2019/09/05更新0like329view佐藤ゆうか

注文住宅の現場で活躍する職種一覧

注文住宅では、土地探しから家の完成まで、家づくりの様子を見ることができる楽しさがあります。その様子を見ていると、様々な職人さんが出入りしていることに気づくことになるでしょう。今回は、意外と知られていない家づくりの現場に関わる職種や、具体的に何をする人なのかということを解説します。着工前に確認すると注文住宅の現場確認がより楽しく、身近なものになりますよ。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

現場監督って何をする人?

設計が進み、着工日などのスケジュールが明確になってくると「現場監督」や「現場代理人」「施工担当者」「現場担当」などと呼ばれる人を紹介されることになるでしょう。

仕事の内容を最もわかりやすく表しているのが、「現場監督」という呼び方で、その現場を動かす責任者になる人です。

現場監督が行う仕事は施工管理と呼ばれ、具体的には次のことを行います。

■工程の管理
工事の始まり~完成までの工事のスケジュール(工程)を組み、職人に工事の内容を伝達します。

また、工事が滞りなく行われるように、職人や材料などの手配を行い、日々変動する天気や近隣の状況にも臨機応変に対応し、工程どおりに工事が進むように管理します。

■品質の管理
建物が設計図や建築基準法、各種工業規定に適合した品質が保たれるように、使用する材料や工事の精度を管理します。

■コストの管理
設計段階で組まれた予算をオーバーせず、適正な利益を生み出せるように、工法や材料などの工夫を行いながら工事を行います。

■安全の管理
工事中にけが人を出さず、事故がなく工事を終えることができるように、危険を予測し、危険度の高い作業が行われる場合には周知や対策などを行います。

■近隣挨拶
安全の管理の一環でもありますが、工事の始まりや、騒音などの不快要素の恐れがある工事を行う場合、上棟時、竣工時などに現場の近隣に挨拶を行い、工事の報告や、進捗などを周知します。

■建築主や近隣とのコミュニケーション
建築主や近隣住民から工事に関するマナーや不快要素などへの意見を聞き入れ、適切な対応を行い、トラブルの発生を防ぎます。

■追加工事の見積もりや対応
契約後の追加工事の見積もりや、追加工事の対応を行います。
例えば、現場に来た建築主に「ここに棚がほしい」と言われた場合、設計者に確認をとった上で棚作成分の見積もりを作成し、大工に棚の追加についての伝達を行い、工程に棚の製作を盛り込み、棚の取り付け工事を実行します。

大規模なビルや、公共施設などの工事現場でも活躍する現場監督ですが、注文住宅の現場では、特にコミュニケーション能力や、周囲への細やかな気配り、清潔感などが求められます。

現場監督がいないとどうなる?

このように現場監督の仕事内容についてお伝えすれば、現場監督がいなくては工事が進まないものだということはご理解いただけたと思いますが、もう少し掘り下げて、現場監督がいないと工事現場はどうなってしまうのか?ということを確認しましょう。

現場監督を現場で見かけると、掃除をしていたり、書類を見ながら現場をウロウロしていたりして、具体的な仕事内容はなかなか見えてこないものです。

私も現場監督時代、一度、現場で解体工の若い人に
「監督さんって実際なにしてるんスか?」
と質問されたことがあります。
現場に来ている職人にさえ認識されていない仕事だったとは、驚きました。

実際に工事を行うのは多くの職人ですが、現場監督がいなければ、どの職人がいつ現場に入るのか段取りがつきません。そのため、工事はいつまでも終わらないでしょう。

工事が終わらなければ、当然予算がオーバーして、建設会社は適正な利益は生み出せません。

そもそも工事自体が始まりませんし、工事を始めてみたとしても、現場は収拾のつかない状況になるでしょう。現場監督の仕事は、建築主の立場から見えにくいですが、家づくりにおいて、絶対になくてはならない仕事なのです。

設計者は施工に対してどう関わる?

注文住宅では、建築主は設計者と何度も顔を合わせて打ち合わせを重ね、家のプランを完成させます。

設計者の仕事は、設計図が完成したら終了するイメージかもしれませんが、実は工事が始まってからも「監理者」という立場で設計者の仕事は続きます。

監理者となった設計担当者は、具体的には次のことを行います。
・設計図通りに工事が行われているか確認する
・現場監督と打ち合わせを行う
・現場の進捗状況などを建築主へ報告する
・建築主の代理として現場で指示を行う

現場監督と同じ「かんり」の仕事ですが、行う仕事の内容は、主に建築主の代理という立場で実行されるので、全く異なるものです。

現場監督の「管理」と設計者の「監理」が健全に機能することで、安心して住み続けられる品質の保たれた家づくりが実現するのです。

施工に関わる職種一覧

注文住宅が「現場監督」の管理によって進められ、「設計担当者」の監理によってチェックされることをお伝えしてきましたが、実際に身体を動かして工事を進めるのは多くの職人さんたちです。

