2020/04/04更新1like4786view

著者:岩間光佐子

アイランドキッチンとは?メリット・デメリットを知っておきましょう

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

キッチンプランにはいくつかのスタイルがありますが、あこがれる方も多いのがアイランドキッチン。アイランドキッチンとは、フロアキャビネットを壁面から離して設置するスタイルのこと。ここでは、メリットデメリット、知っておきたい基礎知識をまとめました。

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アイランドキッチンとはどんなスタイル?

新築やリフォームの際、キッチンのプランニングは重要なポイントのひとつ。最近では、キッチンが住まいの中心となるような間取りも多くみられるようになりましたが、どんなキッチンプランとするかは、使い勝手だけでなく、快適さにも大きく影響を及ぼすものです。

一般的なキッチンのレイアウトには、I型、II型、L型、アイランド型などがあります。その中でも、開放的なアイランド型のキッチンに魅力を感じる方も多いようです。アイランドキッチンとは、シンクや加熱機器などが組み込まれたフロアキャビネットを、壁面に付けて設置せずに、島(アイランド)のように独立させたレイアウトのキッチンのこと。ダイニングとのつながり方の分類としては、調理などをしながら家族とコミュニケーションが図れるオープンキッチンで、多くは対面キッチンのスタイルになるでしょう。

アイランドキッチンのメリット

間取りや広さなど空間のつくりにもよりますが、一般的なアイランドキッチンには下記のようなメリットが挙げられます。

■広々とした開放感のある空間が生まれる
アイランドキッチンを取り入れる場合、ダイニングやリビングを一体化したプランも多いため、LDK全体に広がりのある開放的なスペースが生まれます。

■コミュニケーションが取りやすい
アイランド型を含む対面キッチンは、作業中でも家族から孤立せずコミュニケーションが取りやすいのが大きな特徴。調理や後片付けをしながらでも、リビングやダイニングにいる子供の様子が分かるため子育て世代にも人気のスタイルです。また、お客様がいらしても、会話をしながらお茶の用意などをすることもできます

■家族や友人が参加しやすい
アイランド型の場合、ダイニングやリビングから作業の様子が分かるだけでなく、両サイドからも行き来できるので、配膳や片付けなどが協力しやすいスタイルとも言えます。ホームパーティでは、友人と一緒に楽しみながら準備することも可能です。

■空間のデザインのポイントにもなる
空間コーディネートにもよりますが、キッチンキャビネットだけでなく換気扇などがLDK空間のデザインのポイントとなるケースもあります。機器やアイテムを選ぶ際には、美しさを保ちやすいように清掃性などにも配慮しておくことも大切です。

アイランドキッチンのデメリット

アイランドキッチンにもさまざまなプランが考えられるため一概には言えませんが、一般的には下記のようなデメリットが考えられるでしょう。

■狭い空間では難しい
プランやサイズなどにもよりますが、一般的に、I型、II型に比べて、アイランドキッチンはスペースが必要です。フロアキャビネットを周回できる(両サイドから行き来できる)スタイルが特徴なので、狭い空間では、そのメリットを感じることができない場合もあります。

■ニオイや音、油はねなどが気になる場合も
アイランドキッチンに限りませんが、オープンなスタイルのキッチンの場合、ダイニングやリビングに調理のニオイ(ゴミの臭いなども含めて)が広がってしまうこともあります。また、調理や片付けの音で、会話がしにくかったり、テレビの音が聞こえづらい、ということもあるようです。

■散らかった料理器具などが見えてしまう
プランや調理スタイルなどにもよりますが、ダイニングやリビングから見えてしまうので、調理後のフライパンなどの器具を置いたままでは落ち着いて食事ができない、急な来客時に困る、といった声も聞かれます。

アイランドキッチンにもいくつかのタイプがある

アイランドキッチンには、いくつかのプランが考えられます。間取りや空間のスペース、家族構成や食事のスタイルなどに合わせ検討することが大切です。

■フロアキャビネットをセンターに設置するタイプ
シンクやコンロ、IHクッキングヒーターなどが組み込まれたフロアキャビネットを、壁に付けずキッチン空間の中央に設置する基本的なアイランドキッチンのスタイルです。本来のアイランド型ではありませんが、フロアキャビネットは壁面に設置し、作業カウンターキャビネット(作業台)をセンターに設けたり、シンクか加熱機器のいずれかを組み入れるケースもあります。
■カウンタートップを広げ、テーブルを兼ねるスタイル
フロアキャビネットのカウンタートップを広げるなどして、食事スペースを確保するスタイル。プランニングによっては、朝食など簡単な食事だけでなく、ゆったりとしたダイニングテーブルとしても利用することも可能です。
■ダイニングテーブルを並べたり、一体化させるプラン
フロアキャビネットにダイニングテーブルをつなげたり、並べて置くスタイル。キッチンから近いため、配膳しやすいメリットも。

