2020/07/16更新1like7123view

著者:岩間光佐子

アウトドアリビングを楽しむ!居心地の良いデッキ・テラスのつくり方

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

デッキやテラスを庭に設け、くつろぎの場として活用したい、と願う方も多いのではないでしょうか? 屋外空間を上手に住まいに取り込むことで快適さも高まるものです。ここでは、心地よくて使い勝手もよいデッキやテラスのプランニングのポイントをまとめました。

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在宅時間が長くなる生活スタイルでは、屋外空間も有効活用したい

働き方も多様になり、自宅で過ごす時間が長くなると、わが家の居心地の良し悪しが気になる方も増えてきているようです。

SUVACOが行った「新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化で気づいた我が家の良かった点・改善したい点」に関する調査の中で、「居心地の良いスペースや環境によるストレス軽減」を長所に挙げた方が最も多く、全体の約半数を占めたそうです。

具体的な回答例としては、「開放的で広いリビングがあり、ずっと家にいるストレスが軽減された」など、屋内の開放的なスペースについての評価や、「ガーデニングができる場所があり息抜きできた」など、ベランダ・ウッドデッキ・庭などの外に接するスペースを挙げる方が多くみられました。

オンとオフ、両方に対応できる住まいづくりが必要となると同時に、籠りがちの日常の中では、屋外の空間を上手に取り入れることはますます重要になるでしょう。特に一戸建ての場合、庭を上手に活用することで、住まい全体の快適さも高まるのではないでしょうか。

デッキやテラスのプランニングのポイント

建物から続く庭先に、デッキやテラスを設けるプランは多くみられます。一戸建ての醍醐味である庭、自然を身近に感じることができる心地よいスペースでしょう。特にウッドデッキを取り入れたプランは人気を集めていますが、デッキやテラスを快適なスペースとするためには、いくつか配慮しておきたいポイントがあります

■デッキやテラスの使い方、過ごし方を明確に
デッキやテラスを検討する際には、まず、そこでの過ごし方や使い方を明確にすることが大切です。たとえば、「休日に家族で朝食をとりたい」「友人を招いてバーベキューをしたい」「趣味のガーデニングを楽しみたい」「子供が遊ぶ場所にしたい」「ペットの居場所にしたい」など、具体的にイメージすること。その上で、目的の優先順位に合わせて、設置場所や広さ、デザインなどを考えていくことが大切です。
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■ゾーニングや動線を考慮する
プランニングの際には、家の中の間取りと同様、ゾーニング(配置計画)や動線をしっかりと検討すること。たとえば、家族でお茶や食事を楽しみたい場合は、キッチンやリビングダイニングからの動線が短い方がいいでしょう。お客様と過ごしたいのであれば、門や玄関から直接行くことができるようなプランも使いやすいかもしれません。また、バスルームや洗面室とつなげれば、湯上りにくつろぐことも可能です。

その他、二世帯住宅の場合に、それぞれの世帯をつなぐスペースとしてデッキやテラスを利用する方法も。適度な距離感を持たせつつ、つながりを生み出すことができるでしょう。
■つながる室内空間と一体感を持たせて
デッキやテラスを設置した例として多くみられるのは、リビングの掃き出し窓から続くスペースに設けたもの。くつろぎの空間に広がりを生み出し、自然を取り込むことができるでしょう。

デッキやテラスへ行き来する窓サッシには、引き込みタイプや折れ戸タイプなど、開口部を広くとることが出来るスタイルが向いています。大きく開放することができるため、リビングとひとつの空間となり、使い方も広がります。

また、床材に統一感を持たせることで、一体感が生まれることも。リビングのフローリングとウッドデッキの素材感や色合いを揃えたり、室内外で使用できる床タイルなどを用いてテラスと室内をつなげてもいいでしょう。
■使い方に合わせた広さやスペースの確保とデザインに
使い方に合わせた広さを確保することも大切なポイントです。たとえば、ウッドデッキであれば、家族でお茶や食事を楽しむことができる小ぶりのテーブルと椅子を置くことができる広さ(4畳程度)が多くみられるようです。友人を呼んでバーベキューをしたいのであれば、もう少し広めに。子供の遊具などを設置したいのであれば、それらのスペースも考慮しなければなりません。

テラスやデッキは、一般的に四角形状のスペースプランが多くみられますが、縁側のような横に長く設けたり、庭や外観デザインに合わせて曲線を用いたプランも考えられるでしょう。

また、使い勝手に大きく影響するのが高さです。建物の床面と同じ高さにすることで、行き来がしやすくなりますが、地面からの高さとの関係もあるので、使い方に合わせてプランニングすること。デッキであれば、縁側のように腰を掛けることができるようにしておくのも便利です。高さがある場合は、ステップを設けたり、デッキやテラス全体を階段状のデザインとしてもいいでしょう。
■周辺環境に配慮しプライバシーの確保を
ゆったりとくつろぐことが出来るスペースとするためには、プライバシーの確保も重要です。道行く人や近隣などからの視線が気にならないように、配置に注意するだけでなく、垣根や塀、目隠し部材(フェンスやパーテーションなど)を設ける必要がある場合もあるでしょう。

