2020/01/14更新0like11138view

著者:岩間光佐子

内装タイルの基本的な種類と特徴・メリット 総まとめ

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

タイルは、水まわりに用いる馴染みのある素材のひとつ。デザインバリエーションも豊富に揃い、細かなモザイクタイルなども人気となっていますし、機能を持つタイルもみられるようになりました。ここでは、内装タイルの特徴・種類やメリット、選び方のポイントについてまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

内装タイルの特徴・メリット

一般的な住宅の内装材には、さまざまな種類があります。たとえば、壁材であれば、クロス(壁紙)や塗壁、木、タイル、パネルなど。

床材では、木質フローリングやコルク、カーペット、クッションフロア、タイルなどが用いられます。いずれも、各メーカーから、豊富な商品バリエーションが揃っているので、予算や好みに合わせて自由に選ぶことができるでしょう。

これらさまざまな内装材の中でも、タイルは、水に強いことはもちろん、汚れもつきにくく落としやすい、色褪せしにくい、という特徴を持つ素材。

主に水まわりの内装材として馴染みがありますが、最近では、居室の壁や床材として取り入れられるプランもよくみられるようになりました。テクスチャーやデザインのバリエーションも豊富になり、さまざまなインテリアに合わせることも可能な魅力的な素材です。
腰越 耕太「二宮の家」

タイルの基本的な種類と特徴

内装材として用いられるタイルは、素地質によって、陶器質、せっ器質、磁器質に分類でき、また、うわぐすり(釉)の有無によって、施釉(せゆう)タイルと無釉(むゆう)タイルに分けることもできます。

陶器質

陶土や石灰などの原料を1,000~1,200℃で焼成したもの。寸法精度がよく、美しい色やデザインを施している施釉タイル。やや吸水性があり、たたくと濁音がするのが特徴。

せっ器質

粘土や長石などを1,200℃前後で焼成したもの。磁器質に比べ、やや吸水性があります。

磁器質

石英や長石などを1,200~1,350℃で焼成したもので、たたくと金属音がします。吸水性はほとんどなく、耐凍害性、耐磨耗性に優れたタイルです。
その他、素焼きの風合いが魅力のテラコッタタイル、ガラスタイルなどもあります。

また、メーカー商品での分類方法はさまざまですが、カタログやショールームには、水まわり用、床用・壁用など、適する用途が記載されているので、選ぶ際には確認することが大切です。

大きさや形も多種多様。モザイクタイルも充実

商品としてのタイルには、大きさや形もさまざまなタイプが揃っています。正方形であれば、100角、200角など(それぞれ大きさは100×100ミリ、200×200ミリ)。210角(100×200ミリ)といった長方形のタイプもみられます。

また最近では、モザイクタイルと呼ばれる小型のタイルが注目されており、多種多様なデザインがみられます。細かな四角のタイプだけでなく、長方形や丸などさまざまな形状が揃っています。

その他、陶磁器のタイルだけでなく、ガラスやミラー、石材などを用いたタイル、陶磁器タイルと異素材を組み合わせたタイプなども。国産だけでなく輸入タイルも豊富になってきています。

表面の素材感、ナチュラルな色合いなどが注目

最近の注目のデザインは、色や素材感などにナチュラルな雰囲気を持つもの。北欧を感じるような色使いのタイル、木目などがプリントされたタイプ、やさしいパステル調や和の要素を持つデザイン、サブウェイタイルと呼ばれる表面に光沢のあるタイプなども揃っています。

憧れる方も多い「カフェスタイル」や「ブルックリンスタイル」といったインテリアにも合わせやすいデザインタイルも多くみられますし、DIYでも取り入れることができるタイプなどもあり、インテリアのアクセントとして用いてもいいでしょう。

機能を付加したタイルも注目されている

色やデザインの豊富さだけでなく、さまざまな機能を付加したタイルも多くみられるようになりました。プランニングの際には、用いる場所に適したタイルを選ぶことが大切です。

滑りにくいタイル、冷たくないタイル

バスルームの床材であれば、滑り止めの加工を施したタイプを。滑りの原因となる水膜を減らすため、表面に細かな凸凹やミゾ、突起加工を施したタイプの床タイルなどが揃っています。
また、タイルに細かな気泡を作ることなどによって保温層を作り、温かく感じる機能を持たせたタイプも。タイル特有の冷たさを抑え、足ざわりがあたたかい機能を持つタイルもみられます。高齢の方や幼いお子さんがいるご家庭などに向いているでしょう。

心地よい空気環境をつくる

たくさんの微細な孔を持たせることで、部屋の湿度を調整するタイル。梅雨の時期など、湿度が高い場合は湿気を吸収、冬の乾燥期など湿度が低い場合には放出するので、結露やカビ・ダニの発生を抑える機能を持つタイプです。

また、シックハウスの原因のひとつであるVOC(揮発性有機化合物)を吸着する性能タイプもあります。

清潔さを保つタイル

清潔さを保ちたい洗面室などには、抗菌効果と防汚・防臭効果を持つものなども。目地のない大判セラミックに抗菌作用を施し、ニオイや汚れを防ぐ機能を持たせたトイレ専用床材もあります。

空間別 タイルの用い方のポイント

タイルを上手に用いるために押さえておきたいポイントを空間ごとに考えてみましょう。

キッチンや洗面台、トイレなどのカウンター前に用いる

最近の水まわりのプランは、システムバスや洗面化粧台などを用いるケースが多く、床や壁全面にタイルを使用するのではなく、ポイントとして部分的にタイルを使うプランが増えてきているようです。

多くみられるのは、カウンター前などにアクセントとして用いるプラン。限られたスペースのため、大きめのタイルよりは小さめのサイズが向いているので、モザイクタイルなどを取り入れるケースもみられます。

選ぶ際には、キッチンであれば、カウンター素材やキャビネット扉とのバランスを。洗面やトイレであれば、洗面器とのコーディネートがポイントです。

リビングや寝室、玄関などの壁には、機能性を持たせたタイルを

居室の場合、快適な空気環境を生み出す機能のあるタイルを壁面に取り入れるケースもみられます。家族が日々過ごす空間やお客様を招くスペース、また、ペットのいる場などにも向いています。

プランとしては、リビングのメインとなるような壁に用いたり、寝室のベッドヘッド側の壁に取り入れるケースもみられます。

ペットのスペースやサンルームの床材としても

室内でペットと過ごすご家庭も多くみられるようになりました。水に強くお手入れしやすいタイルは、ペットのスペースの床材としても向いています。

また、サンルームのような半屋外スペースに用いても。リビングの床の一部分をタイル張りとしたり、一戸建てであれば、テラスなど屋外スペースと同じタイルを用いるなどして、広がりのあるプランとしてもいいでしょう。

ショールームや見本で実際に比較検討を

タイルを選ぶ際には、ショールームや見本を取り寄せるなどして、必ず実物で比較検討することが大切です。壁材として用いるのであれば立てて、床材の場合は置いて、色味や光の加減による違いをチェックすること。

機能タイルは、商品によってその効果は異なるので、具体的にどのような機能があり、効果が期待できるのか、しっかりと確認することも必要でしょう。お手入れ方法やメンテナンスの方法なども合わせてチェックしておくこともポイントです。

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