アイランドキッチンプランの考え方

ひとくちにアイランドキッチンと言っても、間取りやレイアウトなどによって使い勝手も異なります。住まい全体を考慮して、そのメリットを十分に生かしたプランニングとしたいものです。

■スペースや動線を考慮してレイアウトは十分に検討する
プランニングの際には、両サイドから行き来できる、回遊することが可能なアイランドキッチンの特徴を生かしたレイアウトを検討したいものです。ダイニングやリビングへ行き来しやすいか、配膳のしやすさなどの動線を考慮すること。ダイニングテーブルのレイアウトによっても使い勝手は大きく異なるので、アイランドキッチンの場合は特にLDK全体で検討することが大切です。
■LDK空間とのコーディネートを
アイランドキッチンでは、LDK空間全体のコーディネートも重要です。フロアキャビネットのデザインや扉材だけでなく、床や壁など、LDと同じ素材とするか、異なる素材を用いるのかなど、十分に検討すること。

キャビネットやカウンタートップに用いる素材によってイメージも変わります。木やタイルを用いるなどすればナチュラルな雰囲気に、ステンレスを選べばシャープな空間になるでしょう。最近では、ハードな印象の左官材料(モールテックス)を用いるケースもみられます。

また、多くの方が取り入れるシステムキッチンには、アイランドキッチンの提案も多くみられます。扉材やカウンタートップなど、多様なバリエーションが揃い、フローリングや室内ドアなどの内装建材とコーディネートできるシステムキッチンもあります。

■デザインのポイントとなるようなアイテムを選んでも
空間全体のコーディネートも重要ですが、デザイン性の高い機器を取り入れ、空間のポイントとする方法もあります。モダンでシャープなデザインの換気扇(レンジフード)、個性的な形状の水栓金具なども揃っているので、ダイニングやリビングからの見え方を考慮して選ぶようにしましょう。

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■ニオイや音を軽減する工夫を
ダイニングやリビングとつながるキッチンの場合、ニオイや音にも配慮が必要です。加熱機器や空間に適した換気扇、給気口を配置することが基本。また、ダイニングやリビングにニオイ成分を分解できる性能を持つ内装材などを用いることも考えられます。

音に関しては、水はね音を抑えた静音設計のシンクも一般的になっていますし、静音設計の換気扇、運転音を抑えた食器洗浄乾燥機なども提案されているので検討を。その他、油はねや煙を抑えるためには、加熱機器の前にガラス(パネル)などを用いることも考えられます。

■すっきりと見える使いやすい収納を
アイランドキッチンの場合に限りませんが、使い勝手のいいキッチンを実現するためには、収納計画も重要です。ダイニングやリビングからすっきりと見えるように、フロアキャビネットでの作業に必要なものを明確にしてプランニングすること。周辺の収納プランは、容量や使い勝手はもちろんですが、くつろぎの場からの見え方にも配慮するようにしましょう。

■リフォームの際の注意点
リフォームで壁付けのキッチンからアイランドキッチンに変更したい場合、排水管や換気ダクトなどの移動や設置が可能か事前に確認を。マンションの場合など、床下や天井の構造などにも関わるので早めに相談することが大切です。

ショールームやモデルハウスを上手に活用する

あこがれる方も多いアイランドキッチンですが、間取りはもちろん、家族構成やライフスタイルに適さなければ、使い勝手の悪いものになってしまうこともあります。検討する際には、キッチンに対する優先順位、アイランドキッチンにしたい理由を明確に検討するようにしましょう。

また、アイランドキッチンにもさまざまなスタイルがあるので、事前に体感してみることはとても重要です。ショールームやモデルハウスなどで、空間のボリュームや機器の取り入れ方、ダイニングやリビングとのつながりなどを参考にすることも大切です。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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