注意したいのは、囲い過ぎて閉鎖的な空間となってしまわないこと。たとえば、格子やスリットなどの部材であれば、プライバシーを守りつつ風や光を取り込むことが可能、光を通す面材を使用したパーテーションであれば、圧迫感を感じることも少ないでしょう。
■陽射しや雨をコントロールも
デッキやテラスを設置する方角や季節によっては、夏場の日差しも意識しておきたいものです。どうしても南側に配置されることも多いので、強い日差しを遮ることが出来るような工夫を施すことは必要でしょう。

たとえば、ガーデンパラソルであれば、さまざまなタイプが揃っているので手軽に取り入れることが出来ます。また、水平にせりだす日よけや雨よけであるオーニングも人気のアイテム。季節や時間ごとの日差しに合わせ出し入れし、直射日光を調整することが可能です。

最近では、簾(すだれ)やよしずのような効果を得ることができる外付けスクリーン(シェード)商品も豊富に揃っています。その他、テラス屋根を設ければ、雨を遮ることも。耐衝撃度に優れるポリカーボネートなどが多く用いられています。
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人気のウッドデッキ。天然木だけでなく樹脂素材のエクステリア建材も

ウッドデッキとは、グランドレベル(地面)から高さを設けた木材でつくられた甲板のこと。一般的には、天然木を使用したものを指しますが、木粉と樹脂を混ぜるなどした人工的なエクステリア建材も含むことが多いようです。天然木のデッキは、樹種によっても異なりますが、その素材感が大きな魅力。樹脂製のデッキは、素材としての均一性、耐久性、メンテナンス性が高いのが特徴でしょう。

天然木のデッキに用いられる主な樹種としては、ウェスタン・レッドシダー(米杉・カナダ杉)、イペ、ウリンなど。強度と耐久性があり腐りにくい木材が適しています。腐食を防止し耐久性を高めるため、防腐剤などの薬剤を注入し、耐用年数を向上させた素材もみられます。

エクステリアメーカーの商品の多くは、樹脂と木粉などを混ぜ合わせ、成型した建材ですが、メーカーや商品によって素材の構成は異なります。リアルな木目の模様や溝などを表現した、天然木の質感を持つ素材も増え、カラーバリエーションも豊富。素材としての均一性も高く、比較的簡単に施工できるような工夫も施されています。

石やタイル、コンクリートなどを敷き詰めたテラス

テラスとは、土地の一部を盛り上げ、平らにした部分のことで、石やタイル、コンクリートなどを敷き詰めたスペースのことです。

シンプルにコンクリートを敷き、テラス屋根を設けて洗濯物干し場として利用する場合もみられます。よりアウトドアを楽しむ空間とするなら、石やタイルなどを用いたプラン、パーゴラなどと組み合わせるデザインも。子供の遊び場、ペットの居場所としても使い勝手がいいでしょう。
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もうひとつのリビングならテーブルや椅子、照明なども

アウトドア空間であるデッキやテラスをより楽しみ使い勝手を高めるためには、テーブルや椅子、ソファなどを配してゆったりとくつろげる空間づくりとしたいものです。

また、昼間だけではなく、夜も利用することができるように、照明も設置しておきたいアイテム。テラスのテーブルや椅子を照らすように設けたり、樹木をライトアップしたり、昼とは異なる雰囲気を楽しむこともできるでしょう。照明器具は、建物本体の外壁に設けてもいいですし、パーゴラなどに組み込んでもいいでしょう。

また、ガーデニングなど趣味を楽しむ場とするのであれば、作業用のテーブルや収納、棚やベンチなどを造りつけたり、置くことができるようなスペースを確保しておくといいでしょう。水道やスロップシンクなどを設置しておくと使い勝手がいいものです。作業によっては、コンセントも用意しておくと便利です。

サンルームを組み合わせれば個室のように利用もできる

デッキやテラススペースをよりプライベート空間としたいのであれば、サンルームを組み合わせる方法もあります。造作でつくることもできますが、エクステリアメーカーの商品には、個室のようになるタイプだけでなく、屋根と一部分に壁を設けるなど半戸外的なスペースを生み出すことができるタイプも揃っています。扉がすべてオープンとなるもの、腰まで壁となっているタイプなどもありますし、扉の開閉方法もさまざまなので、空間の使い勝手、デッキやテラスにつながる建物の間取りに合わせてプランニングすることが大切でしょう。

新築の場合、外まわり空間はどうしても後回しになりがち。しかし、庭に設けるデッキやテラスは、ライフスタイルに適したつくりや使い方によって、豊かな時間を生み出す魅力的なスペースとなります。室内の間取りを検討するのと同様に、ライフスタイルや家族構成を考慮して、プランニングを進めるようにしたいものです。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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