それぞれの道のプロフェッショナルである職人さんが技術や知恵を持ち寄って、一軒の住宅が完成することを考えると、全ての仕事を見学したくなりますよね。

一般的な注文住宅の現場で活躍する職種の一覧と、仕事の内容について順番に確認しましょう。

■解体工
新築予定地に、既存住宅や建物がある場合に解体を行います。

■地質調査会社、地盤改良工、杭工
家を建てようとする土地の地質や強さを調査し、調査結果をもとに地盤補強の方法や必要性の考察、提案を行います。地質のデータや考察をもとに、適切な地盤改良工事と杭工事を行います。

■鳶
住宅建設の現場では上棟までの地ならしや掘削(くっさく)、基礎工事の全般、足場の設置、棟上を行います。

■墨出し工
図面を元に基準となる線や、柱の位置、壁の位置などを現場に実寸で記します。

■鉄筋工
鉄筋コンクリート造の部分で骨組みとなる鉄筋を現場に搬入し、組み立てを行います。
(木造住宅の場合、一般的に基礎が鉄筋コンクリート造となります)

■型枠工
鉄筋コンクリート造の部分で、骨組みとなる鉄筋が組まれた後で、コンクリートを流し込むための型枠の組み立てを行います。

■大工
木工事の全般を担当し、木材の加工や組み立て、新建材の取り付け、内装の彫刻加工などを行います。

近年の木造住宅は、プレカットと言ってあらかじめ工場で加工された木材を現場で組み上げる方法が多くなりました。プレカットの場合でも、加工内容についての打ち合わせに参加し、工場ではできない細部の加工を現場に合わせて行います。

■左官工
外壁や基礎、外構工事などにおいてコンクリートやモルタル仕上げの表面を平滑にしたり、鏝(こて)などの道具を使ってパターン付けを行い、美しく仕上げます。

■塗装工
外装や内装、木部などに塗装を行います。

■断熱工
断熱材の施工を行います。

■防水工
ベランダや屋上などの防水や、サッシの隙間などにシールを充填します。塗装工や外装工が兼務することもあります。

■外装工
サイディング外壁や、カラーベスト屋根などの外装工事全般を行います。板金工や瓦工を兼ねることもあります。

■瓦工
瓦屋根などに使われる瓦工事を行います。

■板金工
ガルバリウム鋼板や、水切り、換気フードなど板金の加工や取り付け工事を行います。外装工や瓦工を兼ねることもあります。

■鉄工
鉄骨階段や手すりなど、鉄部材の加工や取り付けを行います。

■ガラス工
サッシのガラスや、鏡、ガラス部材などの加工や取り付けを行います。

■金属製建具工
アルミサッシなどの金属製建具の加工や取り付けを行います。ガラス工を兼ねることもあります。

■建具工
オーダーメイドの木製建具や、襖(ふすま)、障子などの室内建具の造作や取り付けを行います。

■内装工
室内の内装工事全般を担当し、クロス、クッションフロアー、ビニルタイル、カーペット、カーテンレール、ピクチャーレール、ロールスクリーン、ブラインド、カーテンなど取り付けを行います。

■ユニットバス・キッチン取り付け工
メーカーから搬入したユニットバスやキッチンの組み立て、取り付けを行います。

■畳店
内装に使われる畳の製作、敷き込みを行います。

■タイル工
内装や外装に使われるタイルの加工、取り付けを行います。左官工や外構工が兼ねることもあります。

■家具工
造りつけ家具や、オーダーメイド家具の造作、取り付けを行います。人造大理石の加工や取り付け、棚板の造作なども行います。

■水道設備工
住宅建設の現場では、工事用水の引き込みから始まり、水道設備配管、設備機器の取り付けなどを行います。

■電気設備工
住宅建設の現場では、工事用電源の引き込みから始まり、電気設備配線、コンセントや照明機器の取り付け、インターネット等の設備配線などを行います。

■ガス設備工
ガス配管、ガス設備の取り付けを行います。

■外構工
住宅外周りの外構工事全般を担当し、ポスト、フェンス、門、デッキ、地面舗装、植栽などの施工を行います。

■庭師
庭の植栽や石や砂利などの設置を行い、庭を美しく仕上げます。

■石工
外部や内装に使われる石材の加工、搬入、取り付けを行います。

■産業廃棄物回収会社
工事で発生する廃棄物の回収を行います。

■補修工
工事で発生したヘコみや、傷などを補修します。

■ハウスクリーニング
工事が完了し、引渡し前に仕上げの掃除やワックスがけを行います。

ここまでお伝えした職種は、なんと30種類以上!
それぞれの仕事がリレーのようにつながり、連携することで1軒の住宅ができあがることを考えると、本当に尊いですね。
家づくりの現場に関わる職種や、具体的に何をする人なのかということを解説しました。

注文住宅では、時間をかけて打ち合わせを重ね、設計した家が少しずつ出来上がっていく様子を身近で確認することができる貴重な機会でもあります。できるだけ現場に足を運んで、いろいろな職種の人たちとのコミュニケーションも楽しめるといいですね。
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この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は2児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

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