の魅力を持ってくれることでしょう。

密集した住宅地でプライバシーを得るのが難しいときには、思い切って地下にメインのスペースを設けるという方法も十分考えられます。下の写真は地下にLDKとドライエリアを設けた例です。頭上(地上1階部分)を吹き抜けにしているので、地上で暮らすのと変わらない豊かな明るさと大開口を楽しみながら暮らすことができます。

ドライエリアで頭上からの光を見て味わおう!

またドライエリアには常に頭上から光が落ちてくるため、部屋から眺めていると、上に向かっていくような上昇感を感じることができます。景色が見えないだけに、光そのものをより親密に体験できるという魅力が、ドライエリアにはあるんですね。

下の写真は、2畳間くらいのドライエリアを坪庭のように設けたすばらしい例です。
この小さなスペースがあるおかげで地下室の窮屈さはなくなり、上に向かって気持ちが解放されていくような魅力が出ていますよね。

ドライエリアは造形の自由度が高い

また下の写真は、ドライエリアの地面が斜面になるように掘った、とても凝った例です。
ドライエリアは、光と外気が得られれば他の実用性にはあまり縛られず、造形の自由度も高い存在です。その魅力を形によく生かしたすてきな例だと思いませんか?
そして下の写真は、このドライエリアを外から見たところです。道路からの視線は植木で遮られているので、プライバシーもしっかり確保されています。

このように、ドライエリアは必ずしも地下の床まで地面を掘る必要はありません。ドライエリアと部屋とをどうつなぐか次第で、このような作り方もまたできるのです。

ドライエリアは地面を少し掘るだけでも魅力的

同様に下の写真は、地下のリビングダイニングに面してドライエリアを設けた例です。ドライエリアの深さは地面から1メートルちょっとくらいでしょうか。

ここではすりガラスを用いて、光と風だけ入れて視線はさえぎっています。このように作れば、地面とドライエリアの高低差が小さくてもプライバシーは保てます。

それにしても、この写真でもドライエリアからとてもすてきな光が入ってきています。ドライエリアからの光、本当に良いものですね!

ドライエリアだからこそ得られる開放感

下の写真は、浴室に面してすてきなドライエリアを設けた例です。地上階でこれだけ開放感のあるデザインをしようとしたら、かなり高い壁を作らなくてはなりません。

こんなすてきな庭とつながっていられるのなら、浴室をわざわざ地下に設けたくなるくらいですよね。

室内のドライエリアもあるんです

また下の写真は、室内のドライエリアです。頂部をガラスで覆って室内化して、なんとここに浴槽を設けています!街の中で星を眺めながらお風呂に入れる、とても凝ったデザインですよね。

ドライエリアのデメリット

どんなすてきな住まい要素にもデメリットは必ずつきまといますが、ドライエリアも例外ではありません。最大のデメリットは地下室と同様、コストがかかるという点です。

地面を掘るだけでもけっこうコストはかかるのですが、実はこれ以外にも、掘った残土を処理するのにだいぶコストがかかってしまうのです。ドライエリアはこの点を無視しては作れません。

しかし、ドライエリアは決して広い必要はありません。上の例でもおわかりのように、小さなドライエリアでも十分な光と外気を部屋にもたらしてくれるのです。
ドライエリアはとても魅力に満ちた存在です。一方でデメリットも併せて考えますと、すてきなドライエリアを実現するいちばんの方法は、ドライエリアの広さと深さを必要十分なものにとどめておき、部屋とのベストなつながり方を考えてみるということだと思います。

その結果、もしかしたら地下の深さまでぜんぶ掘る必要はないかもしれません。少し浅くするだけでも、明らかに残土の量は減ってコストダウンにつながってくれるのです。
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この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

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