2018/09/09更新0like3788view

著者:佐藤ゆうか

建築費以外にもこんなに必要。住宅購入にかかる諸経費とは?

この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

住宅を購入すると、建物や土地以外にもお金がかかるものです。それらの建築費以外の費用を諸費用と呼ぶのですが、どの程度かかるのかを把握し、予算に組み込んでおかないと、後々の生活に影響が出てしまうことがあります。今回は、そんな新築にかかる諸費用についてお伝えします。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

新築の諸費用の種類とは?

新築の際にかかる諸費用は、建設会社や各工事会社に支払うことになる諸費用と、それ以外の諸費用に分けられます。

建設会社や工事会社に支払うことになる諸費用とは、土地や建物本体にかかる建築費以外に必要になる費用です。

例えば、

・設計費
・地質調査費
・地盤改良費
・外構工事費
・テレビアンテナ設置費
・ガス工事費
・給排水工事費等

がこの諸経費の内容になります。

この諸費用につきましては、住む場所や家の規模によって大きく異なりますので、今回はそれ以外の手続きや引越し、新生活の準備等で必要になる諸費用についてお伝えします。

建築費以外にもこんなに必要!新築にかかる諸費用とは?

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建設会社や、各工事会社に支払う諸費用以外に、一般的に必要になる諸費用について確認してみましょう。価格は一般的な相場となります。

▼登記費用(土地、建物) 30~50万円

登記とは、公的に土地、建物の情報を登録するための手続きです。司法書士に依頼して行うことが一般的ですが、自分で行うこともできます。(その場合の費用は2万円程度です)

▼収入印紙税 1~5万円

土地やローン、設計や建築工事の契約の都度必要になる収入印紙税の費用です。全てを施主が用意する場合と、不動産屋や建設会社側で用意してくれる場合によって異なります。

▼火災保険料 40万円

建物の構造によって価格が異なります。支払いを一括にするか、毎年にするか、毎月にするかによっても価格は変化します。年払いの場合、毎年3~4万円程度が相場になります。予算があれば、一括で支払った方がお得です。

▼住宅ローン諸費用 100万円前後

新築工事をする場合、住宅ローンを利用する方がほとんどだと思いますが、住宅ローンを使用する場合、銀行に支払う諸費用が必要になります。内容としては、ローンの保証料や、融資手数料、つなぎ融資のための手数料等です。

▼不動産手続き諸費用 100~200万円

不動産会社から土地や建物を購入する場合に必要になる諸費用です。内容としては、仲介手数料、手付金等になります。手付金は、物件売買価格の10%が相場ですので、その金額を明確にして、考慮した上で購入することをおすすめします。

▼引越し費用 5~30万円

最も安く済ませる方法は自分たちの力で行うことですが、大変な苦労が伴います。その場合は家具や大型家電を全て買い換えることがおすすめです。最も費用がかかるのは、新年度付近の繁忙期と呼ばれる時期の引越しです。

また、道が狭い場合など、運搬が難しい土地も費用が高くなります。一度見積もりをしてもらうと安心です。早割り制度や、間近になると予約が取れないケースもありますので、なるべく早く予約することを心がけたいですね。

▼電気工事費 2~4万円

エアコンや、洗濯機等のプロの工事が必要な家電製品の取り付け費用になります。引越し業者や、家電量販店、施工会社のサービスが利用できますので、価格帯や内容を確認した上で依頼しましょう。

▼カーテン購入、取り付け費 2~30万円

カーテンやブラインド、スクリーン等の窓まわりのインテリア用品は、新生活に必要不可欠です。
今まで使っていたもので済ませるのか、既製品で揃えるのか、オーダーメイドにするのかによって大きく金額が異なります。既製品の場合や、カーテンが必要になる窓が少ない場合は、数万円以下の出費で済むこともあります。部屋の雰囲気を左右しますので、インテリアコーディネーターや、設計士に提案してもらうことがおすすめです。

▼家具、家電購入費 20万円~

家具や家電を新しくする場合、その分の費用も諸費用として予算に入れておきましょう。家が新しくなると、誰しも家具や家電を新調したくなるものです。

▼近隣挨拶品 1千円~1万円程度
新生活を心地よいものにするためには、近隣の方への挨拶は欠かせません。また、今まで住んでいた場所でも、お世話になった方への挨拶も大切です。その際に必要な手土産品として、1軒あたり500円~1千円程度の物を用意する必要があります。挨拶まわりをする件数に合わせて用意しましょう。

この他にも、必要に応じて照明費用や、住む場所によって異なりますが、水道加入金や局納金、都税等の清算費、各種手続きの手数料等が掛かります。予備費として30万円は現金で手元に持っておきたいですね。

結局、新築の諸費用はどのくらいかかるのか?

あれこれと必要になる金額をお伝えしましたが、結局のところ住宅を新築した場合、必要になる諸費用がどのくらいなのか、というのは物件の状況によって大きく異なるので、お伝えしにくい部分ではあります。

ですが、あえてお伝えしますと、一般的な広さの住宅を新築した場合に必要になる諸費用はおおよそ300万円程度だと言えるでしょう。一般的な広さの新築を計画した場合、手元に300万円あると困りませんし、安心です。

ちなみに私は最近、横浜市に自宅を新築しました。木造2階建て、約30坪の極めて一般的な広さの戸建て住宅です。

なにぶん予算に余裕が無かったので、諸費用として200万円を手元に用意しておきましたが、結局50万円オーバーしてしまい、なんとかしてお金をかき集めて補填しました。新調したかった家具や家電もありましたが、そんなわけで我慢しました。

ですから、300万円あればあまり我慢せずに気持ちよく住宅を購入することができると言えるのではないかと思います。
新築の際に必要になる諸費用とその内容についてお伝えしました。

土地の費用や建築費など、どうしても目立つ出費に気をとられてしまいますが、諸費用についても十分に把握した上で予算を組むことが重要です。

住宅を新築すると、普段では考えられないような大金が次から次へと出て行きますので、金銭感覚が麻痺してしまうこともあります。大きな金額だからこそ、適正価格を見極めて賢く出費したいですね。
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