2017/01/23更新0like7112view

著者:水沼 均

シーリングファンで夏冬も快適な住まいに。その魅力と効果に迫る

この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

シーリングファンは冷暖房補助機器として高い性能を持っていますが、魅力はそれだけではありません。天井についているだけでいかにも涼しく感じられたり、邪魔な扇風機を不要にしてくれたり、さらにはマンションリフォームのときに梁形の存在感を和らげてくれたりもする優れたアイテムなのです。デメリットは少なく、それも工夫次第でかなり解決ができるんですよ!

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

吹き抜けを作るならシーリングファンはセットでおすすめ

吹き抜けのある住まいは広々として、とてもすてきです。しかし天井が高いと空気が上下に循環しづらくなり、夏に暑くて冬に寒いというデメリットが発生してしまいます。

そこで、吹き抜けとセットでシーリングファンを天井に設けると、空気が循環してくれて効果的です。シーリングファンは非常に優れた冷暖房補助機器なのです。

本体は決して安くはありませんが、エネルギー代を考えると1,2年で元がとれてしまうほどの効果を持っていると言えます。

性能だけでなく、見た目にも涼しいシーリングファンの魅力

シーリングファンは映画やドラマなどでもよく見かけられますよね。インテリアの視覚的なアクセサリーとしても、シーリングファンは個性あふれる存在です。

実際その個性的な形ゆえに、シーリングファンは性能だけでなく視覚的にも涼しさを感じさせてくれます。エアコンやファンヒーターは残念ながら視覚的な涼しさ暖かさまでは伝えてくれません。

視覚的にも訴えかける冷暖房器具。これは住まいのインテリアを考えるとき、とても大きな鍵になるのではないでしょうか。

下の写真はウッディな吹き抜けリビングの天井にシーリングファンを設けた例です。たくさんの開口部や透けた感じ、そしてシーリングファンが一体になって、夏にいかにも涼しそうな住まいになっていますね。
SSD建築士事務所株式会社 瀬古智史「ヨコの家」
また、下の写真は3層吹き抜けのリビングです。ストーブとシーリングファンの両方があるので、冬の暖かさと夏の涼しさがビジュアルに体感できます。
カキザワホームズ「冬をあたたかく過ごす家【2300万円】」

デメリットもこんな方法で安心解決!

シーリングファンはデメリットが少なく、安心して用いることのできる機器です。
しかし羽根の掃除をどうするかは、数少ない欠点の1つです。高いところに設置することが多いので、掃除用具がなかなか届きづらいんですね。

しかし、がんばって改善した例も数多くあります。下の写真はダイニング上部にシーリングファンを設けた例ですが、2階のギャラリーから簡単に掃除用具が届く位置に設けてあります。こうすればダイニングテーブルの真上でも、安心してシーリングファンがつけられますよね。
SSD建築士事務所株式会社 瀬古智史「実りの家」
また、下の写真では2階の個室に内窓が設けてあって、ここから簡単にシーリングファンを掃除できるようになっています。この窓はまた、吹き抜けからの光や冬場のストーブの暖気も採り入れられる、たいへん優れものの窓なのです!
照明器具のついたシーリングファンも多数市販されていますが、高い天井での電球の取り替えを考えると、かつてはあまりおすすめできませんでした。

しかし現在ではLEDの照明がすっかり主流となり、電球の交換は数年に一度で済むようになりました。ここまで頻度が少なくて済むのなら、取り替えは専門業者さんにお願いするという考え方もあるかもしれませんね。

ふつうの高さの天井でも効果は大。それに部屋が片付きます!

吹き抜けでない一般的な天井高の部屋でも、シーリングファンの効果は十分期待できます。距離が人に近いので、空気循環だけでなく、夏場は扇風機の代わりにもなってくれます。

夏場に扇風機を補助的に用いているご家庭は多いと思います。また冬場にサーキュレーターを用いることも多いでしょう。

これらはとても効果的で良いのですが、とにかく邪魔なんですね・・・。機具自体もそうですし、コードが足にからまったりもします。

ところがシーリングファンを設けますと、もはや床に扇風機やサーキュレーターを置く必要がなくなります。邪魔なものを取り除き、同時に天井もますます有効に使うことができるわけです!

下の写真はスタンダードな天井高のリビングにシーリングファンを設けた例です。視覚的な違和感はぜんぜんありません。

特にこの例ではリビング中央だけ天井をわずかに持ち上げ、そこにシーリングファンやライティングダクトを収めるという高度なテクニックが用いられています。

マンションリフォームでも梁形とコーディネートできる強い味方に

またマンションリフォームやリノベーションでは頭上に梁形が出てくることが多いですが、この梁形の存在感、なかなかのものなんですね。

そこで下の写真の例は、梁形に囲まれた中にシーリングファンを設けています。
こうすると、梁形とシーリングファンが視覚的に程良いバランスでコーディネートされて、上の写真のような段付き天井に近い存在になってくれます。使い勝手ももちろん良好ですよ!
吹き抜けを設けるなら、ぜひシーリングファンをセットで設けてみてください。たいへん優れた性能を発揮してくれますよ。

でも吹き抜けでなくてふつうの天井高でも、シーリングファンは十分役に立つのです。シーリングファンを取り付けてみたら、見た目の雰囲気がこんなに変わってくれた。そしてこんなに便利なことが増えた。きっとたくさん体感していただけると思います。
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