2017/03/22更新1like9101view

著者:水沼 均

家の中に外が入り込む!土間のある住まいで下足生活を楽しもう

この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

土間というと玄関や勝手口を想像しますが、土間は用い方によってとても魅力的な存在になってくれます。土間はささやかに作るばかりでなく、時には一部屋まるごと土間にしてしまったりすると、住まい方に楽しい変化が起こってくれる存在です。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

土間とはなにか?

土間とは玄関土間、勝手口土間などのように、屋内にある下足履きの部分のことです。

また土間は「たたき」とも呼ばれます。そして屋外のテラス部分も、慣用的に「たたき」と呼ばれることがよくあります。昔は屋内でも屋外でも、下足履きの床として作られた部分はみんな「たたき」と呼ばれていたようです。

きっと昔は屋外と屋内が現代ほど区別されていなかったんでしょうね。屋内外の区別よりも、舗装されているかどうかの方が重要だったのだと思います。

でも、このことは今考えてみるととても含蓄に富んでいると思います。現代の住まいは高密度化やエアコンの普及によって、屋外生活からどんどん切り離されています。そんな中、屋内でも下足を履く「たたき」が住まいにあったら、きっと屋外とのつながりはだいぶ回復されてくれるのではないでしょうか。

では、土間は現代の住まいでどのように用いれば魅力を発揮できるでしょうか。SUVACOの実例を見ながら、楽しい土間を探してみましょう。

屋内にいて下足で外気分を楽しめる土間テラス

下の写真は土間テラスがそのまま屋内のLDKに入り込んでいる例です。こうすると屋内で上下足を履き替えて庭に出ることができ、下足が濡れていたり冷たくなっている心配がありません。視覚的にも、外はぐっと近い存在になってくれています。

濡れ縁やウッドデッキは裸足のまま屋外に出て気軽に外を楽しめる存在ですが、土間はちょうどその真逆で、下足を履いたまま屋内で過ごすことができる存在です。どちらもとてもすてきなしつらえですね。下の写真でも土間は日当たりが良くていかにも冬に暖かそうです。外感覚で過ごせる縁側のようでもありますね。

土間テラスが広がって一つの部屋に

ではこの室内土間テラスがさらに広くなるとどうなるでしょうか。下の写真がそうです。もはや独立した部屋と言えるくらいに土間テラスが広々として、ダイニングテーブルも置かれています。にぎわいが増えて、庭とのつながりがますます豊かになりましたね。
そして下の写真では土間はさらに奥まで入り込んで、もはや完全に住まいの一部屋となっています。奥の部屋に行くときには、まるで中庭を通るように土間を渡るのがとても楽しそうです。
DKを中心に、玄関~洗面・WIC~書斎~寝室まで続く土間をぐるりと回遊することが出来る住まい。
玄関から書斎を抜けてそのままバルコニーに出ることが出来ます。

オモテからウラまで通り抜けられる土間「通り庭」

京都の街にかつてたくさんあった都市住宅の町屋では、玄関に入ると家の奥まで土間がずっと続いていて、最奥部にある裏庭まで下足を履いたまま行ける作りになっていました。頭上は2階屋根まで吹き抜けていて、屋内ながらも屋外の雰囲気が濃く漂った場所でした。この土間は「通り庭」と呼ばれていました。風情のある名前ですね。

この通り庭は現代の住宅にも生きています。表の玄関から家の中に入り、そのまま歩いて裏の庭まで出られます。こうすることで、外と内のつながりを非常に強いものにすることができるのです。

当然屋内は通り庭によって分断されますが、下の写真の例のように片側をガレージにしたり、あるいは客間にするなどして生活上不便でないように工夫がされています。

マンションリノベーションでも土間は作れる

さて最後に、土間は果たして戸建てだけで楽しめる存在なのだろうかと考えてみました。マンションのリフォームやリノベーションでは土間は作れないのでしょうか。

作れます!作った例がやはりSUVACOにありました!下の写真はマンションのリノベーションですが、フローリングを島のように部分的に張ることで、土間を作り出すことに成功しています。

いちばん奥にあるバルコニーまで下足を脱がずに行くことができます。そして上下足はどこでも好きな場所で履き替えることができるのです。

自転車まで止めてあります。これは夢のように楽しそうですね!

土間の注意点

土間を設ける際の注意点としては、土間は下足で歩く場所ですので掃除もブラシ等を用いる必要があります。また水も用いられなければなりません。したがって周囲の部屋に水が流れ込まない工夫が必要です。

また一般的な屋内床と違って、地面の土の上に中空層を設けずに土間コンクリートを打設して直接土間床を作ることが多いので、冬は意外に冷えるんですね。そのため、断熱材を用いたり床暖房を設けるなどの工夫が必要です。
土間はさほど高額でなく作れて、使って楽しい魅力的な存在です。特にアウトドアの好きな方やお子さんはとても喜びそうですよね。

そして土間には後からいつでも簡単に床を張って、純室内化してしまうことも可能です。土間は内と外を結びつけながら、家族の成長に合わせて自らも成長していくことの可能なスペースなのです。
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水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

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