2016年09月28日更新

注文住宅(その他)

建築家とハウスメーカーのいいとこ取り?新しい家の建て方「デザインビルド」を知っていますか

建築家と家をつくる場合、まず建築家がプランを設計し、それを工務店などの施工会社が実際に建てるという流れが一般的です。ですが、このやり方だと、設計と施工が分離されていることによる行き違いや、建て主にとってみれば両者とやりとりしなければならず手間がかかってしまうという問題もあります。それでは、もし設計と施工が一体となったら…?そんな新たな取り組みの仕掛け人に、話を伺いました。


編集部が訪れたのは、「感性に響く上質な住まい」をコンセプトにリノベーション・新築を手がけるクオリア株式会社のオフィス。代表の阿久津 浩之さんは、今回立ち上がった「DESIGN BUILD(デザインビルド)」の仕掛け人です。なぜこのようなムーブメントを立ち上げたのか、これからの展望などを伺いました。

クオリア株式会社 代表 阿久津浩之さん

出典:クオリア株式会社 代表 阿久津浩之さん

「設計・施工一体」にたどり着いたきっかけ

SUVACO編集長 松本(以下、編集部):今回、阿久津さんが中心となって立ち上げられた「DESIGN BUILD(デザインビルド)」は「設計・施工一括」を謳っています。

そもそも一般的な建築家住宅は、建築家が設計プランを描き、それを工務店が施工するというスタイルです。いわば「設計・施工分離」が普通だと思うのですが、これを変えようとしているのは、何か課題感をお持ちなのでしょうか。

クオリア阿久津さん(以下、阿久津):おっしゃる通り、設計と施工が分離されているのが建築家に設計を頼む場合の一般的な姿で、そこに疑問を持たない方も多いと思います。

もちろん、設計と施工が分かれていることにはメリットがあります。たとえば、お互いの緊張感が、施主にとって良いものを生み出す原動力になるという点。すなわち、建築家と工務店などの施工会社が分離されていることで、両者が馴れ合いにならず、お互いの仕事をしっかりとチェックする監視体制がつくられているということです。実際、建築家の業務の中で、設計プラン通りに施工されているか、現場をチェックする設計監理は重要な仕事です。

しかし、この考えはどちらかというと性悪説に寄りすぎているのではないかというのが私の考えです。それよりも、設計と施工が一体となって協力し合うことによるメリットの方が大きいのではないでしょうか。

私が代表を務めているクオリアは、設計と施工を一体として行っています。私は大学では経済学部を出ており、一般企業に勤めた後、建築の世界に入ってきました。だからこそ、実は建築の世界で常識とされることをまったく知らなかっただけとも言えますが(笑)。

私にとっては何の疑問もなくこのやり方で始めたのですが、DESIGN BUILD(デザインビルド)の提唱者である、プロフェッサーアーキテクトの吉田研介先生から「君のところは設計も施工も両方やっていておもしろいね」と声をかけていただいたのがそもそものきっかけです。

吉田先生は、長年大学で教鞭を取られながら、設計事務所も主宰されています。その半世紀を超えるご経験の中で、設計と施工が分かれていることに強い課題感をお持ちで、それを解決する手段として、「設計・施工一体」のDESIGN BUILD(デザインビルド)を提唱されています。

『家を建てるなら デザインビルドで』吉田研介 著

出典:『家を建てるなら デザインビルドで』吉田研介 著

設計と施工が分かれていることの問題点とは

編集部:設計と施工が分かれていることで、具体的にはどのような問題が起こりうるのでしょう?

阿久津:建て主にとって最も身近な話は、予算の問題です。初めに設計したプランで進めようとすると、予算をオーバーしてしまうということが往々にして起こります。

建築家はプランニングの段階で、もちろん建て主の予算を意識した設計を考えますが、どうしてもその時点では夢が広がりますから、建て主の希望も大きくなりがちです。それで結局、いくつかの工務店に見積もりを依頼してみると予算を超えてしまう……。

そうなると予算を上げるか、また時間と手間をかけてせっかく作り上げた設計を変更するか、あるいは工務店に多少無理を言ってがんばってもらうしかなくなってしまうわけです。つまり、誰かしらに負担が覆いかぶさってしまうのです。

これをあらかじめ防ぐために、DESIGN BUILD(デザインビルド)では設計と施工が初めから一体となってプランニングします。こうすれば、予算のブレや手戻りが少なくなります。

編集部:今のお話を聞いていて、2020年東京オリンピックにおける新国立競技場の問題を思い出しました。あれも初めに採択されたザハ・ハディドの設計プランでは、施工に大幅な予算超過が発生してしまうことが問題でした。もちろん、人件費や資材の高騰といった外的要因もありましたが、設計と施工が分離していることによる問題の典型例だったと思います。

DESIGN BUILD(デザインビルド)とハウスメーカーとの違いは?

編集部:設計と施工が一体だと聞くと、ハウスメーカーもそうではないかと思うのですが、違いはあるのでしょうか。

阿久津:我々DESIGN BUILD(デザインビルド)では、ハウスメーカーのような方法を「設計・施工一貫」と呼んで区別しています。この方法の場合、実際の施工は協力会社が行うにしても、建て主としては「○○ハウス」「○○ホーム」といったハウスメーカーに一括して依頼できますので、窓口が一本化されてますし、設計と施工の食い違いによる予算超過という問題も回避できます。

しかし、ハウスメーカーの設計、施工はあくまでも同じ会社の一部門という立場であり、実際の建て主に対する窓口は営業マンが担うことが多いと思います。また、これはハウスメーカーの最大の特徴でもありますが、規格化された住宅であるがゆえに、ゼロからまったく自分の好きなように設計できるわけではありません。

DESIGN BUILD(デザインビルド)の場合、設計と施工が対等な立場で、つまりパートナーとしてタッグを組むところに特徴があります。それぞれの良さを最大限引き出すために、はじめから一体となって施主に向き合うわけです。そこがハウスメーカーとの違いだと思います。

さらに、DESIGN BUILD(デザインビルド)の大きな特徴は、個性豊かな建築家がいることです。それぞれ独立し第一線で活躍している建築家が参画しているので、建て主にとって最適なプランをご提案できます。まずは6社ですが、賛同してくれる仲間を増やしていきたいと思っています。

DESIGN BUILDのメンバー

編集部:個性あふれる家を建築家と建てたいけど予算管理や施工の面で不安がある、あるいは担当窓口が多くなると面倒だという人に、特に向いているわけですね。

建物のことだけを考えても家は建たない!ライフデザイナーが全面サポート

編集部:ほかにDESIGN BUILD(デザインビルド)ならではの特徴はありますか?

阿久津:「ライフデザイナー」の存在です。家づくりは当然、建物だけの問題ではありません。土地探しや住宅ローン、家族のあり方や相続、人生設計など、様々な要素が関わってきます。

そこでDESIGN BUILD(デザインビルド)では、プロジェクト全体をスムーズに運ぶため、建築家と一緒にライフデザイナーが建て主の相談に乗って、家づくりの最後までお付き合いするサポート体制をとっています。

編集部:そもそも家を建てるべきかどうかといった相談でも可能ですか?

阿久津:もちろん問題ありません。今後、無料の相談会やイベントも実施していきますので、まずは気軽にお越しいただきたいと思います。

【取材協力】Designbuild

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